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1泊2日の草津温泉旅行
久しぶりに、夫と旅行に出かけました。
温泉好きの夫がテレビを見ながら、ぽつりと言ったのですよね。
「草津温泉行きたいなあ~」
今月は宝塚大劇場が工事中で公演はない。
宝塚ファンの私の手帳は真っ白け。
「じゃあ、草津温泉行く?」
ということになりました。
夫との旅行の手配はすべて私がすることになっています。
夫はくっついてきて「費用負担」するのみ。
私の実家では、父がすべて手配していて母はくっついていくだけだったので、最初は驚きました。
けれど、夫に頼っていては旅行などできないことがわかりました。
全部私にさせるの!?なんて、絶対に思わないことにしています。
全部私の好みで選べる!嬉しい!って思うことにしています。
こういう分業を上手にすることは、夫婦関係で大切なんですよ。
私は色々計画を立てるのが好きなようで、きっと向いているんだと思います。そして旅行中、夫の不服は「あらあ、そう?ごめんね~」と適当に流し、夫の協力は「凄~い、さすが~ ありがとう」と絶賛するっていうやり方を取ると、喧嘩することもありません。旅行中の喧嘩って最悪ですからね。旅行代ドブに捨てるくらい無駄になります、ホント。
還暦過ぎてくると、長い夫婦生活で色々学ぶものです。
何事も、気持ちの持ち方ですね~ 自分が快適でいられる方向に動くべし。
初めての草津温泉。
まずは、ホテルを決めなければ。
知らない場所に初めて行く時は、最も有名な場所をチェックします。
草津温泉といえば、湯畑。
ここに近いホテルにしようと考えました。
あります! 何軒かのホテルが湯畑の近くにありました。
色々見てみて、湯畑眺望という部屋のある「ホテル一井」に決めました。
初めてだからね、まずは定番を味わうべし!
関西在住なので、関東の地理がよくわかりません。
一井のアクセス案内をみるとJRの長野原草津口という駅からバスで草津温泉バスターミナルに行けば送迎バスに乗れるようです。
が、バスターミナルから湯畑までは歩いても近いので歩くことにしました。
だからまずは、長野原草津口駅に行く方法ですよ。
路線案内をみると、東海道新幹線で東京に行って、北陸新幹線で高崎に行って、在来線の吾妻線に乗ると、長野原草津口に行くことができます。
そこからバスで草津温泉バスターミナルに行くってことですね。
初めてだからね。ドキドキです。
一番の不安は、吾妻線という在来線です。
路線案内では、18駅もあって、一時間半以上乗らなければいけません。
結構、乗るなあ~ 座れなかったら地獄だぞ~
さて、吾妻線。
高崎で乗り換えて、座れたので一安心。そんなに、混んでいません。
でも、長椅子タイプの車両なんですよ。
お握りを食べようと思っていたから、なんだか、恥ずかしかった。
(でも、食べたけど……)
走る場所は……基本、のどか~
ま、近江鉄道の走る滋賀在住の私からすれば、それほど珍しい風景ではないのですが、一駅一駅止まるし、単線なのか、電車のすれ違いの為に駅で何度も止まる。
この状態で1時間半以上乗っているのは、そこそこ疲れます。
やっと長野原草津口に到着!
ちょっと電車が遅れたから、バスの時間がドキドキです。
焦って改札を出たら、案内する方がいて路線バスなのに観光バスのようなりっぱなバスが止まっていて驚きました。
焦って乗ったけれど、同じ電車の方は皆草津温泉に行くようで、バスは結局全員乗るまで待っていました。バスの時刻を気にせずのんびりしている方もいるのね。
でも、そうよね。この駅に来て、草津温泉に行かない人の方が珍しいでしょうからね。
そして、20分ほどバスにゆられて草津温泉バスターミナルに到着しました。
バスターミナルは工事中で、誘導されるままに道へ。
案内板をみると湯畑はすぐ近くのようです。
草津温泉は、雪がちらついていました。
そして、湯畑!!!!
おお、テレビで見たことがある! これか!
