これまでの20年とこれからの20年はフェーズが違ってくるという話
出生数の速報値が84万人というニュースがあった。
速報値は外国人を含み、確定値は日本人のみということなので、確定値となる日本人のみの出生数は80万数千人といったところになりそうだ。
そして、数年後には80万人を割り込むであろう。
20年前を思い起こしてみるとゆとり教育で騒がれていた時期だ。
授業時数減により学習内容3割削減、総合的な学習の時間の創設、絶対評価の導入、完全週5日制、と大きな変革があった時期であり、この時の中3生が約134万人(出生数ベースで推計している)。
あれから20年後の2022年の中3生数は108万人であり2002年対比で80%。
当然のことながら高校入試の世界も変わってくる。
公立高校入試に目を向けると、県の平均倍率が1倍を切っている県がちらほら出てきた。
ほぼ1倍という地域も多い。
つまりは、選ばなければ全員公立高校に入学できてしまうという事。
となると、学習塾に通ってまで高校受験対策に頑張る必要はないという話になってしまう・・・。
これは極端な話で、一般的に上位校や人気校は不合格者も一定数出てくるので、学習塾のニーズはちょっとは残るであろう。
だが、それは県庁所在地のあるような市など一部で、過疎化の進むような地方都市は高校入試はすでになくなってしまったといっても良いだろう。
今後も少子化は進むので、公立高校の統廃合や定員を減らして然るべきなのだが、遅々として進んでいない。
なぜならば、地方公務員である教員を大量に抱えているので、そう簡単には働き場所を削れないでいるのだ。
これから先、段階的な引き上げがあり、令和13年から地方公務員の定年は65歳となる。
これにより、少子化、定年延長、人員過剰状態、となり、高校の統廃合・定員減少は今後も進んでいかないであろう。
ごくごく一部の人気校を除いて、高校入試は緩いものになるのは必至だ。
だが、これは首都圏以外の地方都市の話。
東京都は今後数年間子供の数は増えていき、4人に1人と言われる中学受験市場も活況だ。
そして、旧帝大、私立難関大の首都圏出身率はぐんぐん伸びてきている。
首都圏と地方の格差拡大はより一層、絶望的に拡がっていくであろう。