大きな声を出さないために、 建築で、できること。
今、感染防止対策から、大きな声を出して飛沫を飛ばすことは、避けたいものです。
周囲の音が大きいと、会話中、しらないうちに声のトーンを変える、声を張り上げるようになる、ということが知られています。聞き取り難いことを予想して、ひとは自然に工夫をするのです。すごいですね。
でも、そのような環境下で話し続けることは、疲れますし、聞いている人も音の大きさにストレスを感じてしまいます。
例えば駅、電車がホームに入ってくると、どうしても電車は動くものですから騒音が発生します。また、電車が入ってくると日本では駅員さんが丁寧にアナウンスをしてくれます。
しかし、駅員さんのアナウンスは聞こえているでしょうか。
昔は雨よけ程度だった駅のホームも、大型駅や地下鉄では周囲が囲われ、雨や風、寒さ暑さからは快適になりました。しかし、そのぶん、音は逃げ場をなくしてしまいました。
逃げ場を失った音、うるさい空間でさらに声を張り上げる駅員さん。乗客同士の会話のボリュームも自然に上がります。危険を知らせる駅員さんの声はさらにヒートアップ!
日頃のそのような場面にストレスを感じませんか? その環境下で一日仕事をしている駅員さんの健康も気になります。
建築の仕上げ材に吸音材を使用することで、空間の音快適性を向上させることができます。
写真は台湾の地下鉄のホームと高速鉄道の改札口です。どちらも天井に吸音材が使われています。
雨風から守られ、温度も快適に制御されてきている建築空間ですが、さらに音環境の快適性にも目をむけていきませんか。