【ルポ】『劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト』ライティング上映に行ってきたよ(in 新文芸坐)
こんばんわ。
「やはり『劇ス』は映画館で観るに限りますね!」という分かりきった感想の一文から記事を始めさせてください。
今回はルポ記事の形態をとりまして、昨日9月24日、新文芸坐にて上映された
『劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト ワイルドスクリーンバロック・ライティング上映』
のお話をしていきたいと思います。
記事の性質上ネタバレを含みますので未視聴の方は今すぐ回れ右してください。
というか、しなさい。
初見は必ずネタバレなしで観てくださいね。
私と新文芸坐
本題の前ですが少しだけ。
上映館である新文芸坐さんのお話です。
新文芸坐は池袋にある単館上映ミニシアターで、ディジタルが基本の今、映写技師さんが映写機を用いてフィルム上映を行う風情ある映画館です。
さらに、それだけではなくスクリーンの横から客席の壁へ広がるライトによる新機軸、「ライティング上映」も行っています。
かくいう私もライティング上映は初めて。
新文芸坐に訪れたのは今回で二度目。
一度目はというと、これもまた『劇ス』で古川監督がトークショーをやっていた去年12月に「まがじん!」共同運営者の藤吉・牧ナタ両氏と共に鑑賞しました。
その際に古川監督が
「ここの音響、低音響きすぎて床揺れててヤバいんじゃないかと思ってたけど下パチンコ屋でした(笑)」
というコメントをしていて笑った記憶がありますが、その一言が今回深〜い意味を持つことになります。
ちなみに今回はスタァライト伝道師・牧ナタ氏との参戦です。
いざ、ライティング上映!
そしてやってきました、新文芸坐。
劇場内最前列のステージには記事冒頭の通り華恋とひかりの衣装が置いてあり、みんな写真を撮っていました。
撮るよね、そりゃ。
そんなこんなで始まった『劇ス』ライティングでしたが、結果的にはこれがドンピシャでした!
レヴューシーンの性質上、ライティングとは相性が良いだろうと踏んでいましたが、もう大化けでしたね。
想像以上の相乗効果で、10回目くらいの鑑賞になると思うのですが、すごく新鮮な劇場体験ができたという感覚です。
今もまだ目に焼き付いて離れないのが恨みのレヴュー、セクシー本堂に入った瞬間のシーン。
右に紫、左に緑、上に金という三方向から光が入っているカットがあったのですが、ライティングがそのカットに完全一致。
まるでセクシー本堂店内にいるかのような没入感に(心なしか)みな動揺してた気がします。
完璧でした。
そしてその後!誰もがライティング上映の成功を確信した瞬間に訪れるのがあのデコトラです。
流れ始める音。
クラブかってぐらいに低音で揺れる(本当に振動として)館内。
そしてピカーッ!
もうね、帰ってこれませんよほんとに。
流れ星のような二人が眩しすぎる。
使い古された語彙かもしれませんが、あの瞬間、映画を「鑑賞」するのではなく「体感」しました。
他にも最後のセリフ・スーパースタァスペクタクルが最高だったとか色んな感想があるのですが、「ライティング決まってる!」と感じた最初のシーンはセクシー本堂→デコトラだったように思います。
ライティング上映で感じた可能性
ライティング上映自体初参加だったというのはあるかもしれませんが、想像以上の体験だったというのが感想です。
映画本編を拡張する取り組みとしては4DX等いくつかあると思いますが、それでもライティング上映に可能性を感じた点が二点あります。
まず、第一は本編に干渉しかねないライティングという演出を惜しみなく使っているところ。
これは本編を熟知しているからこそ出来ることだと思いますし、それが仇となる作品(例えば今回も暗めのシーンではライトは点灯していなかったのでそういう作風とは相性が悪いでしょう)もあると思います。
なのでタイトルは限られるでしょうが、それでも適当な映画があれば今回のように大化けする可能性は十分にあるでしょう。
一点目とそう変わらないのですが、二点目はライティング自体の自由度がかなり高かったこと。
これは実際に体験していないと想像が難しいと思うので詳しく書いてみますね。
まず、ライティング上映というのはスクリーンが最前にあり、左右の壁に取り付けられた無数のライトが点灯する、という形式で行われます。
そのライトの演出が非常に自由度が高いのです。
光の色が変わるのはもちろん
「前から後ろに流れる」
「下から上、上から下に流れる」
「一部のライトだけ点灯する」
といった様々な演出があり、シーンとの合致としても魂のレヴューで炎に包まれるシーンにおいて
「オレンジ色の光が下から上へ柱のように立ち込める」
といったように様々な応用方法がありました。
これはめちゃくちゃハマっていて、音響も含めて臨場感が凄かったです。
ライティング上映の可能性というのはまさにこの自由度の高さです。
例えば、『マトリックス』冒頭の緑背景に白い数字が落ちてくるシーン。
あの時に左右のライトが緑背景に白を落とすアニメーションだったら凄く没頭できそうじゃないですか?
そういうことも可能、そんな自由度でした。
そして、何度も言いますが『劇ス』との相性が完璧なフォーマットでした。
あとがき
そんな感じのルポ記事です。
ライティング上映で感じたことについてどこまで伝えられたかは分かりませんが、とりあえず凄かったのはマジです。
それだけ伝わってれば良しです。
『劇ス』は本当に素晴らしい作品ですが、さすがに10回(推定)も観るとなると驚かされることはあまりありません。
それでも、今回の上映はとてもフレッシュでした。
その感覚を味わえた、というだけでプライスレスだと思います。
一緒に観に行った牧ナタ氏とはもう何度も『劇ス』『スタァライト』の感想交換をしていたので今さら本編の感想を話すこともないだろう、と思っていましたが、お互いに想定以上の新鮮な刺激を受けて帰り道めっちゃ活発に感想(妄想)を語り合うことができました。
ちなみにですが、牧ナタ氏は「公開初週ぐらいに『劇ス』を観に行き、前情報がなかった分ものすごい衝撃を受けた」という伝説的エピソードを持っています。
私は昨年の夏に牧ナタ・藤吉両氏から勧められ鑑賞しに行ったのでまだ一年ちょいくらいです。
だというのにTwitterにはまだまだハマりたての方がいて、この作品の底知れぬ力を日々感じています。
そして、これは新文芸坐の棚を飾っていた概念『スタァライト』グッズ。
映画館が一番のファンになってる!!!
『劇ス』の再演はまだまだ安泰そうです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
私たちはもう、noteの上───。