宮崎駿の最高傑作『On Your Mark』解説[後編]
岡田斗司夫です。
今日は、ニコ生「岡田斗司夫ゼミ」2019/12/11配信分のテキスト全文をお届けします。
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本日のお題と前回のお詫び
こんばんは、岡田斗司夫ゼミです。
本日は、予定していた『機動戦士ガンダム』講座を変更して、日曜日にやった『On Your Mark』の話が時間内に全て入らなかったので、その続きのレベル4からレベル6までをやろうと思っているんですけど。
だいたいね、日曜日のレベル3までで「絶対話さなきゃ」という部分はほとんど語ってるんですよ。ここから先は「じゃあ、より深く行くよ?」というやつになるので、まあ、全体的に短く、全部で30分くらいの尺になるかと思います。
基本的に、ガンダム講座の枠を使ってやるので、僕が目指しているのは、無料で15分、限定で15分、あとは放課後プレミアムで10分くらいというふうな感じで考えているんですけど。
「もし、それに収まらなかったら」という場合のことを考えて、枠の方は多目にとってますけど、気にしないでください。
では、行きましょう。
ちょっとこれは前説というか、世間話なんですけど。
ツイッターを見てたら、CHAGE&ASKAのアスカさんに、ツイッターで垂れ込むヤツが多くて困っているんです。
「岡田斗司夫さんがアスカさんのことを取り上げてます!」とか「『On Your Mark』のことを語ってますよ!」というふうに、わざわざニコ生とかYouTubeのリンクを貼って、アスカさんに送っている野郎がいて。もう本当に「やめて、やめて、やめて、やめて……!」という気分で。
いや、別に聞かれて困るような話はしてないんだけども。恥ずかしいんですよ、とにかくそういうのは。
なので、ちょっとそれは恥ずかしかったなと思いました。
あと、前回のお詫びなんですけど。
前回、フリップが見つからなかった箇所で言いたかったのは、要するにこれなんですね。
レベル3で話したことなんですけど。だから、無料でしか見てない人は何のこっちゃと思うかもわかりませんけども。
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【画像】翼の生えた少女と死んだ少女 © 1995 Studio Ghibli
前回レベル3で話してた翼の生えた少女。「この天使の女の子が本当は存在しないかもしれない」というような話をして、それはなぜかと言うと「現実で、自分たちが撃ち殺してしまった教団の女の子が気になったからだ」と。
「こんな、まだ小さい女の子を殺してしまった。その子は教団のダブダブの服を着ていた。それをひっぱり上げた時に、翼に見えた」ということで、「このシーンの絵コンテを見ると、ちゃんとこの位置を持ち上げると指示があって、全く同じような構図に描いてある」という説明をしたんですけど。
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【画像】翼の生えた少女コンテ © 1995 Studio Ghibli
この説明をした時に、フリップが見つからなくて、皆さんには大変ご迷惑をおかけしましたというか、3分くらいゴチャゴチャやってて見つからなかったんですけども。そこだけ、ちょっとお詫びを最初にしておこうと思います。
というわけで、皆さんは脳内で今のフリップを補完していただければ、ありがたいと思います。
じゃあ、今日は、今のところ唯一の「ジブリ実験劇場」と銘打たれた作品である『On Your Mark』を取り上げようと思います。
『On Your Mark』というのは、チャゲ&アスカ側の依頼でスタジオジブリが引き受けたアニメ作品で「歌詞の内容をわざと曲解して作った」と宮崎さんは語っています。悪意の塊であるというふうに宮崎さんは語ってるんですね。
それはどういう意味か? レベル1からレベル6まで、徐々に奥深くまで解説しますけど。読み解いて行く中でレベルが1つ進むごとに、前のレベルでの話をちょっとひっくり返すような内容になっています。ここだけ、ご注意ください。
