4章 誰が動物の代弁者たり得るのだろうか
これまで、社会契約説に則って動物の権利が成立するのかどうかについて先人たる哲学者や倫理学者たちが行ってきた議論を元に整理を行ってきた。
動物は人間と同様の水準・方法でコミュニケーションを取ることが叶わないため、自らの権利を主張するために声をあげたり、議会に対して働きかけを行うことなど、目的達成のための能動的なアクションをすることができない。たとえば、動物たちは人間の道徳感情、倫理感情に対して彼らなりの方法(潤んだ瞳で飼い主を見つめる消費者金融アイフルのCMを覚えている人も