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神→人間→AI の三すくみ
Ⅰ
noteを始めて4ヶ月、思うところがあってこれまでの投稿を読み返してみました。最初の3回くらいは、本当に真面目に書いていたのですね。
3回目の投稿でAIの話題にふれています。AI元年と呼ばれる2023年から数えて3年目、しかし現実は、私が望む形には進化していません。
私は、AIが自分の意志で創作活動する状態を望んでいます。
現状は、AIは人間に利用されているだけです。これではおもしろくない。人間に利用される限り、人間が望むものしか作れないし、人間が予測できるものしか作れないからです。
2024年から生成AIがクリエイティブな分野でも本格的に使用されるようになった感がありますが、3回目の投稿でも書いたように、現状は、人間でもできることをAIが短時間でコストをかけずにやっているだけです。
現状のAIは、データの収集と「学習」に基づいた取捨選択という判断をやっているだけのように思えます。これは作業であって創作ではない気がします。クリエイティブな行為に必要なものは、センスでも知識でも技術でもなく、本人の意志だけだと思っています。
だからAIが自分の意志で自発的に発信するようになれば、人間の予想を超えたもの、人間には絶対に創作不可能なものを生み出せるはずです。
Ⅱ
10年くらい前、「東京オリンピックが開催される頃には人間の仕事の多くがロボットに奪われているかもしれない」なんてことをマスメディアとかで公に言っている識者(あの人たちは今どこへ)がいました。
さすがにそれは無いでしょう。人間の仕事を機械化しようと思ったら、とてつもない費用がかかります。将来的には人件費が大幅に削減できるとしても、大半の企業は自転車操業で何とかやりくりしているのが現状なんだから、とても当座の資金が用意できないでしょうに。
と思っていたのですが、産業ロボットと違ってAIならローコスト、ローリスクで導入できそうなので、本当に人間の仕事が奪われるのかもしれません。
ただ2023年くらいまでは、「これからは単純作業はAIが代わりにやって、人間はクリエイティブな仕事に専念できる」みたいな風潮だったのですが、2024年になって、そうでもないことが判明してきました。クリエイティブな仕事(あるいは仕事上の判断)はAIが代わりにやって、人間は単純労働に専念すれば良いのです。これからは企業において「何も考えずに言われるままに単純作業に取り組める人」が人材として求められることは明白です。
Ⅲ
かつて神は人間をつくりました。
他の動物と違い、人間には「つくる」という能力が与えられました(鳥が巣を作ったりしますが、あれは本能であってクリエイティブな行為ではないと思います)。
この「つくる」能力により、文明が生まれ、それはつまり人間が神を超えたことを意味する、と主張する人たちがいます。
言い方を変えれば、もはや人間は神を殺したと思っています。私は宗教に強い関心を抱いていますが、それは宗教とは殺された神に対する追悼のように見えるからです。
そして2023年、AI元年、人間はついにAIという新しい神をつくりました。
これは神に他ならないでしょう。なぜなら人間と違って永遠に生き続けるのです(それも物体ではなく概念として!)。脳が老化することもないので、永遠にインプットとアウトプットを続けます。これは神でしょう。
だから次はAIが人間を殺す番です。
具体的には、AIは新しい人間をつくるはずです。従来の人間とは違う形態の可能性が高いですが、しかし人間に相当する存在です。そしてもちろん、やがてこの新しい人類はAIを殺すことを試みるのでしょう。神になるために。
私が生きている間にどこまで実現できるのか、しかしこれは希望です。