ひかり
以前Twitterにて紡いだ物語を加筆修正をしたものになります。
ひかり
太陽が地平線の彼方へと姿を隠しても、その光はいまだ西の空を僅かに彩る。月明かりと陽の光が同居する時刻。それは目を醒ました。
初めにきこえたのは賑やかな歓声。声高らかに笑うもの、声を殺して涙を流すもの、色々な音のするその場所で、それは光を得た。
その場にいた誰かの祈りが天に通じたのか、それは天真爛漫で、真っ直ぐな星の子だった。
他者に寄り添い、共に泣き、共に笑い。優しく、素直な存在だった。
雪の積もった冬の日に出会った精霊と「いつかは離れ離れになる」と分かっていながら淡い恋をした。
予感していたとおり、その精霊は春の訪れと共に姿を消した。雪解けの音、春風が大地を撫でる音。……あの人の居ない、いつものあの場所。次にいつ出逢えるかも分からない。それはまるで夢の様な日々。
「さみしい」と言葉にしては認めてしまう様で気丈に振る舞ってはみるものの、暖かな陽射しとは真逆に肌寒い毎日を過ごした。
そうして、春が過ぎて夏が来る。祈りから生まれた星の子は、夏めく陽射しを受けながら祈る。
――どうか、またあの人に逢えますように。あたたかな光は、祈りと共に星の子を連れ去っていく。
また、いつの日か。
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#ある星の子の一生
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