2018.04.27
中でわーわー話していたら、店の前でウロウロしながら店頭のポスターや順位表を眺めている男性がいた。
僕は外に出ていつものように、サッカー好きなんですか? と声をかけた。「まあねえ」と、満更でもない様子で答えるのを見て、一瞬で県外の方だとわかった。なので、どこのサポーターさんなんです? とさらに畳み掛けると、「レノファ」と。
おおー山口さんですか。ちょっと見せたいものがあるから入って入って、と、強引に誘い入れて貼ってある2014のポスターの前に立たせた。
この時、1勝1敗でね。まあ、内容的には圧倒されてましたけどね。そしてレノファさんは4位でj3へ。うちは3位で残留。
1年遅れでやっと上がったら、レノファさんはJ2へ。あれは悔しくて嬉しかったですよ。僕らもやっていけるかもって自信になりましたもん。
そんな話をすると男性は乗ってきて、今年のレノファは調子いいんだよ、知ってるか?と。
ならばと僕は今度は2017と2018の名鑑をテーブルに広げて選手談義。吉満選手は鹿児島出身なんすよ? ええそうなの?知らなかったなぁ、とか言いながら。
聞けばその男性、定年の記念旅行で鹿児島に来たらしい。僕が名刺を渡すと、そう言いながら名刺がないのを詫びた。
名刺がないのはなんかちょっとさみしい。そう思ってしまう人は多い。そしてそういう人は仕事を頑張ってきた人だということを僕は知っている。
僕は言った。
サッカー好きの世界にいると、どうせまたどこかで会うもんなんですよ。だからあなたともたぶんまたいつかどこかで会うんです。鴨池かもしれないし、維新かもしれないし新しく出来る国立かもしれないし。というわけでまたどこかでお会いしましょう。
男性は照れくさそうに会釈して向こうに消えた。
2時間後。
店の電話が鳴った。バタバタしながらも、電話に出ると先の男性だった。男性は言った。
「わかりますか?さっきの山口の、ですが。そうレノファの...」
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