完全主観で全ホロライブ歌姫たちから歌唱力TOP15を決めてみた【2024年】
◇はじめに
ホロライブプロダクション(hololive production)は、カバー株式会社が運営する日本のバーチャルYouTuber(以下、「VTuber」)事務所です。
自分は昨年夏から主に配信切り抜き動画をたまに見るようになりました。彼女らの活動はゲーム実況や雑談配信以外にも多岐に渡ります。その中でも特筆すべきは歌ってみた動画、カラオケ配信、誕生日記念ライブなどの歌動画です。勿論日頃の練習の成果もあると思いますが、長時間の配信で喉を鍛え喉の使い方が上手いからかメンバーの歌のレベルは全体的にかなり高いです。
ふと、全体的に歌が上手いホロライブメンバーの中でも特に歌唱力が高いメンバーって誰だろうかと思いました。自分は海外勢はほとんど知りませんが、日本勢(以下、JP)も、数人の歌動画や記念ライブなどを視聴したことがあるくらいで誰が歌が上手いかはあまり把握していません。試しに「ホロライブ 歌唱力」とかで検索してみると、そういった記事はあるにはありますが少ないと感じました。
そこで、自分なりに現時点での今回海外勢も含めたメンバー全員の歌唱力のTier表を作ってみることにしました。この記事では特に上位(Top15〜20)と感じた方を並べ、末尾にはおまけとしてその中でも特に上手いと感じた方への自分の感想もあります。
◇方法
〇選出メンバー
2024年9月までにホロライブに所属している/いたメンバー
日本勢(以下、JP)+インドネシア語圏勢(以下、ID)+英語圏勢(以下、EN)+DEV_IS+事務所スタッフの計73名です。
全員分のカラオケ配信を2か月の通勤時間をかけて見漁りました。
↑要するにこちらのHPに載っている方々+2人です。今回、途中解雇されたメンバーも歌配信動画が残っていた2人は評価対象に含んでみました。
作成するにあたってTierMakerのテンプレを自作しました。
https://tiermaker.com/create/hololivejpidendevisuntil2024-09-17494479
〇基準について
自分は歌手でも歌い手でも、なんなら歌うまですらないので一般的な歌の上手さの評価軸は分かりません。そこで試しにネットで「歌唱力」と検索してみました。一般的には「音程の正確さ」・「安定感」・「表現力」なんかが当てはまるようです。安定感というのは難しいですが、自分なりにリズム感や声量と解釈しました。今回これに絞ってみます。
そしてその中でも「音程の正確さ」、「安定感」をまずは優先して評価しました。歌唱技術は様々あると思いますが、例えば「ビブラート」、「ハイトーン」、「ファルセット」、「スクリーム」みたいなものはプロでも多用する人と全く用いない人といます。それに対し、「音程を合わせる」、「喉を開く・正しいリズム感で歌う」はすべてのプロ歌手が行っており(少なくともしようとしており)、より基礎的で重要な部分と感じたからです。
主観で評価して最終的にはそれらの総合点で決めることにしました。
〇選出する歌動画
一番の問題はここですよね。
まず、評価する歌の動画はカラオケ動画等、音程の編集がされていない動画から選びました。記念LIVE配信動画とかも少しはMIXされていそうなので評価対象には含んでいません。ただしマイクのエコーなどは音程には直接関係ないので許容します。
後歌によって難易度が変わるためなるべく多くのメンバーが歌っている曲で評価しました。例えば、空色デイズ/中川翔子、少女レイ/みきとP、怪獣の花唄/Vaundy、とかは色んなメンバーが歌っていますね。海外の曲はまた歌い方とか変わってきそうなので、海外勢でも日本語のポップスやロックの曲を歌っている動画を基本的には評価対象としています。どうしても評価するには曲が足りないときは自分が知ってる洋楽も聴いてみて評価に加えています。
要するに、
「自分が勝手に選んだ他のメンバーも良く歌っているJ-Pop数曲で正しい音程で安定した声で歌えていそうか」
で主に評価してみました。その基礎的な部分の点数の元に表現力などを加点して決めました。
最後に、キャラボイスっぽい歌い方と本人の素の声で歌っていそうな(バーチャルタレントにはあまり相応しくない表現ですが)歌い方が両方あれば、後者を優先して評価しました。これは、意識して作った声で歌うことが先ほどの音程や安定感、表現力等の評価項目より優先されるため、キャラボイスっぽい歌い方の方が評価は低くなると感じた為です。
〇補足
今回、ランキングで1人1人順位付けするのは難しいのでTier表としてS~Fの7段階で作りました。