今日はレベル4からです。じゃあ、レベル4に行きましょうか。
ニーチェの「永劫回帰」とは
「レベル4は永劫回帰というのがテーマだ」と、前回、話しました。
永劫回帰という言葉は、哲学者のニーチェが作った言葉と言われています。
「普通の人間は1つの出来事が一度だけ起こる」と。まあ、そりゃそうなんですよ。「一度、起きたことはもう元には戻らない」ということなんですけども。ところが、ニーチェは「超人、超人的な意思を持っている人間は、同じ瞬間を何度でも永遠に繰り返す」というふうに言ってるんですね。
よく「同じ瞬間を何度でも永遠に繰り返す」と言うと、「それは、同じループに囚われてる」とか「人間はそのループから抜け出せなければいけない」というふうに考えちゃうんですけど。ニーチェの言う超人は違うんですよ。彼が言っているのは「そのループから抜け出すことを目指さずに、過去とか、自分の選択の全てを受け入れる。否定しない」と。それが、ニーチェの考える超人なんですね。
「ついつい、凡人というのは、同じことの繰り返しから抜け出そうとしてしまうんだけど、超人というのは違う」と。「そうではなく、同じことを繰り返すこと、自分の中で一度起きたことを、頭の中で何度も何度も経験する。それが超人である」と言っているんです。
これは『On Your Mark』のリフレインの直後の部分の絵コンテなんですけど。
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【画像】コンテに「永劫回帰シーン」 © 1995 Studio Ghibli
ここには、わざわざ「永劫回帰シーン」というふうに書いてあるんですね。
宮崎駿というのは、もちろん、ニーチェの言葉を知っている教養のある人です。では、なぜ、ここで「永劫回帰」と書いたのか? だって『On Your Mark』というアニメの自体は、永劫回帰じゃないんですよ。
逆なんですね。曲がリフレインするたびに、少しずつ結果が違って行く。レベル1で解説した通り「何かまずいことがあったら、次にやり直して、次にやり直してと、諦めずに繰り返すことによって、最後は天使の女の子を大空に返す事が出来た」という、良い話として紹介しているんですよね。
しかし、そうではなくて、宮崎駿が描こうとしたのは、ここに「永劫回帰」とあることからもわかる通り、「同じことを何度も繰り返すことを肯定している話」なんですよね。
作品に入ってくる「アーティスト」という現実
じゃあ、まず最初に、レベル2で軽く触れたシーンを、もう一度、見返してみたいと思います。
2つのシーンを見てほしいんですけど。
これは、ハッキングするアスカ。女の子を助けるために、パソコンから、地図なのか何なのかわからないですけど、ハッキングしています。
(パネルを見せる)
【画像】アスカとチャゲ © 1995 Studio Ghibli
これは、チャゲが女の子を助けるための電子部品を、ハンダ付けか何かして組み立てています。
この2つのカットは「いよいよ反撃を開始するぞ!」という準備のシーンなんですけど。不自然なんですよね。
何が不自然かと言うと、前回も紹介したように、この直前の2人で居酒屋で飲んでいるシーンでは、背景に「塩サバ(合成)」とか「バイオ蛸酢」というメニュー表が描いてあるんです。
(パネルを見せる)
【画像】居酒屋の二人 © 1995 Studio Ghibli
つまり、「この地球というのは、もう既に放射能に汚染されて、生物が住めない世界になっている。そんな生物の住めない世界に、花束とかワインがあるはずがない」というのが、この間、説明しました。
おまけに「あんな、施設に突入して人を殺すような警官に、ファンレターが来るはずがない」と。アスカの机の左側にある花束には、真ん中にちゃんとファンレターが入ってるんですけども。
他にも、リボン付きのプレゼントが、アスカの机にはズラリと並んでいる。チャゲのところにも、ちゃんとリボン付きのプレゼントあるんですよ。
こういうリボン付きのプレゼントや高級なお酒をファンから貰うような日常であれば、安い酒場で、2人でグダグダ飲むはずがないんですね。
