意外と知られていない?YouTube「案件動画」の裏側
YouTubeで「提供:◯◯」がついた動画を見たことがありませんか?
これは、YouTuberさんに広告案件として動画を投稿してもらうためで、一般的には「案件動画」と呼ばれています。
『逆転オセロニア』では、これまで配信開始からおよそ5年強の間に、600本以上もの「案件動画」をYouTuberさんへお願いしてきました。今では、はじめて実施するYouTuberさんの動画のコメントに「オセロニアの案件動画をお願いされるってすごい」と書かれていることも!
どうして『逆転オセロニア』では、これほど多くの案件動画をお願いしているのか?どのような選定基準でチャンネルが選ばれるのか?どうやって動画が完成するのか——動画を見ているだけではわからない制作の裏側について、「その身をYouTuberさんに捧げている」と豪語する担当者に取材をしてきました。
1. 「案件動画」とは?
ー そもそも「案件動画」とは何なのでしょうか?
ゆうこす:YouTube上にYouTuberさんの手によって投稿される、プロモーション動画のことです。案件動画には、概要欄内に「提供:◯◯」という表記が必要だったことがあり、それが転じて「提供動画」と呼ばれたり、YouTuberさんとのコラボタイアップという意味で「タイアップ動画」などとも呼ばれています。
今では様々な会社さんによる案件動画をよく目にしますが、この手法を比較的、初期の時期からトライしはじめたのが、実は私たちオセロニアなんです。
ー え!? 案件動画がメジャーではない時期から、オセロニアはトライしていたんですか?
ゆうこす:そうなんです。2016年2月にゲームの配信を開始したのですが、当時のマーケティング担当をしていた私の恩師でもある佐藤基さんがYouTuberさんのポテンシャルを見出だし、挑戦し始めたことがきっかけです。今ではもう、プロモーション手法の一つとして主流になっていますよね!
オセロニアでは、2021年現在に至るまで約5年強、ゲーム内の大型イベントを開始する際は欠かすことなく続けてきて、述べ600本以上の動画を出すにいたりました。この数は、案件動画を依頼する日本の企業・サービスの中で6位に入る数です。
▼国内企業・サービスの案件動画数ランキングTOP10(出典:kamui tracker調べ/2021年6月最新)
また、同じく案件動画を出したことのある国内の企業・サービスの中で、1本あたりの再生数が100万回超えの動画数ランキングでは、なんと国内1位で26本となっています。
▼国内企業・再生数が100万回超えの動画数ランキングTOP10(出典:kamui tracker調べ/公開日30日後で算出/2021年6月最新)
2. なんで「案件動画」をお願いするの?
ー どうして企業から「案件動画」をお願いするんですか?
ゆうこす:オセロニアの場合、一番はたくさんの方にオセロニアを知ってもらって遊んでほしいからです。
YouTuberさんの動画を見た方に「面白そうだなぁ」と興味を持っていただき、あわよくばダウンロードしていただけたら最高です。
新しいプレイヤーさんに限らず、過去に遊んでくださっていたプレイヤーさんが復帰したり、今遊んでくださっているオセロニアンの皆さんが長く遊び続けていただけるようになったりと、一人でも多くの方にオセロニアをプレイしてもらうきっかけになったらと願っています。
ー そうやって遊んでくださる方を少しでも増やそうと、案件動画を依頼されているんですね!なぜ「YouTube」ってこんなに強いパワーがあるんでしょうか?