結果についてですが、特に上手いと感じたC(Top15〜20)までのみ公表することとしました(途中で冷静になり末尾の評価まで大多数の人に見せるべきじゃないと思った)。これは今後気持ち次第で変わるかもしれません。結果に載せなかったD~Fで51人もおり、中間層は特に団子(好みの問題)だと思います。今回選出した人が本当に本当に飛び抜けて上手いだけで、他のメンバーもかなり上手いです。
長くなってしまいましたが、前置きは以上です。
◇結果
以下の通りとなりました。
S:Elizabeth Rose Bloodflame
A(大体TOP5):Ayunda Risu、星街すいせい、Gawr Gura
B(大体TOP10):Kobo Kanaeru、Nerissa Ravencroft、Moona Hoshinova、IRyS、角巻わため、AZKi、音乃瀬奏
C(大体TOP15~20):猫又おかゆ、宝鐘マリン、Mori Calliope、ときのそら、天音かなた、沙花叉クロヱ、Hakos Baelz
左右差は気持ちあったりなかったりですが、僅差です。
◇議論
・基本的には曲からカラオケ配信を検索して評価対象としたため、同じ曲でも直近の配信か、3~4年前の配信かで、歌唱力に多少変化はある可能性があります。
・カラオケ配信の最初に評価対象の曲を歌い始めたか、何時間か歌って疲弊した後にその曲を歌ったかで歌のクオリティは異なる可能性があります。
・今回自分が評価対象とした曲がたまたま不得意/練習途中で、評価対象としていない曲なら得意という可能性は全然あります。
・海外勢も日本語の歌を歌うのが得意じゃなかったり練習途中の場合は評価が低くなってしまったかもしれません。主観なので当たり前ですが、あくまで参考程度にといった感じです。
◇感想
全メンバーのカラオケ配信を聴きましたが、平均レベルは非常に高く驚きました。聴いてる中で自分の知らない良曲や今まで知らなかったメンバー等の新発見もあり、個人的にはとっても充実した執筆期間だったと思います。
今回、自分は無礼を承知の上メンバーの「音程の正確さ」・「安定感」・「表現力」を素人目線で評価し公開しました。しかし、メンバーの中には音程やリズム感が多少ズレてても視聴者を楽しませる技術が高く評価されている方も沢山います。元々歌が苦手で入ってきたメンバーも居ると思いますが、皆楽しそうに歌っており、どのコメント欄も賑わっていました。本人も視聴者もみんなが楽しいカラオケ配信をこれからもやり続けて頂きたいですし、応援していきたいですね。
◇おまけ
1人1人にちょっとしたコメント(長くなり過ぎてしまうのでBまで)。
ついでに視聴した歌ってみた動画とかにも触れていますが、カラオケ配信動画以外は今回の評価の対象ではないです。
なお、画像はすべて本人のTwitterかYoutubeのアイコンから引用しました。
〇S
・Elizabeth Rose Bloodflame(エリザベス・ローズ・ブラッドフレイム)
2024年6月22日デビューのEN4期「-Justice-」メンバー、新人です。
今回全員のカラオケ配信を漁った中でElizabeth Rose Bloodflameが圧倒的に一番歌が上手いと感じました。1人だけ次元が違います。歌い方のジャンルには明るくないですが、他のメンバーと比較すると発声の仕方がそもそも異なる気がしますので、1回聴いてみて下さい。日本の歌なら、DADDY!DADDY!DO!feat. 鈴木愛理/鈴木雅之、洋楽ならDon't Stop Me Now/Queen、My Heart Will Go On/Celine Dionとかで良いと思います。
力強さが特徴で、常時声が腹の底から響いています。音域の広さ(3オクターブ以上あるらしい)も、その正確さも随一です。高音域でのプロのミュージカル歌手のような力強いビブラートはバケモン過ぎます。こんな新人居てたまるか
何を歌っても音程の正確さ・安定感・表現力を軸に歌唱力を評価したらElizabeth Rose Bloodflameがトップであると感じました。カラオケ配信中も心の底から歌を楽しんでいるような雰囲気があってもはやカラオケ枠を超えて一つの完成されたエンタメ空間です。新人なのもありまだあまり日本の歌を歌っている動画が少なく、もっと色々歌ってほしいです。これからのオリジナル曲展開も楽しみの逸材で、来るオリ曲や3Dライブも楽しみでしょうがないです。
〇A
・Ayunda Risu(アユンダ・リス)
2020年4月10日デビューのID1期生です。このランキングを作成するまで知らなかったのですが、IDの中で最もデビューが早く、IDの顔となる存在のようです。AyundaとRisuの2種類の声を持ち合わせており、ライブのデュエットではペアの声質に合わせて自分の声を使い分けます。太く美しい声がAyundaで、見た目通りのゆるふわ系の声がRisuということらしいです。オリジナル曲のAlice&Uは歌い始めから圧倒的な歌唱力で歌の世界観に引き込まれ、唖然としてしまい言葉が出なかったです。特にサビの高音域は圧巻で、もっともっと知ってもらうべき実力者。