じゃあ、こちらのハンダ付けをしているチャゲのカットから検証してみましょう。
さっきも言ったように右にプレゼントがあるんですけど、この左側の黒いところ、かなり暗くてよく見えないんですよね。しかし、これは映画館とかコンサート会場でフィルム上映している時には、ちゃんと見えていたんです。
では、そこに何が描いてあるのか? これ、映像だけ見てもわからないので、画像をちょっと修正して、明るさを上げて、コントラストをやや強くしてみました。
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【画像】ギター © 1995 Studio Ghibli
そうすると何が見えるのかと言うと。チャゲの左肩の部分、ここにある塊は、よく見るとギターなんですよ。
アニメの中でこういうことがあると、「CHAGE&ASKAはロックスターだから、遊びで入れたんじゃないか?」って考える人もいると思うんですけども。宮崎駿って、こういう絵的な遊びが大嫌いな人なんですね。アニメーターが勝手にそういうことをやると、わりと怒る。「画面内には意味があるものしか入れるな!」と考える人なんです。
なので、画面内に描かれているものは、もちろん、「宮崎駿が入れたいから、指示して描かせている」わけですよ。
このカットにも、さっき話した通り、アスカと同じように、ワインもあればプレゼントもあり、このマグカップには「CHAGE」って書いてあるんです。
もうちょっとハッキリ、これがなんなのかわかるのが、アスカのカットです。
後ろの机にはズラリと並ぶプレゼント、花束、高価なお酒。つまり、このシーンでは、どちらかというと警官ではないんですね。「警官のアスカ」という夢の中。
レベル3で説明した通り、この『On Your Mark』というのは、夢や妄想の世界なんですけど、その世界の中に、ミュージシャンとしてのチャゲ&アスカの日常、現実が侵食してきているんですよね。ミュージックビデオの中でチャゲとアスカが扮するキャラクターの中に、いつの間にか、現実の本人達が侵略してきているシーンなんです。
それがよりわかるのが、このシーンの導入部のカット。「丸窓の外からアスカの部屋を覗く」というシーンなんです。
映画には、場面転換の時に使う技法として「アイリスイン」「アイリスアウト」というものがあります。
アイリスインというのは「画面の真ん中から丸いのがグーッと広がって、次の場面に変わる」こと。アイリスアウトは「画面の外から黒いのグーッと寄ってきて、どんどん小さい円になって行き、最後は真っ黒な画面になってしまう」ことを言うんですけども。
こういう、アイリスイン、アイリスアウトというのは「これは、映画のレンズで撮っている虚構の世界ですよ?」というメタファーの時によく使われるんですね。「この話は作り話である」ということを、わざわざ映像の中で強調する時に、このアイリスイン、アイリスアウトというのを使うんです。
まあ、これはあくまでも丸窓だから、そこまで考えなくてもいいかもわからないですけど。そういう構図と窓をわざわざ使ってるわけですね。
レベル1からレベル3の間に、いくつもの「これが本当のチャゲアスなんだ。これが本当の主人公なんだ」というのが何度も提示されました。
例えば、「天使を空に逃がすことは出来たんだけど、そのまま外の道路で放射能に侵されて死んで行くチャゲアス」というのが提示されたり。「天使が逃がすことが出来ずに、一緒にトラックごと3人で落ちてしまうチャゲアス」というのが出てきたり。「天使を奪い返したんだけども、奪い返した天使はすでに死んでいた」というチャゲアスも出てきました。
または「居酒屋で酒を飲みながら天使を奪い返すという妄想だけをひたすら繰り返す」というチャゲアスというのも出てきました。「そもそも天使は存在せず、仕事で殺人を繰り返すだけ」というチャゲアスも、レベル3で解説しました。
それどころか、最後には「単なる原発作業員で、警官ですらないチャゲアス」というのも登場しています。
しかし、このレベル4では、もう1段、その奥を見るんです。