その光景にも驚きましたが、硫黄臭の強さに驚きました。
こんなに、臭うのですね。
バスの中で、草津温泉の名前の由来が「くさいみず」の意味の「くさづ」が変化した説が有力だと放送されていましたが、それが納得できる匂いでした。
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今夜はホテルでごちそうだからお昼は控えめにしようと、蕎麦屋に行くことにしました。夫が蕎麦屋をチェックしていたようで「三国家」というお蕎麦屋さんに行きました。
きざみ鴨せいろが名物のようなので、それと赤城和牛炙り肉寿司というのを頂きました。
刻んだ鴨肉の入った濃厚なだしにそばをつけて食べるのです。こんなの初めてで、珍しくて美味しかったです。
炙り肉寿司も美味! 柔らかいお肉でした。
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お店に到着したのが2時過ぎで、ギリギリセーフでお店に入れました。
草津温泉って、お昼営業が2時とか2時半で終わる店が意外と多いので注意しないとダメだと感じました。
それと火曜定休のお店が多いんですよ。それも要注意!です。
食後は熱乃湯の「湯もみと踊り」を観にいきました。
熱乃湯の建物は大正レトロな雰囲気でおしゃれです。
チケット売り場には3時からのチケット販売を待つ長蛇の列がありました。
事前にチケットを買えないシステムで、公演開始30分前から売り出されるチケットを買って入らなければいけないのです。
案内に従って列に並んでいると、後ろにもどんどん人が並んでいきます。
凄い! 大人気!
草津温泉って観光地として人気があるんですね。
月曜だったので空いているのかと思っていたら、多くの観光客がいて驚きました。活気のある温泉街になんだか安心しました。
特に若い人に支持されているのが大きいですね。
大学生くらいのグループがいたり、20代くらいの女性グループやカップルがいたるところで写真を撮っています。
子供さんをつれた家族連れもおられましたし、アジア圏の外国の方も多かったです。
新幹線の中では、スキー板を持った外国の方も多く見かけたので、日本の観光業は、本当にインバウンドで支えられているのだなあと実感しました。
ホテルの客室フロアですれ違った外国の方(従業員ではなくお客さんね)に、笑顔で「こんにちは」と挨拶されて、大慌てで「こ、こんにちは」と挨拶を返しました。外国の方って人懐っこくて、シャイな日本人であることが申し訳なく思えてしまいました。
さて、湯もみショー。700円で観られます。
1階、2階に席があります。私は1階席で観ましたが、長椅子が二列あって椅子の後ろは立って観るシステム。入れるだけ入れる感じですので、椅子に座りたい人は早めにチケット売り場に並んだ方が良いですね。
私は1階の二列目の椅子に座ることができました。その時点では二階の椅子も埋まっている感じでした。
チケット売りも、入場案内も、踊りも、湯もみも全部湯もみのお姉さんがしていまして、驚きました。
ここ、めっちゃ儲かってるなあと、下世話な計算をしてしまう私。
草津温泉を紹介するムービーがあって、その後、草津節の踊りと湯もみが行われました。
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湯もみショーを観た後、一井にチェックインしました。
広々とした綺麗なロビーにはお雛様が飾られ、隅っこにぐんまちゃんがちょこんといました。
凄い、一流観光ホテルって感じです。
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チェックインをすませて夕食までの間に、夫は外湯めぐりをしたいと言います。外湯の共同浴場って、無料なんですよ。ロッカーとかタオルはないから、貴重品は持たずにタオルだけ持っていくのが良いようです。
夫が行きたいという地蔵の湯に行きました。
地蔵源泉の所にはお地蔵さんが祀られています。
四角い枠に顔を入れて温泉の蒸気を浴びる「顔湯」というのがありました。珍しいですよね。顔を入れてみましたが、柔らかな蒸気でそれほど熱くはありません。
私はホテルの温泉だけでよいので、夫が外湯めぐりをしている間にホテルに戻って、ロビーでフリードリンクのコーヒーを飲みながら新聞を読んでみました。上毛新聞という地元の新聞を読んでみます。地方にしかない新聞を読むのってローカル色を感じられて好きなんですよね。
ロビーにフリードリンクを用意しているっていうのも、良いサービスですよね。満足、満足。
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外湯めぐりをしていた夫が戻ってきました。
「地蔵の湯」の後「千代の湯」にも入ってきたそうです。
地元の人との会話も楽しんだようです。私はお風呂で知らない人に話しかけられたりするのが苦手なのですが、夫は平気みたいです。自分から話しかけることはしないのですが、聞き上手なようです。その地元の方は「地蔵の湯」が一番好きだと言っておられたようで、夫も「地蔵の湯」の方がよかったと言ってました。温泉好きは、お湯の違いに敏感なようです。
ちなみに翌日、夫は朝から「白旗の湯」に行ったのですが、ここは熱すぎて足しか入れることができずに戻ってまいりました。何度かかけ湯してチャレンジしたらしいですが、無理だったみたい。他にもチャレンジしている人がいたけれど、やはり無理だったらしいです。
相当の強者でなければ、肩まで入れないでしょうね。
確か、熱乃湯のお姉さんが、隣のお風呂が48度だったことがあるって言ってましたからね。もう、罰ゲームの熱湯風呂やん。
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夕食はホテルにある大正ロマン風のレストラン「季味の浪漫」で頂きました。メニュー表に、お料理の説明までついていてめちゃくちゃわかりやすい。
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メインの料理、夫はステーキを、私はスズキのポワレを選びました。もう、お腹いっぱい!
