「結局どれもおんなじなんでしょ?」
今日も「レジ袋おつけしますか?」からスタートしている店員です、こんにちは。
化粧品も洗剤も薬も、販売していると必ずこういう人に遭遇します。
「結局どれもおんなじでしょ?」
同じなわけあるか、ジェネリック医薬品だって全く同じちゃうぞ。
と思いながら、「人によって合う合わないもありますし、メーカーさんによって特色をつけてらっしゃるので、症状に合わせてお選び頂けますよ」という定型分をお返しします。
ある時、なんでこの人たちは「全部同じ」だと思うんだろう???と考えてみたのですが
・どれを使っても効果がない
・本人が違いに気づけないくらい自分に鈍感
の2択だと思うんですよね、おそらく。
どれを使っても効果が(感じられ)ない
まずこういった人達に共通するのは、症状や悩みに適した製品を選べていません。効果が出るはずないものをいくつも使ってれば「どれも効かない」と思うのは当然でしょう。
つい先日もTwitterで「防風通聖散はこういう人にしか効かないらしい!どうりで痩せないわけだ」みたいなツイート見かけましたが、それは箱にも書いてあるしサイトにもご丁寧にチャートまで載せてあるし、なんでそこすっ飛ばして軽率に薬に手を出しちゃうんだろう…という感想しかなかったんですけど、「なんかいいらしい」って聞き齧っただけで使ってみる人って結構存在してるんですよね。
あとは先に改善すべき体質や生活習慣があるのに薬や化粧品でどうにかしようとしているケース。
本人が違いに気づけないくらい自分に鈍感
長年店頭で接客していると、自分のことを知らなすぎる人が多くいます。例えばお腹を下して薬を買いに来た人に「思い当たることありますか〜?」と聞くと「特に変なものも食べてないし…」と答える人が多いですが、もしかしたら昨日食べたハンバーグが生焼けだったかもしれないし、ご飯の保存状態が悪かったかもしれないし、エアコンが効きすぎかもしれないし、実はバナナが食べられない体質(私です。)かもしれません。
急性疾患に使う医薬品は作用がシャープに出るものもありますが、時間をかけて徐々に改善していくお薬も沢山あります。化粧品は薬機法上でも劇的な効果が出てはいけないので、あくまでもちょっと傾いた調子を整える、改善をお手伝いしていくものです。実は少しずつ改善していたのに気がつかずに使用をやめてしまう、1ヶ月使ったところでようやく効果が出始めるのに3週間でやめちゃうのが一般消費者ってもんですよね〜〜〜!メーカーの方〜〜〜!
尚、セルフメディケーションという言葉はみなさん聞いたことがあるかと思います。これ「国民一人一人が健康管理に高い関心をもち、自分自身で健康の維持・増進,病気の予防・治療にあたる」と言う意味合いなんですが、目的は市販薬を適切に使うことで症状が軽いうちに不調を改善したり、普段から自分の健康を維持する(適度な運動や栄養バランスの管理など)ことでQOL(クオリティオブライフ=生活の質)を保つことです。仮に疾病にかかったとしてもいち早く異変に気づき、適切な治療を受けることができたり、早期の回復に勤めることができる、そういった基盤にもなります。
ちなみに各々が自分の健康に関心を持ち、自身を健康に保つことで同時に医療リソースや保険料の圧迫を防ぐことにもつながりますね。
医薬品や化粧品に関して「どれ使っても同じ」だと思っている人は大体「自分に興味が無い人」が多いです。あとは適切に製品が使用できてない場合が多い。医薬品も化粧品も適切な期間や量を使用してはじめて正しく比較ができます。人間の身体って面白いもので効かないと思ってると本当に効きません。効くと思った方が効くし、医薬品はプラセボ実験も必ずします。
どの医薬品も化粧品も、何使っても同じだと思ったことがある方は是非一度、自身の日々の生活と微妙な体調の変化や食事の内容、睡眠時間等と向き合ってみてください。1週間書き出してみてもいいし、いろんなアプリに頼ってみるのも良いと思います。そして実際に使用してみてどうだったかも日々観察する。
人間の身体を健康に保つ方法って少しの変化と現状維持の積み重ねですからね。