見出し画像

その名の通りの「ひとり情シス」

社会人4年目終わり、6ヶ月前に3度目の転職をした。今まで転々と業種や業界を渡り歩いてきて、職務経歴書の実績よりも経歴の方が色濃いわたしの、最後とも思えるポテンシャル採用だったと思う。IT、教育、貿易商社、日本企業、外資系さまざまな環境を経て、最も身を置きたい場所はITだと思って帰ってきた。継続してきた今でも選択はあながち間違っていないと思う。これからも職業としてのITは続けてみたい。純粋に心から楽しんでやりたい仕事があるとしたら今の環境は違うかもしれないけど。

一昨日とあるニュースを聞いた。今のわたしにとっては悲しいお知らせだった。わたしの上司が会社を辞めてしまうようだった。Teamsでちょっといいですか?と上司から連絡がくることなんて今までほとんどなかった。いつも何かの前触れがあった。会議終わりに補足したい、ちょっといいですか?とか。

身構えた。わたしがコロナ明けだったから、休みすぎてよくなかったかもしれないと1番最初に思ったけど、すぐにそんな気持ち打ち消された。その内容で何かを言うような人ではない。まさか退職かも、と思ってCallに出たわたしは、そのまさかが起きることをすぐには信じられなかった。けど、やっぱり!!!やっぱりそうだ〜〜あ〜〜!!と直接上司に言っていた。それをきいて少しオドオドして、何でわかったんですか?と驚いていた。わたしは上司がなんとなく今目の前の仕事にしっかり取り組むのではなく、もしかして他の何か、転職活動をしているのかもしれないんじゃないかって思っていた節があったから。

上司、来週の金曜日にやめてしまう。あと2週間。日本の法律では2週間前に退職しますと言えば何も問題ないんだっけ。そんなこと無理だと思ってしまった。半年たったけど、彼がいなくなってしまったら仕事がしにくくなる。2週間で今後の仕事がスムーズになるように、吸収するなんて短すぎると思ってしまう。だって半年でこの有様だ。まだ一人前じゃない。

なんとなく、積極的に日本のメンバーにこの状態を伝えるように動いた。わたしが所属している部門はわたしひとり、俗に言うひとり情シスの文字通りのひとりぼっちだ。別の国の同じ部門の人がわたしの上司だった。だから日本のメンバーはこのことを知らなかった。

普段よく関わっている別の部門の方が励ましてくれた。最初は別件で話していたけど、他の誰にも話を聞かれない場所にいたから、わたしが話をしたくで議題にあげた。休日にカフェで仕事の相談をしているときのような感覚になって、気づいたら3時間くらい話をしていた。メモに残して置きたい大事な視点や考え方がたくさんあったけれど、あいにくメモしていない。言葉ではなく感覚が、わたしにはこの状況を乗り越えられると信じてくれていた姿勢がじんわりと体に残っていた。次の一歩を踏み出すような一時の力技じゃなく、心の奥底からコンコンと溢れてくる力を与えてもらったような気がした。

自分への声かけが大事なのだと思う。これがチャンスだと定義してしまうなら、わたしは今どんな考え方ができるだろう?ひとりになることで逆に仕事ができるとするなら?なんて自分1人じゃ考えられなかったけど、そう考えないと前に進めない。停滞か後退のどちらかだ。なんだか面白くなってきたぞ。満点じゃなくてもいいじゃないか、なんとかやってやろうじゃないか。上司とは違う人にも連絡してみればいいじゃん。ひとりで仕事が成し遂げられたらそれは大きな成果になるかもしれない、と。業務一覧表をみて、自分があと何の情報を得ていたら自分の責務を全うできるのか考えて、上司とのMTGをする時間をたんと設けるつもりだ。

いまはまだ不安が強い、正直ひとりになったらもっと不安が大きくなるんじゃないかと思う。自分の能力は足りないんじゃないか、役不足と思われるんじゃないかと周りの目を気にしてしまいそうだ。だから、自分が考えられるあらゆることを自分のためにやってあげて、笑顔で上司の最終出社日を迎えたい。わたしはひとりでも大丈夫。周りの人たちのサポートを受けてなんとか頑張って見るよって伝えられたらいい。

今は本当にとても寂しい。今あるものを、大事だと思っていたものを失うことはいつもつらい。失うときに、失ってからいつも気づく。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集