ゆうこす:一つは、誰もがどこでも簡単にアクセスできることから、利用者数が圧倒的に多いこと。これは他の動画プラットフォームに比べても、圧倒的ですよね。もう一つは、「文字」「画像」だけではなく「映像」であることから、伝えられる情報量が多いこと。TVCMやWebCMとは違い尺に制限がない、ということも大きな魅力です。「新着オセロニア」での発信を続けている理由も、同じくだと思っています。
また、YouTube動画に登場する「YouTuber」さんの存在が大きなカギを握っています。動画では、YouTuberさん本人がリアクションを交えてダイレクトに説明をしますよね。この、人から人への直接的な言葉の伝播って、ものすごく訴える力が強いんです。
さらに、YouTuberさんそれぞれがファンの方を抱えていて信頼関係があるので、評価もポジティブに受け取られやすい。例えば「ダイエット方法」も、好きなYouTuberさんに紹介してもらった方が、よりやってみようと動きますよね?”行動変容を起こしやすい”というのは、マーケティング的にも大きなメリットなんです。
私たちはYouTuberさんのことを「クリエイターさん」と呼んでいますが、オセロニアがお願いしているクリエイターさんたちの影響は本当に大きくて、アプリのストアランキングを大きく動かすほどですよ。同日同時間にタイミングを合わせて案件動画を公開する時はいつも、ランキングが上位にジャンプします!
3. 「案件動画」はどうやって出来る?
ー YouTuberさんにどのように依頼して動画が出来上がるのか、実際の工程を教えてください!
ゆうこす:少し長い行程があるのですが、大きくは「準備」「制作」の2つのフェーズに分かれています。
▼「案件動画」ができるまで
【準備】
①戦略策定
→ マーケティング責任者とすり合わせ。
実施の目的、ターゲット、目標値、訴求、公開日、チャンネル選定方針などを決定
②プランニング
※詳しくは後述
③撮影準備
→ 撮影で使用するスマホの発送、画像素材、撮影道具などの準備
※クリエイターさんによっては、ご自身の端末でプレイいただくことも!
【制作】
④動画撮影・編集
→ クリエイターさんによるオリエン資料をもとにした動画制作
⑤動画の確認
→ 動画本編、タイトル、サムネイル、概要欄、ハッシュタグなど
動画に関わる全ての項目をチェック。
全項目のチェックバックを、毎回2回ずつ行う
⑥当日の公開対応
→ 動画はもちろんのこと視聴者の反応や再生数の伸びをチェック
⑦振り返り
→ 定性・定量それぞれ、全体かつ個別で評価
制作期間だけでも約2週間はかかるので、1本の動画が公開されるまでには、全部で2-3ヶ月ほどはかかっています。
ー これを600本以上繰り返すって……とても大変ですね!最近、印象的だったエピソードはありますか?
ゆうこす:【制作】の段階からは、主な進行をクリエイターさんにパスするのですが、最近はディレクションのために撮影現場に立会いする案件が増えてきています。オセロニアがどういうものなのかをしっかりお伝えするためでもありますが、直接感謝の気持ちを伝えたい、という所が一番にあります。
中でも印象的だったのが、先日「キックターゲット企画を通してオセロニアを紹介する」という動画があり、なかなか大掛かりなもので……撮影現場では、自分がアプリゲームの宣伝担当であることを忘れてしまいそうになるほど、フィジカルな経験をしましたね(笑)
4. チャンネルを選ぶには……
ー 工程の中では、”プランニング”部分が大事であると伺いましたが?
ゆうこす:そうです、案件動画の一番の要ですね!
ー 何から考え始めるのですか?
ゆうこす:まずはクリエイターさんの選定です。主に、お届けしたいイベントの内容、お届けしたい視聴者の方々の属性に合ったクリエイターさんをピックアップしていますが、実際の選定基準はすごく細かく……。例えば直近のチャンネルの伸び率であったり、案件実績(案件を受けて結果に繋がっているか)など色々な観点があって、総合的にスコアリングをして決定しています。
選定が完了したら各人に案件を受けていただけるかどうかの確認を取り、無事にOKをいただけ次第、このようなオリエン資料をもとに動画の企画を決めていきます。
▼クリエイターさんにお渡しする資料の一例
ー クリエイターさんを選定するポイントは?
