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緊急事態!連絡するのは、いつ?   ~訪問看護師の支援~

〈どんなことに悩んで解決してきたか〉その3

あなたのお城である在宅(家)に訪問させてもらう訪問看護。
お邪魔する看護師は、制度上、必要な時間(基本は30~90分)だけ
滞在します。

私が勤務した訪問看護事業所は、24時間のサポートをするためと、
いろいろな視点で援助ができるように、数名のチームで関わっていました。

訪問看護を始める前に勤めた病院によって、一人一人の経験が違います。
見てくることや応えてくる内容が、その日に訪問した看護師によって全く違うのでは、利用する方が困ります。

予期せぬ緊急事態に、看護師に連絡したら、なかなか通じないとか、思った返事をもらえないことになります。

私達としたら、せっかくご縁があったのに必要なお手伝いができません。
そこで、各々が訪問した時の様子を伝え合いました。

短い訪問時間に、その方にとって一番必要な看護ができるように。
訪問できない時間の緊急事態に、本人や家族から「看護師さん、困った」と発信してもらえるように。

これからの変化を予測して、
まずは、「何か変だな。と思ったら、電話をください」とお願いする。
本人や家族の「何か変」は、意外と(と言っては失礼ですが)当たっています。第六感ってあるんです。

「何か変」が示す異常が解決できることかを看護師も一緒に考えたいから。

介護に慣れてきた家族には「こんな様子があったら教えて」と、
それまで積み重ねた「何か変」が起こる前に伝える。
本人や家族と看護師が一緒に「何か変」に取り組むことで、
解決する安心も同時に一緒に経験できる。

私達が気を付けることは、誰が訪問しても同じ看護をしてくること。


病名だけでなく、年齢も性別も家族構成も、大切にしている想いも、
住んでいる環境も違う出会えた人たち。

十人十色の正解があって当然です。

その正解を探している間、私達もその方にとって何が正解かがわからない不安を抱きながら看護しています。
すごく、真剣に「これでいいのか」「違う方法はあるか」を悩みます。

一人の看護師では支えきれないことをチームみんなで支えること、
点を線にする援助を可能にしたい。

だから私は仕事の話をする時は、普段から「私は」でなく「私達は」と、
つい表現してしまいます。

看護師みんなの思いも背負っていることを意識して。

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