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歩きスマホ中に視覚になにが起こっているのか?

歩きスマホが原因で本人が被害にあうのは自業自得ですが、歩きスマホの人が正面から歩いてくると、こちらが大きく避けないといけなかったり、歩きスマホの方はフラフラと蛇行するため、後ろから追い抜くにも気を使います。

車の運転中にスマホに夢中になっている人も稀に見かけるため、これらを検知して使用停止にする機能を強制化できないものでしょうか。

昔はあった歩きスマホ防止機能

10年ほど前にNTTドコモやKDDIなどから、歩きスマホ防止の取り組みが発表されていたことがありました。

この取り組みのいまいちなところは、歩きスマホ防止機能の有効化は本人が行うというもので、発表当初は辛辣なコメントでにぎわっていったように記憶しています。

当然そんな機能使われるはずもなく、今はこの機能自体無くなったのではないでしょうか。

歩きスマホの防止を本人に任せても無駄です。
現在の技術であれば、かなり精度の高い歩きスマホ検知、さらに運転時スマホも検知できるでしょう。
再度このような機能の強制化について、検討を始めてほしいところ。

人間の目は万能ではない

歩きスマホ中、スマホをなるべく前に出して、画面と前方の両方を見ようとして歩いている人がいますが、スマホ画面に集中している間は前方は全く見えていません。

以下は人間の視覚に関する有名なテストです。画面に集中して白シャツのチームが何回パスしたかを数えてください。

白シャツのチームがパスをした回数分かりましたか。

このテストは選択的注意(セレクティブ・アテンション)を確認するためのテストで、人は見たいものしか見ていないという実験です。

ガヤガヤしているお店の中で、たくさんの人がしゃべっている中、自分の名前が出てくると、そこだけよく聞こえるようなことがあると思います。

この動画に関しては、白チームのパス回数を数えることに集中していると、途中に登場するゴリラに気づけないといった実験です。(初見のみ効果のある実験です)

1秒が1秒以上に感じるクロノスタシス

こちらも視覚に関することですが、時計の秒針に急に視線を合わせたときに、秒針が動くまで1秒以上かかるように感じるという現象です。

目から入ってくる情報を脳が処理しきれないとき、無意識に脳がそういった状態を作ります。当然秒針は1秒ごとに刻んでいますから、現実と脳がとらえている映像がずれている状態です。

脳はかなりよくできていて、人間が混乱しないように微調整をして整合をとっているのでしょうが、そのために現実とは違う映像を見せられていることは多そうです。

歩きスマホで電柱にぶつかったり、階段から落ちたりするのは、見えているつもりが実は脳が作り出した映像しか感じられていないのかもしれません。

視差呼称の有効性

海外では日本の作業員さんや駅員さんが行う視差呼称をバカにして笑うことがあるようです。

しかし、先ほどの選択的注意の実験動画のように、あの狭い動画画面でも見落としがあることを考えると、目の前のことについても、指を指しながら「よし!」と安全確認を行うことは、科学的にも有効そうです。

人間はまだ自分自身のことをほとんどわかっていません。なにごとも過信せず注意深く行動することがリスク低減につながります。

歩きスマホはハイリスク

歩きスマホをしている人を見ると、スマホに指示されて動いているみたいで滑稽に感じます。

AIに仕事が奪われると言われていますが、すでに機械に支配されていると言っても過言ではなさそうです。

これまで書いてきたことから、歩きスマホはハイリスクであるとわかります。歩きスマホ検知・防止機能で強制されずとも、自らやめることをお勧めします。

いろいろ書きましたが、歩きスマホ最大の問題は、歩きスマホする人はこういう記事は読まないことかな。。


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