カラオケ配信でもStellar Stellar/星街すいせい、シャルイース/アキ・ローゼンタール等のホロライブオリジナル曲を繊細に美しく歌いこなしていました。聴いてて思わず感傷的になってしまうような美しい歌声です。
歌い方のジャンルは異なりますが、自分はAyunda RisuもElizabeth Rose Bloodflameに匹敵する歌手であると思います。Elizabeth Rose Bloodflameはジャズ風味で、Ayunda Risuは綺麗に美しく歌うといった感じでしょうか。自分は今回ランキング作成をきっかけにAyunda Risuに出会えて本当に良かったです。
・星街すいせい
2018年より個人勢のバーチャルYoutuberとしてとして活動を始め、2019年5月よりホロライブプロダクション内に設立されたレーベル・イノナカミュージックに所属したのち、同年12月に女性バーチャルYouTuberグループ・ホロライブに移籍という特殊な経歴の持ち主。
歌での活動の幅から納得ですが、カラオケ配信を見るにJPの中で1番歌唱力があると感じました。この最上位層皆にも言えることなのですが、音程が非常に正確です。更に星街すいせいは歌声に強い芯があり、地声を張り上げるような高音の出し方も本人にしか出せない味や個性を感じます。表現の引き出しがとにかく豊富で、自分みたいな素人でも高度な技術が歌の随所に盛り込まれていると分かります。オリジナル曲は特にどれも歌うのが難しそうですが、いたって簡単そうに歌いこなしているのが本人の高い技術力を表しています。
ホロライブの中でも1番音楽活動に精力的であり、事務所からも音楽方面での活動を推されプロデュースされている存在です。
自分はオリ曲の中ではムーンライト、みちづれ、NEXT COLOR PLANET、ソワレ辺りが好みでした。
・Gawr Gura(がうる・ぐら)
2020/09/13デビューEN1期のGawr Guraです。Youtubeチャンネル登録者は全ホロライブメンバーの中でも最も多く、ENの顔並びにホロライブ全体の顔でもあります。今回歌唱力最上位層に評価したメンバーの中では、どちらかといえば美しく/カッコよく歌う他の3人と比較して可愛く歌うのが特徴です。
しかし、今回色んなカラオケ配信を見漁ったところ、声が可愛いだけでなく予想以上に歌が上手いことに気付きました。柔らかい透き通るような歌声ですが発声はハッキリして安定しており、音程もかなり正確で裏声/地声の切り替えもとても上手く、細かいビブラートも美しいです。プロとして戦える個性のある声の上手さであると感じます。今回A Tierに位置付けしたこの3人の歌い方の系統はそれぞれ全く異なりますが、それぞれの歌い方を極めたと言っても過言ではないでしょう。
今回の評価とは無関係ですが、ウクレレが弾けて弾き語りができるのも楽しそうで良かったです。
オリ曲の中ではTokyo Wabi-Sabi Lullaby、宝鐘マリンとのデュエット曲SHINKIROが特に好みでした。
〇B
・Kobo Kanaeru(こぼ・かなえる)
2022年3月27日デビューのID3期生で、最も有名なIDタレント。
こちらも上記のメンバーでいうとGawr Guraに近く、可愛い子ども声から正確な音程で歌います。個人的に声はGawr Guraより更に幼い印象を受けます。そんな幼な声なのに彼女の歌声はダウナー系でどこか切なさを感じさせます。カラオケ枠を一通り見てみたのですが、落ち着いたしんみり系のJ-popが本人の雰囲気にとても似合うと思いました。
Kobo Kanaeruはギターが弾けて弾き語りできるのも楽しそうで良かったです。自分の3DLIVEでも披露してますが、ギターの方も中々技術も高いです。
歌唱や楽器演奏、作詞作曲などシンガーソングライターに必要な技能を一通り兼ね備えており、デビューと同時に自作のオリジナル曲「Mantra hujan」(「雨の呪文」の意)を発表しています。インドネシア語です。最近だと、2024年3月27日に発表されたHELP!!(作曲:なとり)は日本語のオリジナル曲で、こちらも気になる方は聴いてみて下さい。
・IRyS
2021年7月11日デビューのホロライブEN Promise(新・2期生)所属。かなり流暢に日本語を話すことができ、IRySと同期のHakos Baelzの2人はホロライブ全海外勢の中で最も日本語が上手く、全く違和感がありません。というか2人とも日本に住んでいるらしい。その為カラオケ枠では日本語の歌もよく歌っています。今回全ホロライブメンバーのカラオケ枠を漁ったのですが、海外勢では最もJ-popを歌っていた気がします。繊細で丁寧な発音と力強さを併せ持つような歌声ですが、なんと彼女は歌はほぼ独学でボイトレなどはしていないとのこと。