普通、「じゃあ、本当のチャゲアスはどれなんだろう?」とか「本当のストーリーどれなんだろう?」って考えるんですけど。もちろん、本当のチャゲアスというのはJ-POPスターなんですね。
本当の彼らはロックスターであって、でも、歌の中では、最下層の警察官を演じたり、貧乏な若者や、満たされない恋に悩む男のフリをして歌っている、「嘘つき」って言ったら悪いんですけど、単なるアーティストなわけです。
でも、これは何もチャゲアスだけでなくて、スターはみんな同じだし、クリエイターもみんな同じなわけですね。
お笑い芸人だって、年収が1千万とか2千万を超えてる人が、わざわざ「来年から吉本興業に交通費をカットされた」ってシンドそうに言うんですけど。「そんなもん、シンドいはずがねえだろ、お前!」って思うんですけど。でも、スーパースターというのは、庶民感覚みたいなものを出すべきだから、そういうふうに言うんです。
アーティストというのは、やっぱり、自分が貧乏だった時のことを思い出したり、自分が失恋した時のことを思い出して、今現在どんなに成功していようとも、その当時の気分というのを歌って共感を呼ぶわけなんですよ。
すでに大成功したロック歌手であり、普通の人の何百倍も稼いでいるチャゲアスは、宮崎駿にコンサート用の映像を注文した時、「2500万かかる」と言われたんだけど、「ああ、出せますよ」と言ったそうですし、「やっぱり5000万かかる」と後で言われた時も、「ああ、全然大丈夫です。出せます」と。なんか、こういう関係にあるんですけど。
でも、歌っている曲自体では「On Your Mark それでも僕らが止めないのは、夢の斜面見上げて、行けそうな気がするから~♪」という、満たされない、現状に不満のある人の気持ちを、やっぱりどうしても歌っちゃうんですね。
そういう構造そのものを映像化すると、これになるわけですね。
だからこそ、ハッキングしている時のアスカの表情が余裕な感じになっちゃうんですよ。
本来、ここって、もっと真面目な表情で描かなきゃいけないんです。困ってる女の子を助けようとしているんだから、もっと困ったような顔を描かなきゃいけないのに、宮崎駿は、ちょっと背を反らした状態で、タバコ片手に、目つきも完全に余裕がある感じに描いている。このシーンのアスカの描き方って、すごい悪意があるんですよね。
「花束やプレゼント、酒やファンレターに囲まれて、余裕の表情で、やや見下ろすようにモニターを見ている」という描き方をしちゃってるんですよ。
さらに、こっちの丸窓のカットでは、机の上の花束がさらに強調されてるんですね。手前に置いてるから余計に目立つんですよ。
パソコンのモニターの上にも不思議なものが乗っています。
このパソコンの上に乗っかっている不思議なものというのは、次のカットに切り替わるともっとよくわかるんですね。これです。わかりますね? 赤い服を来たウサギのマスコットです。
これもやっぱり変なんですよ。明らかに意味のある置き方をしているんだけど、説明していないんですね。
この赤いウサギは、真っ直ぐアスカの方を見ているんですけど、アスカの方は目線がモニターの方に行っているので、このウサギとは目が合わない。ウサギはアスカを見ているんだけど、アスカはウサギを見ていない。
「このウサギは何か?」ということで、最初は僕も、ウサギが象徴するものとかを普通に調べていたんです。赤い服を着たウサギというと、一応、キリスト教には復活祭のウサギというのがあって、赤というのはキリストの血を意味しているんですね。復活祭の時のちょっとしたイベントで、裁判官みたいな人が「この子は良い子かどうか?」と判断するという、いわゆる「悪い子はいねえか?」みたいなイベントがあるんですけど。この時の裁判官が赤い服を着たウサギだと言われています。
だけど、これとは違うんですよね。なんか、キリスト教のシンボルとかではなくて、もっとシンプルなことを言うために、このウサギは描かれている。でないと、こんなに目立つところに置かないんですよね。
英語圏でウサギというのは「健康さ」や「若さ」みたいなものを象徴するんですけど。普通、赤い服を着たウサギというのは「若い女の子」を象徴するというふうになっているんですよ。
