高校受験でスピーキングテスト
高大接続改革は頓挫し、英語4技能を測る民間試験の導入は見送られた。
一方で、指導要領改訂に伴い、小中高で英語の4技能育成の動きは加速していっている。
そんな中、東京都立高校入試でスピーキングテストが導入されることとなり、今年の秋に本番を迎える。
数年前から東京都教育委員会では、グローバルな人材育成を目指し、東京オリンピックを念頭に計画を立ててきており、その施策の一つが、ESAT-J(English Speaking Achievement Test for Junior High School Students)である。
このE-SATJと呼ばれるスピーキングテストは、令和元年からプレテストを実施しており、スコアの度数分布もきれいな正規分布になっているので、信憑性は高いと言えそうだ。
ちなみに東京都の高校入試は、学力テスト7に対して内申が3の割合で統一しており、1000点満点となっていた。
2023年度入試からは、その1000点にスピーキングテストの20点分を上乗せする形で付加されるという事のようだ。
既にプレテストのサンプルが公表されており、次のようになっている。
パートA 画面に表示される文章を音頭
パートB 図を見て答える英問英答
パートC 4つのイラストを見てストーリーの内容を英答
パートD 最も人気のある学校行事を理由をつけて答える、英問英答
それぞれ制限時間と解答時間があり、10秒から1分ほどしか与えられておらず、あれこれ迷っている暇はない。
即答するぐらいのスピード感が求められている。
当然、学校の授業の中でスピーキングを練習したよね、という体で作られているが、実際に授業現場ではそこまでのレベルは維持できていないであろうと思われる。
英会話スクールや学習塾などでそれなりの訓練を積んだものは高得点に繋げられるが、全く答えられないという生徒も出てくるであろう。
一方で、中高で6年間英語を勉強をしてきているのに、多くの日本人が英語を話せないのは入試で出題されないため必要に迫られてこなかったからだ、という意見もある。
しかし、今後、スピーキングの力がテストで評価されるということになれば、否が応でも取り組んでいかなければならないという風潮になるであろう。
学校も。生徒も。学習塾も。
そして、こういったスキームを作り上げて、実用段階まで持ってこれたというのはなかなかすごいことだと思う。
今後、他道府県で追随する動きが出てくるか注目だ。