中学入学式で心が救われたはなし
小6で耳の後ろの髪の毛が抜けたときに感じた不安は的中した。
中学入学前の春休みにはおでこの生え際にも脱毛が始まった。
5月には落武者のように脱毛し、
夏休みの頃にはほとんど全部、髪が抜けた。
当時、CSのアニメチャンネルで「大魔王シャザーン」が放送されており、シャザーンの髪型のように髪が抜けてしまった私を見て、姉と妹が家の中で、私をシャザーンというあだ名で呼んでいた。
私の地元は、同じ町内に2つの小学校があり、中学はこの2つの小学校から生徒が集まる。
町内のスポーツクラブに入っていたので、もう1つの小学校には10人くらい知り合いがいた。
入学式の当日、廊下でクラスごとに並んで体育館に入るのを待っていた。
何かのきっかけで、私がかがんだとき、もう1つの小学校から来た男の子A君が、私に脱毛箇所があることに気が付いた。
その子は、隣にいた男の子B君に、「あいつ、ハゲてる」と耳打ちしていたが、B君は私と同じスポーツクラブに通っていた子で、事情を知っていたため、A君に「そんなこと言わなくてもいいことだよ」とやさしく諭してくれた。
脱毛が悪化し、中学入学という新しい環境下で、色んな不安をかかえていた私にとって、B君の優しさにすごく心が救われた。
両親はもう1つの小学校の子達からいじめられないか、心配していたようだったけど、
私はB君の優しさのおかげで、中学生活もなんとかなる気がした。
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