音と言葉の星屑を飛び紡いでいく、Oliro
数々のユニットで活動する伊藤大輔さんにとって、唯一のバンド編成のリーダーユニット、Oliro。
メンバー一人ひとりの音へのこだわり、好奇心、技がギュッと両手の中で丁寧に包み込まれているようなユニットだ。
無数に散らばる夜空の星。
その間を時にぽんぽんぽん、っと飛び下がり、時に軽やかに駆け上がる。
その上下に飛び移る軌跡を辿って紡がれた複雑で美しいメロディに、淡くて濃い言葉を乗せ、届けて行く。
敢えて言葉にしようとすれば、そんな風に感じる、Oliro(おりいろ)の世界。
その、音、言葉は私の言葉では到底表しきれないが、大輔さんとこのメンバーだからこその、唯一無二のユニットだ。
そのメンバーは、
作曲と編曲は朝飯前、このユニットでクロマチックハーモニカで進化の一途を辿っている山田友和さん。
迷いの無いピタッとハマる音選びと、同じピアノなのにびっくりするほど曲ごとに弾かれる音の種類を変えて届ける大谷愛さん。
難解な音と言葉のやりとりを何事にも動じない、頼り甲斐のある軸としてユニットをにこやかに支える岸徹至さん。
個人的にはこのユニットで初対面な、声と手の「両刀使い」のパーカショニスト、渡辺庸介さん。
そして、楽器のように自在に音を飛び回り、魔法使いのように言葉を操り、世界観を存分に創り出しているリーダーの伊藤大輔さん。
いずれもメンバーのほんの一面に過ぎないが、続きは直接会場で。
噛めば噛むほど味と食感が身体になじみ、染み渡って行くするめイカのように曲たち、と当人たちが言っていたが、言い得て妙だ。
出会って一度目は世界観を知り、2度目に音の動きに乗り、3度目に紡がれている言葉に耳を傾け、4度目に音と言葉に慣れ親しんで世界に浸る。きっと、そうやって5度、10度聞いて行ってもまだまだ発見があるユニットだ。
メンバーの多忙ぶりもあり、今のところ年に一回と希少価値の高いライブの場。
もう少し頻度をあげる意思が伝わってきたが、これは腰を据えてゆっくりと味わいながら、一緒に歳を重ねて行くユニットとなりそうだ。
Oliro
伊藤大輔(ボーカル、Melodica)
山田友和(メインコンポーザー、Melodica、クロマチックハーモニカ、コーラス)
大谷 愛(ピアノ)
岸 徹至(ベース)
渡辺庸介(パーカッション)
大輔さんソロの世界は、こちらの記事へ: