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市民が参画するまちづくり(流山スタディツアーpart.④)

今回は、台湾国立中山大学の学生による流山市への視察の2日目の午前中の内容です。流山市で市民活動を行っている、三苫周平さんにお話を伺いました。

三苫さんはこれまでのご経験から英語が堪能で、また最初の自己紹介は中国語(台湾語?)でされていました!私は英語はなんとなく聞き取れますが話せず、中国語は名前だけは言えます。笑

◯三苫さんが流山市に移住をしたきっかけ

もともとは都心で生活をし、育児をされていた三苫さん。しかし都心での育児の環境は、公園が狭い&混雑している、子ども同士が事故にならないかなど心配の種が多かったそう。
そんな中、柏の葉公園(千葉県柏市)で遊ぶ機会があり、子どもが嬉しそうに走り回る姿を見て、「都心に住み続ける理由はないな」と判断されて移住されたそうです。

◯三苫さんが活動を始めたきっかけ

政治学を専攻して三苫さんは、日本の国会は「絶対に達成できないプロパガンダを言うのが政治家で、政治に1mmも興味がなかった」と思われていたそうです。

・元千葉市長で、現千葉県知事の熊谷知事との出会い

そう思われていた三苫さんが、「自分でも何かできないか?」と思われたきっかけが、元千葉市長で、現千葉県知事の熊谷俊人知事の選挙演説を聞いたことだそうです。

当時知事候補だった熊谷知事は選挙演説で、
「大人の1,2年は大した事ないけど、子どもの1,2年はとても大事です。コロナだからあきらめるのは簡単。でも、それで子どもたちの修学旅行など一生に一度の経験が無くなってしまってはいけない」
というお話をされ、千葉市長時代の、市内すべての学校で修学旅行を実現した実績をPRしていたそうです。

三苫さんは「こんな素敵な政治家がまだ日本にいるのか」と思い、地方行政は国政と少し違うんだなという印象を持ち、「まず自分でできることから始めよう」と思われたそうです。

・流山市議会、近藤みほ市議との出会い

今回のプランナーである、近藤市議とは1回目のクリーン活動大作戦を始めるにあたり悩んでいた時、共通の知人からのご紹介で知り合ったとのこと。市役所関係者への取り次ぎや、アドバイス等でサポートいただいたそうです。

まずやる、行動する人をサポートするのはとてもいいですね。そこから見えるもの、生まれるものがどんなものなのかワクワクしてきますね!

◯10年後の流山市はどうなっているだろう?

三苫さんが「クリーン活動大作戦」を始めたのは、今から10年後の流山市はどうなっているだろうと考えたそうです。

・駅前の環境が悪くなり、子育てを終えた世代がいなくなるのではないか?

三苫さんは、

「子どもへの教育を意識し、なおかつ資金力があり、都心に頻繁に出勤しなくていい家族層を中心に移住が進む」

と想定されているそうです。

今の流山市は子育てをする環境整備がどんどん推進されている一方で、単純に人口が増え、人口密度があがると住環境が悪くなる可能性があります。
中長期の将来を考えることはまちづくりに限らず、自分の周囲のことも含めて想像することは大切だと思います。

・スマホなどの間接的コミュニケーションが増えることで、不登校や引きこもりの子どもが増えるんじゃないか?

直接対面での経験がないと、子どもの心の防御力が鍛えられない。スマホを完全否定するわけではなく、直接対面「も」できなければ、耐性が低い子どもから学校にいかなくなるのでは?

と考えているそうです。

私も同意するところが多いです。
私は不登校や引きこもりはそもそも悪いことではなく、ひとつの表現の方法だと思っています。「自分の感情をうまく言葉で表現できない」、「周りの人に気を使って言い出せない」ということは、大人でもありますし、子どもだからこそより抱え込んでしまいます。
ただ、人は社会と関わりを持たなければならない時期は遅かれ早かれやってきます。そのために、社会の縮図である学校など直接コミュニケーションの練習ができる場が必要と考えています。

三苫さんが「いろんなことを経験したことがない子どもが、他人の痛みを想像できるようになれるのか?」と話されたことがとても印象に残っています。

◯三苫さんはどんなことから行動を始めたのか?

・流山市のWEBサイトのTOPページのリニューアル

三苫さんを含む3名と、秘書広報課の方で共同推進されたそうです。

ぜひ上のページを見ていただきたいのですが、リニューアルに向けて選出された3名それぞれが、自分たちの得意分野、専門知識を活用し役割分担をしてプロジェクトが進んだことがわかります。少しでもいいものにしよう!という思いが前進する力になっているのでしょうね!

・市長とのオンラインプレゼン会

数々のやり取りをしている中で、井崎市長がとてもいい人という印象をもたれた三苫さん、市長の人となりの素晴らしさを多くの市民に伝えたいと思われたそう。
また、「何かやりたくて悶々としていた流山のアクティブ市民の方たちを集めて何かできないかな」とも思われていて、これらを実現する手法として、市民から市長へのオンラインプレゼン会を催されたそう。

市長との直接のコミュニケーションでの感覚と、広くアンテナを張っている三苫さんならではの発想と行動だったように思えますね!

・クリーン活動大作戦

今は告知するやいなや、定員が埋まっていくイベントに成長した「クリーン活動大作戦」について伺いました。

【当初の目的】
・流山市で毎週地元を清掃している地元サッカークラブ「Nagareyama FC」さんの応援として、彼らの認知向上とファンを増やしたかった。
・市民団体の皆さんも毎回集客に困っているという声を聞いていた。
・流山おおたかの森駅周辺でゴミが増えていて、子どもたちに楽しくゴミ拾いをしてもらいたかった。
・近藤市議から「『ゴミ拾い=かっこいい!』みたいなイメージを与えられないか?」との相談があった。
→その全てを解決する形が「流山クリーン活動大作戦」というイベント。

【これまで3回のイベントを開催し、その手応え】
子どもたちと参加した方々の笑顔がキラキラと眩しすぎて、心がいい意味でやられている。

【これからの流山クリーン活動大作戦】
市民完全自律型スタイルで、おおたかの森以外も含めてゲリラ的にやってみたい!まさに、点と点を結び面にするという考えを形にする!

