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ヴァンパイアパーティー 嬉読屋しおん✖️おとねぇ
しおん「これは……、ひどいな」
(靴音)
しおん「車のスリップ事故か…家族揃って、ご臨終さまとはな、…まぁ、やりにくいよりは良い…今夜の食事としよう。…おや?」
おとねぇ「う、う…っあ」
しおん「おやおや、女の生き残りが居たか…。丁度いい、血が新鮮なうちに飲み干してしまおう」
おとねぇ「……!?、や、ヴァンパイア…!」
しおん「ん?」
おとねぇ「…やだ、やだやだ。死にたくないっ…!私は、まだ生きてたい…!!」
しおん「ほう?はっ!!死にかけの小娘のくせに、我輩を睨め付けてくるではないか。面白い…!さて、そなたはなぜ生きたいんだ?愛する家族はもうあの世にいるぞ?そのまま、一緒にあの世に行ったらいいではないか?」
おとねぇ「それでもっ…それでも、生きてたい!私は生きて、やりたい事が…ある…の…!」
しおん「ほほう?一体何がしたいんだ?我輩に聴かせてみよ」
おとねぇ「私は…っ!私はまだ、物語を作りたい…。私の物語を…、世の中にまだ届けられてない…っ!」
しおん「ふはははっ!面白い!実に面白い。本物の家族より、夢まぼろし、虚構の世界の作り話のために生きていきたいと!実にとぼけた奴だな!ただ生き残りたいだけじゃないのか?貴様は」
おとねえ「はぁはぁ、……っ!」
(睨みつける)
しおん「……なら、試してやろう。貴様の本気を!!」
おとねぇ「…っ!!」
しおん「(今にも噛みそう)くあ」
ガブリとヴァンパイアは獲物の柔らかい首筋に、牙を突き立てる。
おとねぇ「…!!!…っ、あ、あああああ!!!」
(ごくごく)
しおん「(じゅるり)ごちそうさま。思いの外、美味な味わいの血ではないか…。
さて、小娘よ。そなたは目覚めたら、我輩の眷属となる。そうしてお前はヴァンパイアとなり、人の血を吸いたくなり、人を襲うだろう。その者も新たな我輩の眷属となる…」
おとねぇ「はぁはぁ」
しおん「そなたは、次々と増えていくヴァンパイアを観察し、記録し、それらをまとめ、ヴァンパイアの物語を我輩に献上する役目を与えよう」
おとねぇ「…はぁはぁ…え?」
しおん「我が名はブラッドリー。ブラッドリー・アスター卿。ヴァンパイアの始祖である!この土地に、ヴァンパイアの仲間を増やしに来たのだ!そなたは、我輩の第一の生贄である。光栄に思え!
ふはははは、ふははははは!!!!!!」