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バイキング形式の朝食は取り過ぎて、食べ過ぎてしまいます。
アイスクリームがめちゃくちゃ美味しくて、でも、そんなに食べられるものでもない……最後にデザートって思って食べたから……他の種類も食べたかったな……
ホテルの温泉は、夕食後に一度と、朝食後に一度楽しみました。
日替わりで男湯と女湯が入れ替わるので、両日共に入ると両方楽しめます。
どちらも広い浴場で、三種類の湯舟があります。39度くらいの湯舟、42度くらいの湯舟、44度くらいの湯舟があります。
頑張れば、44度の湯舟もつかることは可能でした。あまり入っている人いないけれど……手前の方でそおっと動かないように入ってみました。
意外と大丈夫でした。
最高なのが露天風呂!!!
テレビなどでは見たことありますが、自分が体験するのは初めて!!
本物の雪の中の露天風呂!!!
しばらく温まってから、勇気を持って露天風呂へのドアを開けると、冷えええ……さ、さむーい!!! うっすら積もっている雪を裸足で踏みながら、そおっと湯船に。(寒いけれど急いで転んだら危ないからね。ゆっくり歩きましたよ)
湯船に入ると温かくて、気持ちいい~
雪が舞っていて、風が吹いているんです。
周りの木々には、雪が積もり、顔には風に吹かれた雪が当たるんです。
本物の雪見風呂。
さすがに、ドアを開けただけで諦めた人もいる様子。
でも、お風呂に入ってしまえば天国ですよ。
本当に気持ちいい~
ああ、これが本物の雪の中の露天風呂なんだなあ~って噛みしめながら入りました。
翌朝も、露天に入ろうと思って中のお風呂で体を温めていると、露天風呂の入り口で騒いでいる人が……
露天風呂に行こうとしているおばちゃんなんだけど、足元が冷たいって友達と騒いでいるみたいなのですよ。
そりゃ、雪を踏んでいかなくちゃ露天風呂に辿りつけませんからね、仕方がないわね。雪が降っているんだもの……
で、そのおばちゃん、とんでもないことをしてくれました。
桶にお湯をくんで、雪の上に撒いたんですよ。
「あーあ」 私、それを見ながらため息つきました。
人間の想像力って、人によりけりなんでしょうけれど……
雪の上にお湯を撒いたら、雪が温かくなるって思う人がいるのかって呆れましたよ。それも、私と変わらない年齢で……
案の定、そのおばちゃん「やっぱり冷たい」と騒いで、結局露天には行かずにお風呂を出てしまいました。
あーあ、あの人の撒いたお湯が凍って今頃ドアの出口は「氷」になっているだろうなあ……雪の方がましなのにな~
滑らないように気をつけないとダメだな~
充分に温まってから、露天へ。
やっぱり出口の床は「氷」になっておりました。
ゆっくり歩いて露天風呂につかりました。
ああ~気持ちいい~
私は、本物の雪の中で入る露天風呂体験が今回の旅行で一番楽しかったな。
ホテルをチェックアウトした後は、荷物を預けて西の河原公園に行きました。
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草津穴森稲荷神社にお参りさせて頂きました。
雪の中に赤い鳥居が映えて、凄く綺麗です。
その後は、片岡鶴太郎美術館へ行きました。
すっごくオシャレな建物で、片岡鶴太郎さんの描かれた作品が展示されています。
温泉に観光客は大勢いるのに、なぜか美術館は私と夫の貸し切りでした。
もしかして、今の若い子は片岡鶴太郎さんの存在を知らないのかな?