それぞれで活動していたこと(点)を三苫さんが繫いで大作戦(面)となったとてもいい事例ですね!また、これまで三苫さんが、作ってきた行政との関係、議会との関係もいきてるのではないかなーと思っています。
お話を聞いていて、その場にいなくてもこちらが笑顔になるような取り組みですね。

◯当事者意識をもつことと、実際の行動を起こす間にあるもの

自分のこと、自分の周りのことに当事者意識を持つことと、実際行動に移す間には広くて深い川があるように考えています。そこで、三苫さんに「考える事から、行動すること」に移行したきっかけや考え方を伺いました。

・いつになっても自分の子どもに誇れる親でありたいから
・自分の子どもにも、口だけではなく、頭を動かし、手を動かし、足を動かせる人になってほしいし、そうした方が人生の満足度が高いから。
・幸せは一人だけで得るのは小さいけど、家族や友人、地域の方たちと関わり、作り出した方が何倍も高いと考えるから。

行動する動機は人それぞれですし、それを言葉にすることは中々難しい中お応えいただいて感謝です。
誇り、満足、幸せ、という数値で測れないものを得るためには行動が必要不可欠なのかなーと、これまた言語化しにくいのですが感じたところです。

◯これからの地方自治体の行政と議会に求めるもの

出張を終えて大阪に戻ってきてからもいろいろと考えている中で、市民活動をされている三苫さんにこれからの地方自治体の行政と議会に求めるものってなんですか?と聞いてみたくなりお願いをいたしました。かなり考えていただいたみたいで恐縮です。

【限りある時間を財源確保、資金確保に動いてほしい】
近藤さんから聞こえてくる地元の課題感は 時代の変化と共に生じた課題だと理解しています。これまでボランティア・善意・従来の働き方で解決できていた事が、高齢化・共働きによる多忙・地域愛への希薄化・働き方改革で 対応できなくなった。
         
誰かがボール拾わないと課題は解決しない。でも誰もやりたがらないので、責任の所在を明確にすることに時間がかかっている様に見えます。
        
時代の流れに逆らわずに、さっさと外部に委託し金で解決すれば良いのでは?といつも思ってます。そうなると財源は?となるので、それを大量に流出しているふるさと納税から呼び戻す施策に時間をかけてほしいと思います。既に実現している泉佐野市への視察など。

こんなことが出来たらいいなといつも思っています。市民からこんな施策がほしいとリクエストが上がる。それをふるさと納税(市民が選択できる政策)項目にかけるかを議会と行政で審議。公平性・投資に対する市民全体への影響、貢献度みたいなマトリクスを設けて審議。各施策におけるかかる費用の算出と効果などの取り纏めを議員も支援。
上位に上がったものから、流山市民のふるさと納税として納付可能、市民が選択した場合は返礼品はなし。但し、例えば以下の項目であれば一部のふるさと納税の冷凍食品を諦めて支払ってくれる市民は多くいると思います。

例)
・マンモス校になって教員不足が問題視されているので、民間企業出身者の教育者が入りやすい仕組み作り、教育への投資。
・先生が部活を見れないという事なので、部活動を見てくれる顧問のアウトソーシング代として。
・先生の働き方改革の業務改革支援のコンサル。
・一部障害を持つ子どもたちへの受け皿の拡充。
      
市民が求める施策を自分達で上げ、
そこに税金が正しく使われるという仕組み。

・この活動を通じて、ふるさと納税の赤字を減らす。
・議員と行政もみんなから求められた具体案にフォーカスすればよくなるので時間効率がよくなる。
➡マイノリティを完全に無視するという事でなく、これで財源が増えれば資金で解決できる事も増えると思います。議員や行政の抱えている業務を外部に委託。そうやってご自身の時間を作って、この難しい施策実現に向けてその時間を使ってほしいです。

提言はできても実現や推進を行政でも議員でも出来ないというならば、みんなで議論しても正直時間がもったいないので、潔く諦めて、外部委託をして進めるという事を協議してほしいと思います。

とてもわかりやすく明確にお答えいただきありがとうございました!
三苫さんが仰られているように、時代の変化とともに生じた課題は行政、議会、民間が一丸となって取り組む必要があると感じています。
「おまかせ民主主義」ではなく、みんなができることをそれぞれ取り組む。そこには世代も男女も関係なくて、みんなの知恵と行動力で新しい社会を作っていく「本来の民主主義」があるように感じました。

◯まとめ

今回は6月27日にお話を伺った内容をなるべくそのまま書きたかったのですが、どうしても自分の中で理解度が低く、納得のいく構成にならない感覚がありました。そこで、お忙しい中改めて三苫さんに質問をした内容も盛り込んでみましたがいかがでしたでしょうか?

台湾の大学生も三苫さんの問いかけに真剣に向き合い、台湾のこと、高雄のことについて「いいところは?」と考えてもらう場面もありました。帰国後も今回のことを思い出しながら、より解像度高く地域のこと国のことを考えていくんだと思います。

私自身もとしての活動は継続をしながらも、他にどんなが町の中にあるのか探すような活動も広げていきたいなと考えています。
あと、滞りがちな土日のゴミ拾いウォーキングも。笑

今回の記事が、みなさんの地域のこと、自治体のことにほんの少しでも関心をもつきっかけとなれば幸いです。





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