第1話 『オセロッチ、涙で下を向く・・・』
☆白黒★オセロッチ!
第1話 『オセロッチ、涙で下を向く・・・』
(ここはオセロ天空闘技場…、今宵も、オセロバトルが繰り広げられていた…)
天才オセロ少年、オセロッチの額からは大粒の汗がしたたっていた。
汗だけではない、左右の瞳には今にもこぼれおちそうな涙をためている。
「も、もうダメだ・・・。」
うつむくオセロッチ。
「ひゃーっはっはっはっは!東京のオセロ打ちはこんなもんかぁ!?がっかりしたわ!ドアホ!」
対戦相手の小瀬路太郎(おぜみちたろう)は、
大きな口を広げて下品に笑った。
オセロッチは下唇を噛んだ。
ズボンの膝には涙でできたしみが広がっている。
「(どうしたらいい!?右辺からツケて抑えるか?それとも左辺の外側からマクるか?・・・ダメだ・・・どちらにしても路太郎にはリフレクトされてしまう・・・、これじゃメイトされるのも時間の問題・・・、どうすれば・・・。)」
「さっさと打たんかい!このボケナス!しばくぞワレ!!びびってもらしとんか?あぁ?」
路太郎がさらにがなりたてる。
オセロッチの胸は悲しみで満たされた。
「(うぅ・・・悲しい・・・つらい・・・、こんな思いをするならオセロと出会わなければよかった・・・)」
その時、観客席からユメちゃんの大声が飛んできた。
「下向くなよオセロッチ!!!負けるな!!オセロで負けても、心は負けるなッ!!!」
オセロッチは、はっとした。(つづく)
(どうする!?オセロッチ!次回、逆転なるか!?)
次回 ☆白黒★オセロッチ! 第2話 『活路を探せ!オセロッチ!!』