令和7年度 編入不合格体験記 東北大学

 親からも,友からも,先生からも「君なら受かるだろう」と言われた男が,その期待を裏切るまでの経緯を示す.


自己ステータス

某高専の情報工学科
席次
 1年:1~2位
 2~4年:5~6位
 5年:6位
GPA:4.0
TOEIC 730点
経歴 (学内)
 学内の組み込み系コンテスト 特別賞(1年)
 成績優秀者賞(2,3年)
経歴(学外)
 全国高専プログラミングコンテスト自由部門最優秀賞,文部科学大臣賞他(3年)

志願大学および結果

  • 筑波大学 情報メディア創生 一般 合格(倍率10倍)

  • 東北大学 電気情報物理工学科 推薦 不合格 (倍率約3倍)

  • 東北大学 電気情報物理工学科 一般 不合格 (倍率約10倍)

志願理由

 インターンシップで東京電力の福島第一原発に行き,そこでドローンやARゴーグルを使っているのを見た.そこでロボットの操縦系統,つまりヒューマンマシンインターフェース(HMI)に興味を持った.
 研究室を調べたところ,インタラクティブコンテンツ研究室(IC研究室)が期待しているものに近いことが分かり,志願した.
 ほかにも,サブいところが大好きで,とにかく北に進みたかった.そのため,仙台に住みたいというのも強かった.
 「ずんだもん」がかわいいというのもあった.

教材

数学

 たくさんやったが,「大学編入のための数学問題集」をお勧めする.これが一番難易度が高いが,実力がついた.
 加えて,Youtubeの「高橋ユウコ: 高専数学と大学編入試験」を宣伝したい.過去問を送ると解説付きで解いていただける.(メンバーになると優先して解いてくれる)大変分かりやすく,編入に特化しており,みんなが躓くことが分かるので嬉しい.

TOEIC

 これだけでいい.おすすめの方法は3か月短期集中で一気に仕上げることが良いと思う.友達はこれだけで800点越えた.

高専5年間

入学前

 高専は推薦で入った.
 当初から帝大を目指しており,北海道大学で宇宙関連を目指すと面接で言った.

1年生

 2年生から学科配属の為,1年生の成績が重要だった.そのため,1~3位位を維持した.
 ほかにも,学内の組み込みコンテストに参加し,賞を頂いた.
 部活は高専プロコンに関する部活に入った.

2年生

 UnityやCUDA(GPGPU)で遊んで,趣味に走った一年だった.席次は5~6位だったと思う.
 他にもTA活動に積極的に参加した.

3年生 秋まで

 部長に選ばれ,部活に打ち込んだ.チームでアプリ開発を行った.寸暇を惜しんで頑張ったおかげで,最優秀賞・文部科学大臣賞など数多くの賞を頂いた.
 一方で席次が下がった.中間試験では20位台まで落ちた.何とか期末で一桁台に戻した.

3年生 冬

 部活が終わり,編入の準備を始めた.TOEICをスタディアプリを用いて学習し,500点台から730点まで一気に上げた.
 基礎的な数学の復習を始めた.

4年生 春休み

 最初の目標であった北海道大学の研究室にアポを取り,研究室見学を行った.
行った研究室は

である.
大学の雰囲気は気に入ったものの,札幌では生活が厳しいな…と感じた.
 勉強としては,力学をここで終わらせた.

4年生 春

 友達を集めて放課後勉強会を始めた.この勉強会は編入が終わるまでずっと続いた.
 また,推薦の実施はまだ発表されていなかったため,席次を気にせず選択科目を多く取得した.これにより平均点が下がり,順位が若干落ちた.

4年生 夏

 インターンシップで東京電力に行き,そこで東北大に決めた.詳細はページ上部,「志願理由」を参考.
 そこで,東北大を知るために研究室見学に行った.
行った研究室は

である.インタラクティブコンテンツ研究室は,見学に行くまでは知らなかった.しかし,加藤・川本研究室で自分のやりたい研究を教授に相談すると,教えてくれた.知らなかった研究室を知れて、行ってよかったと思う.

5年 春

 推薦実施要項が発表された.自身の順位は6位であり,必要要項の上位15%(上位3名)に全く満たしていなかった.
 しかし,先生に相談したところ,推薦書を書いていただけることになった.

