現在と地続きの未来の物語
10月27日に岡山市の蔭凉寺で開催のCultivation program2024 リーディングパフォーマンス『人魚の器官/漂う海馬』に関する情報をお届けします。
今回は、OTO代表の米谷よう子の公演に向けたコメントとプロフィールをご紹介します。
企画や作品についてはこちらの記事をご覧ください。
きっと多くの人がそうであるように、私も歳を重ねてシワが増えたり、身体が不自由になるのはできるだけ避けたいし、死ぬのはやはり怖い。老化を克服する治療法ができたら、きっと興味津々になるだろうとも思います。
若い時の身体のままの異次元の長寿は一見素晴らしいけれど、自然の摂理に抗えばいつか不具合が出てくるかもしれないし、その生き方はもはや人間とは呼べないものになってしまうかもしれません。
そう遠くはない未来、最先端の抗老化治療を受けるこの物語の主人公夫婦には、一人だけが元気なまま取り残され生き続けるという想定外の結果が訪れます。
もし自分ならどんな選択をするのだろう?
また、この作品には気候変動など人為的な理由で出現した、人間が住むことができない地域「新世界」が描かれています。新世界が始まった頃、その地にあった人工のプラスチック分解細菌を使ったゴミ処理場の周辺で、謎の感染症が広がり、気候変動に伴う災害に住民たちは否応なく巻き込まれていったと。
主人公夫婦のように多様な生き方を選択できる人々がいる一方で、選択肢のない生き方をせざるをえない人たちもいる。それは現在の社会と地続きのことだとも思います。
私ならどう生きるだろうか、そしてどんな世界であってほしいのか、演劇を通じて想像したり、考えをめぐらす一時になれば幸いです。
米谷よう子
《米谷よう子 プロフィール》
岡山市出身。早稲田大学第一文学部演劇映像専修卒業。在学中に演劇を始める。劇団山の手事情社にて一年間研修。第七劇場に入団(2011〜16 年)、日本各地や海外での公演に出演。東京都在住で岡山との二拠点で活動している。
《予約フォーム》
https://docs.google.com/forms/d/1VB9AKPJxtDETXWRF7HibdrgC4pfRYRzGg6S0JNeYK9c/edit