ゆうこす:ご依頼するにあたって、そのクリエイターさん自身がオセロニアをプレイしている姿と、その様子を視聴者の方が楽しんでくださっているか、を頭の中で何度もシュミレーションします。このイメージの中で、きっと楽しんでもらえない、受け入れてもらえないなと思ったら候補から外しています。
この勘所には経験上自信があるものの、より精度高くしっかりと当てるためには、チャンネルをとことん理解しないといけない。だからこそ、YouTube動画は人一倍めちゃめちゃ見ています。
ー エッ!どれくらい見ているんですか?
ゆうこす:研究のためだったら、1つのチャンネルにつき、初見だけで1時間以上は使っているかも……。1日でいうと、仕事をしている日も平均で毎日5時間くらい。家にいると、本当に朝から晩まで暇さえあればずっと見ています。例えばキッチンにもお風呂場にもトイレにも(笑)、あらゆる所にスマホスタンドやデバイスを置いてYouTubeが見れる設備が万全です!
▼家中、スマホ置きやデバイスだらけの自宅
ここまでできるのも、私は「趣味の延長」としてこの仕事をしているような感覚で。もともとはオセロニアのマーケティング領域全般に従事していたのですが、当時はこの「YouTuberプロモーション」の専用ポジションは社内になくて。上司へ直談判を約1年続け、やっと専任にしてもらえました。
今ではオセロニアだけではなく、会社の中でゲーム以外のサービスでも、YouTubeの案件動画というプロモーション手法を拡大できるようになりました。これもオセロニアがYouTubeを通して、長く結果を出し続けられているおかげです。
ー 案件動画で、ゆうこすさんが何か特別に意識していることはありますか?
ゆうこす:ただ一方的に案件を依頼して動画を制作してもらう、ということはしたくないと思っています。タイアップ動画と呼ばれるように、「クリエイターさんと企業の両者にメリットがある」状態であることが大事だと思っています。そのため、クリエイターさんが案件動画でしかできない企画やコラボを実施したりと、しっかりとクリエイターさんにとってもやりがいのある仕事になるようにと考えています。クリエイターさんと企業が一緒になって一つの作品を作り上げることで、自ずとそれが動画のアウトプットにも良い影響を及ぼしてくれると感じています。
ー これからはどういうクリエイターさんが伸びていくと思いますか?
ゆうこす:今はたくさんの方が参入するYouTube大戦国時代だと思っているので、ただ面白い動画やクオリティの高い動画を上げるだけでは伸ばすことは難しくて。私は、重要なのはこの2点だと思っています。
1つは、唯一無二感。マーケティング的な観点で、自分自身のチャンネルをいかに戦略的に捉え、オリジナリティを大事にできているか。チャンネルを大きくするためにどうアクションしたら良いかというロードマップを描ける人は必ず伸びていますし、新進気鋭の新世代YouTuberさんは、皆さん揃ってよく考えてらっしゃるな、と動画を見ていて感じます。
もう1つは、YouTubeを心から楽しんでいるか。これが一番大事ですね!自分をさらけ出して楽しんでいらっしゃるYouTuberさんも、ワイワイ複数人で盛り上がるグループ系のYouTuberさんも、とにかく出演陣のメンバーがめちゃめちゃ楽しんでいる模様って、視聴者にもちゃんと伝わるんですよ。その姿を通して、応援という感情が芽生えてチャンネル登録者になり、やがてはファンになる。YouTuberさんのパワーはチャンネル登録者数で比較されがちですが、大事なのは数ではなくて、自分自身が楽しみ、かつ視聴者の方にどれだけ楽しんでもらえているか。そこに全振りできているYouTuberさんは、絶対に伸びていくと確信しています。
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オセロニアの面白さをたくさんの方々に伝えてくださるYouTuberさんの活躍を、誰よりも純粋に願うメンバーから話を引き出しました。これからもしYouTubeでオセロニアを紹介されている動画をご覧になりましたら、ぜひこんな裏側のことを思い出していただけましたら嬉しいです。そして「高評価・いいね」と「チャンネル登録」をしてくださいましたら、さらに喜ばしく思います!
運営チーム 広報担当 こりん
〈次回の配信予定日:2021年7月上旬〉