せっかく日本に住んでいるのならJPメンバーと(歌ってみた)コラボとかもっと見てみたいですね。オリ曲は自分は「See the world」が疾走感あるアニソン風でかなり好きです。
・Nerissa Ravencroft(ネリッサ・レイヴンクロフト)
2023年7月31日デビュー、EN3期「-Advent-」のメンバーです。
音の魔人らしいです。歌声は大人チックで深みと力強さがあります。上で言えばElizabeth Rose bloodflameの雰囲気に近いですが、その上で柔らかく優しい雰囲気の声で方向性は異なります。初めて知りましたが、音程の確かさや良く伸びる歌声に引き込まれました。高音のビブラートが特に綺麗です。特にいのちの名前/木村弓のカラオケや雪の華/中島美嘉のCOVER動画は本人の歌声の雰囲気にもマッチしていてとても好きです。また、デビューから1か月経たずにCOVER動画を3つ出す(Love Me,Love Me,Love Me・神っぽいな・Magia)など、歌の活動にも精力的でこれからの活躍にも期待してます。
・Moona Hoshinova(ムーナ・ホシノヴァ)
2020年4月11日デビュー、Ayunda Risuとほぼ同時にデビューしたID1期生で、初期から今に渡ってずっとIDを引っ張っているメンバーの1人です。非常に艶のある低音と、力強く伸びのある高声が特徴的です。今回のランキングでは一番色っぽいダウナー系の歌声です。Ayunda risu,Moona Hoshinova,Kobo KanaeruとIDは少数なのにどんだけみんな歌上手いんだ。
日本語はまだあまり馴染みが薄いのか、今回日本語の曲をカラオケで歌っている動画を探すのに苦心しました。個人的には洋楽の歌声がより好みなので興味があれば聞いてみてください。クールな歌い方も優しい歌い方もどちらもかなり安定しています。
・角巻わため
ホロライブ4期生「ホロふぉーす」(今は4期生と呼ばれることが多い)として2019年12月29日にデビュー。翌年2020年には1stアルバムが発売され、その更に翌年2021年にはソロライブもこなしてしまうほどの実力者。今年2024年にも2回目のソロライブが開催され、ホロライブの中でもかなり濃厚に音楽を軸として活動しています。その上で、配信頻度の高さ・一回の配信の時間の長さも特徴的で、雑談だけで平気で7時間とか枠取ったりします。喉枯れそう。
カラオケ配信では本人が誰よりも楽しみながら歌っているのが印象に残りました。変顔したり変な動きしてます。歌では力むところと繊細に歌い上げるところの抑揚が特徴的だと思いました。音域がめちゃくちゃ広く超高音域はオペラになります。AZKiとの、回る空うさぎ/OrangestarのCOVER動画が2人の綺麗な高音が聴けて特に好きです。
・AZKi
2018年11月15日より活動を開始し2019年5月19日より始動したイノナカミュージックに新規加入しました。0期生は星街すいせいもですが皆このようにホロライブ加入経緯が少々複雑ですね。
しっとり透明感のある澄んだウィスパーボイスが特徴的で、声量はやや控えめで声を張るような感じではなく聴いていて落ち着く歌声の印象です。どんなアップテンポな曲であっても曲調に無理に引っ張られることなく、1つの自分の歌い方を確立しています。
このAZKiにしか出来ないほんわかとした柔らかい歌声での表現は大きな魅力であると思います。JPは特に今回紹介出来なかった人でも1人1人にこのような非常に強い歌い方の個性があり、沼らせる魅力がある人が多いですね。
オリ曲はwithout U、ちいさな心が決めたこと、あたりが好みでした。
あと、fragile/Every Little ThingのCOVERは個人的にかなりハマりました。ぜひ聞いてみて下さい。
・音乃瀬奏
2023年9月9日デビュー、hololive DEV_ISのメンバーで1stユニット[ReGLOSS]所属です。あまりReGLOSSについては明るくなかったのですが、今回の調査を機に全員のカラオケ配信を見てみました。ReGLOSS内では勿論ですが、JPのメンバーの中でもかなり歌唱力が高いです。発声が癖無くとてもクリアな聴き心地なのが特徴で、その上音程も正確と感じました。どんな歌にも合いそうな歌い方です。先日の3Dお披露目会ライブではなんとアカペラでDepartures~あなたにおくるアイの歌~/EGOISTを歌っていました。
歌枠の頻度もかなり高いですが、歌活動に力を入れているホロライブメンバーやYoutuberを招いて歌い方や自己プロデュースについて熱く対談していく動画も多数挙げており、音楽系Vtuberとしての活躍が益々楽しみです。
以上です。自分は「力強い」以外の歌声を褒める語彙を勉強します