短編の続き

かけそうだったので、やってみます。


雨が降りしきる初夏の熱帯夜での出来事。


突然大きなバスが爆発した。


以前から隣町で爆破テロが続いているというニュースを耳にしていたので、すぐにそのことが頭に浮かんだ。


とてつもない音に私は目を見開きバスの方角に釘付けになった。


その中から唯一幼い子どもが出て来るのが見えた。それをみて私はすぐさま走りだした。こんなに幼い子にはとても刺激が強すぎると思ったためか、単に救いたいと思ったためか。一心不乱にその子を抱きしめた。大丈夫だとそう何度も自分にも言い聞かせるように。


だが、泣くこともなくお母さん、お母さん怖かったよって言ってる。私はお母さんじゃないと言うけれど聞かない。混乱しているだけだろうと思っていた。


自分自身も混乱する中、助けを呼ぼうと思った矢先に次の爆発があった。次の爆発はとてつもない爆発で、音と業火が広がり夜ということを忘れるほどだった


私はあまりもの音に尻もちをついてしまったが被害にあった子どもは微動だにせずに佇んでいる。火が広がりあたりが業火により明るくなり子どもと私の顔を強く照らした。


ようやく私は、"そのこと"に気づき息を殺しながら噎び泣いた。

爆風の中、木霊する断末魔の声も、連鎖する爆発の音も何も耳に入らなかった。ただひたすらに、涙を流した。

雨が降りしきる中、涙なのか雨なのかもわからくなった頃、ようやく救急隊員が駆けつけた。

救急車の中、茶色のブランケットを被せられた私はその中で酷く震えていた。

雨に打たれたことによる急激な体温変化で震えてるわけではないことを私は知っていた。

「先程、あなたが抱きしめていたお子さんが亡くなりました。」

遺族と関係者か、連絡は取れるかと色々と聞かれていたが、何も耳に入ってこなかった。

希薄な返事ばかりをくりかえし俯いていた。

正義感、心配、衝動的に動いた結果がこのような状況ということに私は自分自身の無力さ、正義を呪った。

いいことをすれば必ずいいことが返ってくるというが、今になって嘘だったように思える。あれはきっといいことをしても見返りは求めないようにという大人達の暗示だったのだろう。

でなければ、こんな結果はなかったはず。

濡れた髪から滴る雨水を眺めながらそう思っていた。



この先が出てこないのでまた考えます。

それでは

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