009ヴァンパイアたち
【あん】
未亡人。今はアスターの妻。アスターが第二夫人を作らないか、ヒヤヒヤしてる。
【ブラッドリー・アスター卿】…
ヴァンパイア の始祖。『家族』に固執している。最愛の妻のあんが何に不機嫌になってるか、イマイチよくわかってない。
【さわろう】
ヴァンパイアの男性。
社交的で人間とも友達になる。
〜.*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚〜
【あん】
「アスター?具合はどう?」
【ブラッドリー・アスター卿】
「ああ、だいぶ良くなった。
感謝する…」
【あん】モノローグ
(アスターは私の言う事を聴いて、傷の療養に努めてくれた。
あれから3週間、私は彼の看病で忙しくしていたおかげで、いろいろな問題を忘れてられた)
(ノック音)
【あん】
「はい、どちら様ですか?」
【さわろう】
「ブラッドリー・アスター卿はご在宅かっ!?
ヴァンパイアのさわろうだ!」
(扉を開ける音)
【あん】
「どうしたんですか?慌てて」
【さわろう】
「このスタエフ界隈にヴァンパイアハンターがいる!
だがこのハンターは、ヴァンパイアを見張ってるだけで、手出しして来ない!
『10月31日までの猶予だ。覚えておけヴァンパイア』
と、言われたヴァンパイアさえいる!」
【あん】
「…すみません、アスターはそのハンターに襲われて、今は怪我の治療で忙しいんです。
帰っていただけますか?」
【さわろう】
「なんだって?アスター卿はもうヴァンパイアハンターと闘ったのか?
詳しく聞かせてくれ!!」
【あん】
「傷に障ります!お帰りください」
【ブラッドリー・アスター卿】
「あん…、良い。さわろうを入れてやれ。」
【あん】
「アスター!」
【ブラッドリー・アスター卿】
「我輩の傷はだいぶ癒えた。
心配かけたな、あん…」
【あん】
「あなた…」
【さわろう】
「アスター卿、ハンターの詳しい情報が知りたい!」
【ブラッドリー・アスター卿】
「今、ひとりの女ヴァンパイア…、記録係のおとが、ハンターに捕えられてる。
どんな目に遭わされているかは、想像にかたくない。
きっと数々のヴァンパイア専用の拷問道具で、拷問され、我々の情報を引き出されてるだろう」
【さわろう】
「くそう!なんということだ!」
【ブラッドリー・アスター卿】
「ハンターが行動起こすなら、10月31日だろう。
我輩はおとを助けたい。
協力してくれ、さわろう!」
【あん】
「待って!アスター!」
【ブラッドリー・アスター卿】
「ん?どうした?あん…」
【あん】
「おとを助けるのはいいわ。
でも、
おとを第二夫人に迎えるのはやめて」
【ブラッドリー・アスター卿】
「あん…今なぜその話を…」
【あん】
「私はあなたの命を救ったわ。
だから口出しする権利がある…!
お願い、アスター…!
妻は、私ひとりだけにして…!」
【ブラッドリー・アスター卿】モノローグ
(今にも泣き崩れそうな、愛おしい女性。
けれど、おとは血をくれた、家族になりたいと言ってくれた。
そして、とても美味なる血の味をしていた…)
【ブラッドリー・アスター卿】
「………っ、仕方あるまい。
今回は我が妻の言うことを聞こう」