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大谷健の超わかりやすいつみたてNISA
資産形成するのに最適なつみたてNISAですが、どんな制度かご存知でしょうか?
老後問題とされる年金の受給額減少や、老後2000万円問題と
様々な不安が多い中、今からできることを始めようとする方が多いかと思います。
そこで投資初心者でも少額で長期的に続けやすい、つみたてNISAを、徹底的に解説していきます。
つみたてNISAとは何か?
簡単にお伝えすると投資信託です。
今までは貯蓄で補えてきた定年後の生活資金も、ここ最近の日本情勢により安定さを保てなくなりました。そこで金融庁が打ち出した個人資産形成手段のひとつが「つみたてNISA」です。貯蓄から投資へ、新たな個人での資産形成のきっかけを作ることになりました。
つみたてNISAの制度を利用している方が投資信託に毎月決まった額のお金を積み立てていき、さらに投資信託で積み立てたお金を投資先へ運用していくという流れで資産を長期形成していきます。
対象商品は金融庁が定める条件を満たしたものに限定されているので
リスクが抑えられ、投資初心者でも安心して長期資産形成ができる制度になっています。
つみたてNISAの特徴
つみたてNISAは20歳以上の日本在住の方なら誰でも始める事ができて、
年間で投資できる非課税枠は40万円となります。投資期間は20年間なので最大で800万円の運用利益を非課税で資産形成することができます。
投資期間を元々は2037年までと決められていましたが、一般NISAが期間延長したと同時につみたてNISAも2042年まで期間延長することになりました。
途中で引き出すこともできるので、続けることが不安な投資初心者でも気軽に始めることができるのではないでしょうか。
非課税枠とは何か?
非課税枠とは本来なら収入として申告し、税金がかかってしまうところを収入として申告する必要ないのでその分の税金が安くなるということです。
全ての収入に対して所得税率をかけるのではないので、まずはご自身の課税所得がどのぐらいなのかを確認してみましょう。
個人での税金の種類は所得税と住民税があり、所得税は国に支払うもので住民税は住んでいる市町村へ支払う税金です。所得税はまず、所得=収入ー経費で所得を計算し所得税=所得×税率で所得税を出すことができます。
今回の非課税枠の場合この収入に入る金額を除外し、計算するので運用利益に対しての税金が抑えられることになります。
会社員の場合は
給与-給与所得控除-控除=所得
自営業の場合は
売上-経費-青色特別控除-控除=所得
課税所得の金額を計算する方法は、会社員と自営業で違うので上記の方法でご確認下さい。会社員は経費という概念が無いため、給与所得控除が自営業の経費に当たる部分です。
課税所得金額別、所得税率はこちら
課税所得金額 税率
195万円 5%
195万円を超え 330万円以下 10%
330万円を超え 695万円以下 20%
695万円を超え 900万円以下 23%
900万円を超え 1,800万円以下 33%
通常の投資では運用利益の20.315%を収入として申告しなければいけませんがつみたてNISAの運用利益は非課税なので収入として申告する必要がありません。もし収入と合わせても非課税の場合は住民税の非課税控除も受けられるので節税というメリットがあります。
住民税非課税限度額の計算は以下で確認できます。
(東京23区の場合)
均等割 所得金額≦35万円×世帯人数+21万円
所得割 所得金額≦35万円×世帯人数+32万円
両方が非課税であれば住民税非課税が適用されます。
節税するために収入を非課税枠に抑え、働く時間を減らす主婦や学生などが多くいます。
今回のつみたてNISAでお伝えした非課税枠40万円というのは投資を行うと利益に対して通常20.315%が課税されますが、非課税なので課税の対象から外れて節税しながら資産形成をすることができます。
つみたてNISAのメリット
つみたてNISAの最大のメリットは非課税での運用が可能な点になります。
通常の投資では株式や投資信託で得た利益の20.315%を税金で納める必要がありましたがNISAでは得た利益が非課税になるというメリットがあります。
基本的に投資というものは短期で利益をあげようとするとどうしても難易度が上がってしまいますがつみたてNISAの非課税期間は運用を始めてから20年という期間で積立をしていくので、長期資産形成には最適です。
そして投資先は金融庁の定めている基準を満たしている商品のみとなりますのでリスクが抑えられ、初心者も安心して始めることができる投資だと言えます。
つみたてNISAのデメリット
非課税での運用が可能な点や、初心者の長期資産形成にはとても最適なつみたてNISA。しかし、投資という性質上当然ながらデメリットもあります。
金融庁の基準を満たしている投資先なので通常よりリスクは抑えられますが、元本割れの可能性もあるので20年間つみたてNISAを続けて引き出した際に、資産が減っていることがあるのも覚えておきましょう。
そして毎月一定の金額で買付をしていく『ドルコスト平均法』という投資の方法がありますが含み損が続き途中で運用をやめてしまうと損をしてしまうケースもあるので注意が必要です。
ドルコスト平均法とは?
投資の買付方法は定量購入方法とドルコスト平均法があります。
定量購入方法とは金額に関わらず決めた口数を買い付けする方法で株価が上がった場合は投資金額も上がり、株価が下がった場合は投資金額も下がります。一定数の口数を買い付けることができますが、その反面で金額がバラバラな為に長く続ける場合は投資する金額に余裕が必要です。
ドルコスト平均法は一ヶ月で決まった金額で購入できる分だけ買い付けます。例えば月に1万円の範囲内で積み立てをするとして1月に10口購入できて、2月には株価が上がった為に8口しか買い付けできなかったが、3月には株価が下がった為に15口購入できたとします。
この場合、株価が下がると買い付けする数が増えるので長期資産形成を行い、多くの口数を買い付けることができれば、安定した運用利益を得ることが出来ます。
期間満了したらどうすればいい?
非課税期間の20年までコツコツと運用したとしても対象の期間後の運用方法も考えておかなければなりません。売却か再投資か課税口座に移管です。
売却すると運用する必要がないのでそのまま現金として保有することができますが、課税口座に移管する場合は金額によっては税金がかかってしまうことがあるので注意が必要です。
また、つみたてNISAの期間がまだ終了していなければ、再びつみたてNISAで運用することも可能となります。
つみたてNISAをなんとなく始めるのではなく先のことも見据えて運用していくのが大切です。
まとめ
・つみたてNISAは少額で長期的に資産形成できる制度
・つみたてNISAの特徴は節税しながらできる投資信託
・非課税枠は年間40万円で20年間有効
・つみたてNISAのメリットはリスクを抑えて非課税で資産形成できる
・つみたてNISAのデメリットは投資の為、損をすることもある
・ドルコスト平均法とは毎月決まった額の範囲内で運用すること
・期間満了したら再投資か売却
ここまでつみたてNISAについてお伝えしました。対象商品は金融庁の基準にを満たした商品のみなのでリスクを抑えることができ、長期的に非課税で資産形成ができるのでコスト面でも安心できる制度です。
投資初心者でも気軽に始められるつみたてNISAを始めて将来の生活をより豊かなものにしていきましょう。