推薦試験

 ここからは推薦試験に絞って書く.

試験準備

 面接練習をとにかく行った.
 メモを使って主張をまとめ,先生にご協力いただいて6回ほど練習した.
 口頭試問も情報中心に勉強した.

面接内容(15分)
 質問の一覧は下記のとおりである.

質問内容
1.志願理由
2.卒研(新規性ある?とキツイ質問も)
3.学内の活動(プロコン。何作ったかも聞かれた)
4.得意科目の口頭試問

口頭試問詳細
Q.(成績表眺めながら)あなたは情報系科目の単位を多くとり、優秀な成績を収めていますね。得意科目は何ですか?
 (得意科目は組み込み系とプログラムと回答)
では、アルゴリズムとデータ構造について聞きます。

Q1.探索系のアルゴリズムを教えてください。
 二分探査、ハッシュ関数、線形探索などです。
Q2.では、線型探査の計算量は?
 一つづつ調べるので、O(n)です。
Q3.二分探査は、どうやるの?
 ソート済みの配列において、真ん中の値を比較することでみる範囲を変えます
Q4.最悪計算量は?
 えーと… Oのnだと…思います…通常はO(logn)ですが…調べなおします。(これは誤り.最悪でもO(logn))
Q5.線形探索と二分探査のオーダー数以外の違いは?
 実装方法によりますが、二分探査は線形探査よりメモリを食います。(これは誤り,メモリはそんな使わない.)
Q6.先ほど、ソートについて言いましたね。ソートアルゴリズムを教えてください。
 クイックやヒープ、シェルなど数えたらいっぱいあります。
Q7.ではクイックソートの通常計算量、最悪計算量は?
 O(nlogn)、O(n^2)です。
Q8.ではより安定したソートは?
 マージソートです。
Q9.マージソートの仕組みを教えてください。
 データーを1つづつわけ、最初は2つずつ、4つづつ…とくっつけていきます。

 全体の比率では悪くなかったと思う.
 しかし結果は前述のとおり,不合格であった.やはり席次が低かったのが原因であろう.

一般試験

 ここからは一般試験について書く.

筆記試験(80分数学のみ)

 問題と出来は以下のようであった.

  1. 行列1(4問)- 完答

  2. 行列2(1問)- 完答

  3. 基本的な微分方程式(2問)- 少しだけ間違えた

  4. 基本的な積分計算(2問)- 0点.ヤコビアン間違えた

  5. ベクトル解析(4問)- 3問解けたが,最後時間切れ

 難易度自体は例年と比べ低かったが,時間がなかった.そのため見直しができず,結果このようになった.

面接試験(10分)

 推薦試験の面接を短くまとめたような感じだった.
 今年度の募集要項に口頭試問の記述がなかったため,あまり対策をしていなかった.しかし実際にはあり,ここで大きな減点をもらったと思う.

Q.志願理由および将来の夢を教えてください。
Q.学校生活で一番頑張ったことを教えてください。
Q.口頭試問
Q.電気回路について
1. 全加算器について教えてください。
2. 複数bitの加算を全加算器にひと工夫し,早くする方法教えてください。
3. 掛け算は何クロックでできると思う?予想でいいので教えてください。
4. CPUの周りには後どのような機器がありますか。
5. メモリは非常に速度が遅いです。それを緩和する回路は何ですか。
6. キャッシュについて,メリットを詳細に教えてください。
Q.電磁気学について
1. 電界強度について知っていますか?
2. 電界Eの単位教えてください。

 電気回路については8割くらい答えられたが,電磁気学は学校の授業になく,対策していなかったため全部答えられなかった.
 結果は不合格であった.

絞め

 東北で生き,東北で学びたいと思っていた私としては本当に辛い結果だった.不合格が決定して3ヶ月たった今でも,「仙台」の二文字を読むだけで苦しくなる.

 だけれども筑波大学には合格できたため,ここで折れず頑張ろうと思う.
東北大学は院で目指す.(筑波に面白い研究室があったらそっちにするかも笑)

ぜひ同志読者には最後まで頑張って欲しい.ご武運を.

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