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"無形"こそワクワクの種
"無形"にお金をかけることを
嫌がる人もいるが、
私は"無形"にこそお金をかけたい。
モノを買うより、
舞台鑑賞に行ったり、
ステキなホテルに泊まったりするのが
好き。
いろんな"無形"があるなかで
1番身近なのがクレーンゲーム。
最近、
テレビでクレーンゲームの神業とか
コツとかが紹介されているのをよく見る。
でも、私は断じて
裏技とかコツとかは覚えない。
私が楽しいのは、
取れるか取れないか分からないスリルや
どうやったら取れるのか、
台とにらめっこする時間なのだ。
ここを押したら取れるとか、
ここに引っかかればいいとか、
正解がわかってしまってはつまらない。
欲しいのは景品ではなく、
楽しい時間なのだ。
久しぶりに昨日ゲームセンターに行った。
今日はどれにしようかと
グルグル回っていると、
カラフルなブルボンのプチシリーズが
13本セットになった台があった。
スーパーに売っていても、
欲しいなと思いながらも
なかなか買わないやつ。
「君に決めた」
と握りしめたコインを投入。
500円入れれば、
1回おまけで6回出来るらしい。
嬉しい。
なんとなくの勘でアームを操作していく。
ビギナーズラックなのか、
1回目にしてお菓子が大きく動いた。
「これは来るかも」
だが、そう甘くないのがクレーンゲーム。
6回では取れず、もう6回。
またしてもあと一歩のところで落ちない。
基本、楽しければ
取れずともオールオッケーなのだが、
今回ばかりは私の執念発動。
私に巡ってきた運は必ず掴む。
ラストチャンスと強く誓い、
両替の台に向かう。
紙切れがジャラジャラの音に変わったのを
合図に気合いを入れ直す。
しかし、
6、5、4と回数は減っていくのに、
あと一歩になってからが
全く動いてくれない。
表示が1になってしまった。
これだけ頑張ったのに、
とため息と共に
最後のアームの降下ボタンを押す。
この後は大人しく買い物をして帰ろうと
台から1歩離れた。
すると、
背後からドサッと重たい音がした。
慌てて戻ると、
台からカラフルが消えている。
取り出し口を覗くと
13本がゴロンと落ちていた。
まさかの獲得。
両手で抱えながら、
大人になって初めてスキップで帰った。
もちろん買った方が安いことは
分かっている。
だけど、
あのハラハラした時間、
取れた時の高揚感と達成感、
そしてこれからそれを食べる時間。
総じて、
金額以上の価値、
いや、
お金では代えられないものを
ゲット出来た。
やっぱり"無形"はやめられない。