禅堂のヌシ

夜、皆で坐禅を組んでいる時、時折音がするのです

バタン!ドン!ドドン!トタ、トタタタタ・・・

ドン!ドタン!

夜の静まりかえった禅堂で、突然この音が鳴ると、めちゃめちゃビックリして、肩が動いてしまいます。

しかし毎日毎日鳴るものですから、次第にそんなものだと思って、特になんとも思わなくなっていたのですが

ある日、方丈様から報告を受けると

なんと音の正体は、モモンガだったそうで

モモンガの家族が屋根裏に巣を作っていたのだそうです。

山から運んできた食べ物や、巣の材料の草木をくわえて

木から屋根へ飛び移っていたときに鳴っていた音かと思うと、とたんに可愛いく思えました。

しかし、大工さんと方丈様の手により

モモンガの家族はお引越しとなり、禅堂には静けさが戻りました。

私はどうもさびしかったのでした。

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