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今日は未来に一番近い日〜島に生きるおじい・おばあとの物語

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種子島の祖父母との暮らしは、「同じ日は一日もない」ことをわたしに教えてくれました。そんな祖父母の物語を綴ります。
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2016年2月の記事一覧

一日の輪郭 〜 朝 〜

一日の輪郭 〜 朝 〜

祖父母と生活していると、 なんとなく過ごしていた日々が 一日一日くっきりと見えるようになってきた。

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2人の一日は静かにゆったりとはじまる。コーヒーよりもお茶が似合う朝だ。

祖母は祖父よりもちょっとだけ早く布団から出て台所へ向かう。畑で採れた無農薬野菜は、塩胡椒

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じい、ばっぱ

私の人生は祖父母なしでは語れない。

母方の祖父母は、私たちの家から70メートルくらい登ったところに住んでいる。今年で祖父は79歳、祖母は73歳を迎える。病気ひとつなしの健康体とは言えないが、今でも農業を営むくらいの体力はある。

私と妹は、2人のことをそれぞれ「じい」、「ばっぱ」と呼ぶ。幼い頃、おじいちゃん、おばあちゃんをまだうまく言えなかった頃に発していたであろう呼び名を、20歳を超えた私たち

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