「運」と「素質」の話。
シンガーソングライターの来生たかおさんが
ときどきする話があります。
「運」と「素質」の話。
この2つの話が、私はとても好きです。
まずは「運」について。
将棋の米長邦雄さんの
「消化試合にこそ全力を注ぐ」というお話。
運がいいとか悪いとか、
運をつけるとか、
もしそういうのがあるのだとしたら、
それはどういうことなのか?
たとえば、将棋の世界で
(将棋の世界を、私はあまり知らないのだけれど)
この勝負に勝っても、あまり関係ないいわば消化試合のような
対戦(対局?)がある。
そういう戦いにこそ、全力で臨むのが大事で、
そういうことの積み重ねが、いわば「運」につながるということ。
そして、もうひとつ。
「素質」について。
思想家の吉本隆明さんの
「素質ってなんだ?」のお話。
この話は、来生さんがかなり以前から話していたから
独立したばかりの私には
とても戒めにもなったし、励ましにもなりました。
独立したばかりの頃、
私は結構いい気になっていたので、
たとえば、
わかりやすく言うと、
受講生100名ぐらいの、1日数十万円の講師料をいただく仕事には
相当の気合を入れるけれど、
そうでない仕事は、イマイチ気合が入りにくい、ということがありました。
けれども、
たとえ、受講生が1人であったとしても、
たとえ、交通費しか出ないような仕事であったとしても、
「消化試合(といってしまうのはとても失礼な言い方だが)と思えるような
仕事にこそ、全力を注ぐこと」の大切さを
ものすごくものすごく学びました。
そして、
「素質」の話。
これは、パーソナルカラーでもオーラソーマでも
「私、向いてない気がします」
という相談をよくされました。
が、
イジワルな私は
「今まで何人(何百人)ぐらいコンサルをしてきましたか」と尋ねます。
すると、だいたいの人は、ほんの数回で、
「うまくいかなかった」
「思ったようにできなかった」
「何か言われた」
ということが、ほんのちょっとあっただけで、
「向いてない気がします」という。
ほんの数回で「向いてる」「向いてない」を言うのは
100万年ぐらい早い。
何をするにしても、
まずは、「量稽古」と私は思っているから、
とにかく、毎日、
地味に、地道に、コツコツと、、、やったら
何とかなる、
何かになれる、
そんな風に思っています。
「素質が問題になるのは、その道で10年やってからの話」(吉本隆明氏)
この「運」と「素質」の話は、
私に戒めと励ましを与えてくれたし、
挫けそうなとき、
勇気と覚悟をくれました。
いつでも、このことを心に留めておきたい、
そんな風に思っています。
私は、
「書くこと」を生業とはしていないし、
決して向いているとは思わないけれど、
blogを20年、
そして日記を49年、
(ほぼ)毎日続けていることは
私を支える基盤にもなっています。
始めることは勢いで出来るけれど
続けることは勢いだけではできないからこそ
続けることで鍛えられる筋肉は、
とても大きいんではないかなと思います。
\「運」ってなんだ?/
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