002『ヴァンパイアハンターヴィゴの過去』
【ヴァイエヴォーデ ヴラディス ラウス ドルキュリエ (ドラキュラ伯爵)】…
とある王室から爵位と紋章を賜わりし 由緒正しい名門の吸血鬼 歳は約600歳。ヴァンパイアの真祖。
【ブラッドリー・アスター卿】…
ヴァンパイアの始祖。『家族』に固執してる。
歳は約100歳。
【ヴィゴ】(青年と兼ね役)
男性。ヴァンパイアハンターの家系。スウェーデン出身。黒コートにテンガロンハットの長身イケメン。斜に構えてるが情に熱い。(イメージはギルティギアのソル・バッドガイ)
【シーグリッド】…
ショートヘアのボーイッシュな少女。ヴァンパイアハンターなりたての弟子。単純思考回路。小動物系。
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《19世紀フランス》
【ブラッドリー・アスター卿】
「伯爵‼︎
あのヴァランシェンヌのことだ…‼︎
あんなうら若い少女をヴァンパイア にするなど…!
彼女は少女の姿のまま、永遠の時を生きねばならない‼︎
お前は、なぜそんなむごい事が仲間に出来るんだ?」
【ドラキュラ伯爵】
「おぉ アスターよ
仲間…か、フフフ
そのように見えるのであれば
貴公の100年はぬるま湯のような
時を巡っていたのではないだろうか
あれは あの少女は我輩の眷属
何百もいる 配下の一人に過ぎない
いわゆる 我輩の美しい
所有物の一つなのだよ」
【ブラッドリー・アスター卿】
「いいか?彼女は大切な人間の家族を自分の牙から守るために、引き裂かれるような想いで、仲の良かった家族の元を離れた‼︎
…お前は彼女の苦悩を考えた事はあるのか?」
【ドラキュラ伯爵】
「なるほど 貴公の悪い癖だアスター卿
そんなに “家族ごっこ”がしたいのかね」
【ブラッドリー・アスター卿】
「そんなことは…」
【ドラキュラ伯爵】
「貴公は甘い、非常に甘い
配下に対して家族の一員のように扱う悪癖がある…。
配下は道具だ。上下関係をわからせるために、厳しく手懐けねば…。
決して逆らえないようにするべきだ」
【ブラッドリー・アスター卿】
「しかし…‼︎我輩は…」
【ドラキュラ伯爵】
「ブラッドリー?(威圧するように)」
【ブラッドリー・アスター卿】
「っ⁈(怯える)」
【ドラキュラ伯爵】
「(優しく言い聞かせるように)我輩は其方だけは、我輩と対等だと思っている…。
吸血によって眷族にされたのではなく、同じ自然発生したヴァンパイアの始祖。
この世で唯一の対等な存在。
我輩の友だと…。
なぁ?違うのか?
ブラッドリー、我が友よ…」
【ブラッドリー・アスター卿】
「…(ごくりと息をのむ)…それは…、」
物音(ガタッ)
【ブラッドリー・アスター卿】
「⁈」
【ドラキュラ伯爵】
「誰だ‼︎聞いてた無法者は誰だ⁈」
【青年】
「…チクショ…‼︎勘づかれた‼︎」
【ブラッドリー・アスター卿】
「人間の匂い‼︎」
【ドラキュラ伯爵】
「人間の小童…
狩りは久しいな 逃がしはしないぞ 人間…」
【青年】
「う、うわあああああああああ‼︎(必死で逃げ切る)」
《21世紀の日本》
【ヴィゴ】
「…ってな訳でな。
俺のご先祖様は、ヴァランシェンヌという行方不明の令嬢を探して、迷い込んだヴァンパイアの館で、ヴァンパイアの始祖たちを目撃した。
ご先祖様は逃げ切ったものの、それから俺の一族は、始祖が放ったヴァンパイアたちの追っ手から逃げるため、ヨーロッパ各地を放浪する羽目になり、
そして、ヴァンパイアに対抗する内に、なし崩し的にヴァンパイアハンターになったって訳だ。
わかったか?シーグリッド」
【シーグリッド】
「うん‼︎わかったよ‼︎
とりあえずアタシのお師匠様のヴィゴはとてつもなくかっこいいヴァンパイアハンター‼︎…って事でしょ?」
【ヴィゴ】
「…いや、
その言い方は半分もわかってねーな」
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