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吸音仕上げギャラリー(6)

 都市部では大型再開発による複合施設の建設が続いていますね。このような建物はいろいろな用途のエリアが存在していて、壁などで区切らずに1つの空間内にレイアウトされることもあるので、音環境デザインが難しいです。
 今回はそんな複合施設の1つである渋谷ヒカリエで見つけた、つながった空間における音環境を考えた吸音仕上げ事例を紹介します。

 渋谷ヒカリエにも、店舗、イベントスペース、劇場、オフィスなど異なる用途のエリアがあります。11Fスカイロビーというエリアは、オフィス・劇場(Theatre Orb)の総合ロビーで、カフェも展開する空間となっています。
天井はアルミルーバーで、これらの空間をつなぐように連続的にデザインされていました。ダイナミックですね。

ルーバー天井(劇場エントランスエリアからカフェエリアを臨む)
ルーバー天井(カフェエリアから劇場エントランスエリアを臨む)

 オフィスエントランス部とカフェ近傍はルーバー背後にグラスウールを設置した吸音天井、劇場エントランスエリアの吹抜空間はルーバーのみの吸音ではない天井とし、一体空間の中でもあえて音環境に差をつけているそうです。

天井吸音有無による音環境の差のデザイン

下の写真は、吸音天井の方です。

カフェエリアのルーバー天井(黒い部分が吸音用のグラスウール)

 実際に訪れてみると、一般的には喧騒感が高くなりがちなカフェエリアでも落ち着いた音環境となっているように感じました。一方、劇場エントランスエリアは適度な響きが感じられ、天井が高いこともあってか、空間の大きさを感じるような印象でした。これからミュージカルを観劇するというわくわくが高まるような気分になりました。

 このように、異なるエリアが空間的に連続するケースでは、吸音を用いることでエリアをゆるやかに分けたり、喧騒感を低減させたり、音環境に変化を与えたりすることもできるんですね。

 ショッピングやお食事のついでに訪れてみては。


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