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今はヨガをされていて仙人のようになっておられる片岡鶴太郎さん。
彼がお笑い芸人だったなんて、今や知らない人も多いのかしら?
ボクシングもなさって、絵も書もお上手な方。
本当に多彩な方だと思います。
雑誌などで彼の作品を見ることもあったのですが、なんか「相田みつを風の上手な絵手紙」みたいだなって思っていたんですよね。
でも、本物を見ると全然違う!
やはり、実際の作品を見なくてはそのパワーを感じることはできませんね。
千年白梅 千年桜 千年椿という三部作。
染で描かれた椿 白梅 しだれ桜で、フランスの展示会でメインビジュアルとして展示された作品だそうです。
これが迫力のある作品で、「上手な絵手紙」とは別物です。誤解していて、ごめんなさい。
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色々な作品がありますが、ぼかした色使いが素晴らしいなあって感じました。偶然と必然を混ぜ合わせたような色合いや筆使いがとっても素敵です。
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見ていると私もこんなの描いてみたいなあなんて感じたりもします。
描けそうで描けないのだろうけれど……
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迫力のある書の屏風や、浅間山を寝観音に見立てた作品も印象的です。
寝観音(浅間山)は、草津の牧場で描かれたものです。
浅間山が観音様が寝ているように見えるので地元の人が寝観音と呼んでいるので描いてみたが、納得できずに墨で塗りつぶしてしまったそうです。
まあ、失敗ですわね。
何度も何度も塗りなおすうちに、絵具が粉になった所を拭いてみると下の色がふっと現れて、何ともいえぬ色合いになっていたそうです。
それで、過去の自分、現在の自分、未来の自分は繋がっていて、失敗は失敗ではないことに気づいたとのことです。
作品を描いて、色々なことを感じたり、学んだりなさることで、前に進んでおられる方なんだなって思いました。
寝観音の前には椅子が置かれていて、座ってじっくり見ることができます。
写真では、後ろの作品が映っているのですが、それが色々な作品と何度も何度も苦心して描かれた作品のコラボのようで素敵だなって感じました。
これは、私の感じ方だけど……
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美術館のあとは、草津山光泉寺に行きました。
本堂にお参りした後は、遅咲き如来様にもお参りしました。
今まであまり花を咲かせられなかった私でも、これから一花咲かせられるといいなあ~
五重寶塔は新しいもので「いい薬師」にちなんで標高1189.4mの塔内に薬師如来が祀られているそうです。
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御朱印集めが趣味の夫が頂いた御朱印がこちら
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その後、町をぶらぶらして、ホテルに戻ってお土産を買いました。
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おみやげは、こちら。
夫が夕食の時に飲み比べセットを頼んで、一番おいしかった赤城山を購入。柿の種とハッピーターンの群馬限定とスタッフ一押しとあったパイと人気ナンバーワンとあったポテトチップを買いました。
宿泊者限定でおみやげ購入者にプレゼントされるクッキーは草津温泉、♨マーク、一井とわかりやすいロゴの入ったクッキーでちょっと笑えた!
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帰りはホテルのバスで草津バスターミナルまで送ってもらい、それからJRと新幹線で戻ってきました。
夜に滋賀に帰ったら、最強寒波でめちゃくちゃ寒かったです。
でも、楽しかった~
草津温泉バスターミナルで気づいたことがあります。
草津温泉から軽井沢に行くバスがあるんですね。
ということは、軽井沢経由で草津温泉に来た方が早いかも!
それに気づいたので、次回は夏に軽井沢と草津温泉を回る旅行をしようかなと考えています。
行ってみなくては、わからないことってありますね。
久しぶりの温泉旅行、まだお肌がつるつるしている気がするわ~