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Z世代は「推しの風土」で生きている!?
もう、「推し、燃ゆ」だけではありません。
Instagarm上で、グラスに自分の推しの名前を書いた「#推しグラス」の投稿数は15,000件、「#推しのいる生活」では690,000件を優に超えています。
さらにTwitterのトレンドにはアイドルやアニメキャラ、Youtuberなどさまざまな "推し" が目白押しなのが、この2021年。
もはや単なるアイドル文化ではなく一つのエンタメ領域と言えるほどの勢いで成長する "推し市場" 、そこにはなくてはならない重要な存在があります。
そう、 ”Z世代” です。
ここ【オタラボZ】では、そんなZ世代のエンタメ情報やリサーチ情報を更新しています。
今回は、Z世代と切っても切れない関係にある ”推し” を主題に、
エンターテイメントプロデュースの参考になる情報をお届けしていきます!お届けするのは、1997年生まれで自身もZ世代の 岸本たくみ。
TwitterではZ世代実況レポーターとしてZ世代カルチャーやソーシャルメディアにまつわる情報を発信中です!
『Z世代のインサイトを探りたい』
『Z世代をターゲットとしたプロダクト制作の参考にしたい』
そんな方は、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
では早速、Z世代の概要から本題を始めていきたいと思います!
1. Z世代の概要とは?
ミレニアル世代に次ぐZ世代は、1996年以降に生まれた世代を指します。
幼少期からインターネットに馴染み、SNSをはじめとするデジタル領域の知見を今までの世代にないほど備えています。
また「10代女性のSNS利用実態(memedays)」「Z総研の調査」からは、Z世代女子の約6割がSNSを推しの応援目的に利用していることやZ世代の8割以上に推しがいることが分かっており、推し深い関わりを持った世代ともいえます。
冒頭で示した「#推しグラス」もZ世代発のトレンドであり、Z世代発の推し消費から一つのエンタメ市場さらには経済圏が生まれているといっても過言ではありません。
以下では『Z世代は推しを掛け持ちするのか?』というテーマをピックアップ。「Z世代×推し」という深い関わりのある対象をかけ合わせたことで、結果としてかなり興味深いZ世代の特徴を導き出すことができました!
2. 推しとの関わりにみる、Z世代のインサイト
そもそも、なぜZ世代は推しを持ち「#推しグラス」などのかたちで自身の推しの存在を表明するのでしょうか?
ここではまず「Z世代が推しを持つモチベーション」から探っていきたいと思います。
電通若者研究部の調査によると、「かっこいい」の基準には明確なスタンスを備えているかどうかが指標になるといいます。垢抜けた『かっこよさ』はその人への尊敬の念として心を動かし、やがては "推し" につながります。
サイバー・バズ インフルエンサーサービス局マネージャー海野 萌氏の見解でもSNSの嗜好傾向が「人柄重視型」にシフトしていることがうかがえ、このことは多くの場合に ”推し” が特定の個人を指すことを裏付けています。
そうした一人の尊敬できる "推し" を持つことでアイデンティティを得て、間接的に自身のスタンスを生み出すことが可能となります。
明白な意見を持った「かっこいい」推しを持つことで間接的にスタンス(=個性)を備えることができれば、世間体も個性も重視するZ世代の二面的な承認欲求を一挙に満たすことができます。
このような情緒的価値こそが、Z世代が推しを持つモチベーションになっていると考えられます。
3. そんなZ世代、推しの掛け持ちはOK?
スタンスを持ったかっこいい推しを応援することで個性を発露させるZ世代。デジタルとリアルを往復することから(Z世代の僕自身も)比較的淡白な友人関係にあると考えられるため、推しの掛け持ちについては次のような仮定を持たせました。
淡白な友人関係
▼
人間関係に亀裂を入れないためにも、掛け持ちは表面的には受け入れる
▼
でも、自分の大切な推しを半端な気持ちで応援するさまを前にすると、
深層的にはかなりネガティブな感情を持つ
検証のため、星野みなみさん(乃木坂46)を熱烈に推す2001年生まれのZ世代現役男子大学生Kさんにインタビューで確認してみたところ...
『そこまで他人の "推し方” に注意を払わないし、僕や他の乃木坂ファンでも姉妹グループに別の推しがいる』とのことでした。
Kさん曰く、『夢女子や同担拒否などは一部の熱狂的ファンに過ぎず、web記事やSNSでよく目にするものはかなり極端な推し方』と見ているそうです。
大学生のKさんはライブ遠征や新曲公開のタイミングで月に3〜40,000円を使い込む時があれば、数千円という月も往々にしてあるそう。
また、『ファンが長年培ってきた "推しの風土" はアイドルグループによってさまざま。僕の周りの乃木坂ファンにはリベラルな考え方が目立つだけで、他のファン層やアイドルグループだと全く違う風潮なのかもしれない』とも強調していました。
推しの掛け持ちに対しての仮説はKさんが身を置くファンコミュニティだと違ったようでしたが、
『妹キャラのみなみちゃん(星野みなみさん)を推す時は、お兄ちゃんのような眼差しで見守っている。推すことを通じて自分の新たな個性を感じられる』との回答も。
ここから、「2. 推しとの関わりにみる、Z世代のインサイト」でみた推しを通じた個性の発露が表れています。
4. まとめ
推しと深い関わりを持ったZ世代。
「かっこいい」と思えるスタンスの有無が推しにできるかの指標であり、
推しをお兄ちゃんのような眼差しで見守るKさんの様子からは、推しを持つことで自身にアイデンティティを付すことができるようです。
世間体のみならず個性を重視するZ世代は、そうしたモチベーションから推しを持つと考えられます。
また、ソーシャルネイティブであるがゆえの淡白な友人関係は、
Kさんが身を置くファンコミュニティでは "推しの掛け持ち" に深い関わりはありませんでした。
しかし、今までの世代と比べかなり異質なZ世代であれ、ファンコミュニティ上では築き上げられた推しの風土に合わせて振る舞うさまがうかがえます。
Z世代はリモートワークや副業など既存の働き方とは違った自由なスタイルを好む傾向にあり、その指導方法が指南されるほどの存在です。それにもかかわらず、"推しの風土" には違和感なく馴染むという矛盾が見られました。
ここから、Z世代と推しの新たな関わり方が見えるようで、非常に興味深い点だといえます!
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