OTAKU交流ファイル Vol.9 南沙織 CDアルバムをご購入のアメリカ人(男性/40代後半)
私は南沙織がデビューしてまもなく、ファンになりました。
私は日系三世のアメリカ人です。ですが、他の三世の方々より日本との関わりが深いと思います。というのも私の父はハワイで生まれて日本で育った帰米二世で、母は広島出身なのです。私はハワイで生まれましたので、父側の家系でいうと三世になります。
1971年6月、私は両親と共に広島の親戚の所に行きました。ちょうどその頃南沙織がデビューしました。この旅行で、私は日本やいとこが体験している日本文化にとても興味を持ちました。旅行から帰った後、母が友人に借りてきた日本の雑誌をボーッと読んでいると、南沙織が載っていました。私は一目で彼女のファンになりました。その後私は彼女の情報を雑誌などからできる限り集めました。(『平凡』という雑誌があったのを憶えています)当時、日本のラジオ番組を聞いていました。(そのころハワイには2つの日本のラジオ局がありました)そこではじめて彼女の歌(17才、潮風のメロディ、友達、純潔etc)を聞きました。
お小遣いをためて、ハワイにある"シロキヤ"という日本のデパート(東急のチェーン)で彼女のレコードを買いました。高校から大学にかけて彼女の曲をよく聴いていました。(1971-1977年頃)私は彼女のアルバム、シングルをコレクションしました(特に初期のもの)。ところが時が過ぎ、Deluxe album以外のコレクションを失くしてしまったのです。
話は変わりますが、私が彼女を好きになった理由のひとつに彼女が沖縄出身だという事があげられます(ハワイに風土や環境が似ているので)。彼女は英語も話せますし、外見もハワイの日系の女の子に似ています。沙織の方がかわいいですが(個人的には)。
3年前にパソコンを買って、インターネットをはじめました。青春時代の思い出に失くしてしまったコレクションを集めはじめました。ですが、私は簡単な日本語しか読めないので、在庫があるようなページを見つけても注文方法がわからずに困っていました。そして、最近貴社のサイトを見つけ注文したのです。私が今一番欲しいCDは3年前くらいに発売された"Anthology"というタイトルのものです。去年日本に言った際に、探しましたがどこでも売り切れでした。代わりに"ゴールデンJ-POP THE BEST"を買いました。
(2006年のメッセージ)
OTAKU SPECIALIST's voice
ハワイ育ちの日系人の中学生が日本の親戚の家で偶然みた雑誌。そこには彼と境遇が似ている美少女が笑っていた。うーーん、青春だなあ。これもある種「出逢い」ですよね。人でもモノでも僕たちは生きている間に様々な出逢いがあって、それによって人格が形成されていく。彼にとっては南沙織との出逢いは必然だったのでしょう、きっと。皆さんもありませんか?後で考えてみると「ああ、あの出逢いは運命だったな」って事。
僕もこれまでにたくさんの日系の人やハーフの人達と会った事がありますが、彼らは僕みたいな普通の日本人よりも自分のアイデンティティに対して探究心があります。日本の法律ではハーフの人や外国で生まれた人の場合は20歳までは(日本/外国)の二重国籍の状態になっていて、20歳になった時に自分の国籍を決めるようになっていると思ったけど、その決断の瞬間やそれまでのプロセスっていうのは僕らには絶対にわからない大きな決断なんだろうな。
※この『OTAKU交流ファイル』で紹介しているメッセージは実際に外国のお客様からもらったものを日本語に訳して紹介しています。2006年から2015年くらいまでブログで書いていたものをリライトしています。