つまり、これ、シンプルに、服の色が赤なのは女性であることの説明であって、つまり、このウサギというのはチャゲアスの女性ファン、特にアスカの女性ファンを意味している、と。「コンサート会場で、2人を見ているファンなんだ」という解釈でいけると思います。
そんなウサギを真正面に置いていて、目が合っていないのは「コンサート会場では、何万という女の子が、アスカをじーっと見ているんだけど、それに対してアスカは目が合ってない。ウサギの存在を忘れて、今、自分がやりたいことに熱中している」ということなんですよ。
つまり、さっきも話した通り、このシーンでは「作品内にチャゲ&アスカというアーティストの現実が、どんどん侵略してきている様子」を描いているんですよね。
これは、女の子を救い出すシーンですね。
(パネルを見せる)
【画像】レーザーセンサー © 1995 Studio Ghibli
レーザーセンサーがバーッと走っているんですけど。これも、絵コンテ見るとわざわざ「イベント会場のようにレーザー光が飛び交っている」というふうに書いてあるんですね。
【画像】レーザーコンテ
このシーンも、やっぱり宮崎駿にしてみたら、リアルなレーザーセンサーではないんです。ここは、もちろんレーザーセンサーを開放するシーンなんですけど、同時に、これはチャゲ&アスカのコンサート会場で掛けるための映像として作られたものですから、コンサート会場であることが暗示されるように作っているんですね。
だから、この回のチャゲ&アスカのコンサートはすごかったと思います。だって、目の前でチャゲアスが歌ってて、その奥ではこの映像が掛かってるわけですから。
やっぱり、90年代のJ-POPアーティストのコンサートだから、本当にレーザー光線全盛期なんですね。そんな中に、こういうシーンをわざわざ入れるというのは、もう完全に、そのコンサート会場も同時に表そうとしているというのが、ちゃんとわかるようにやっているんです。
「すべて現実」という胡蝶の夢
で、まあ、悪い言い方をするならば、「J-POPのスター様が、貧乏な若者を気取ってお話を作っている。本当はセレブのくせに、仕事の後はラブレター付きの花束をもらっているくせに」という話なんですけど。
しかし、宮崎駿というのは、そういう低レベルの批判をする人ではないんですね。チャゲアスをバカにしたりしているわけではないんです。
例えば、『紅の豚』で自分の分身を出す時には豚として描いたり、後に『千と千尋』に自分を出す時は釜爺として描いたりとか、自分のことすらも、やっぱり悪意を持って描く人なんですよ。
別に他人のことだから「儲けやがって! 女の子にキャーキャー言われやがって!」という悪意で描いているというわけではなくて。ここでは、クリエイター全般の持つ欺瞞性というか虚構性というのを、ちゃんと出そうとしているんですね。
クリエイターというのは、いつも自分の都合のいい夢を見る。それが実際にどんな状態であったとしても。見ている人が一番共感してくれるような可哀想な状態や、純粋な状態の主人公を作り、それを自分の分身のように描いて、そうやってお話を作っていって、共感してもらって喜ぶ。そういうふうに描いちゃうわけですね。
この『On Your Mark』って、劇場で公開された時は、もともと『耳をすませば』というアニメの併映作品だったんですよ。その『耳をすませば』の中で、宮崎駿は「ヒロインの雫という中学生の女の子に、ギリギリ色目を使わないんだけど、なぜかやたら仲が良いじいさん」という、まあ、本当に、描き方を1つ間違えたら、間違いなくエロジジイみたいなキャラクターとして出て来るんですけど。
これも、やっぱり自分の理想の投影なんですよね。「自分も、こんなふうに、枯れた、何の下心もないじいさんみたいな感じで、女子中学生から頼られて、あなたと居ると一番安心するみたいなことを言われたい!」という欲望が、やっぱりボロボロボロっと出ちゃう。
じゃあ、そのボロボロっと出てくるものに、本人は無自覚なのかと言うと、そんなはずはないんですよ。絶対に自覚していて「自分って、なんて薄汚いんだろう。それを抑えてキャラクターにしているなんて、ああ、みっともねえ、みっともねえ!」と思うから、宮崎駿は自分の作品を語る時に、すごい嫌そうだし、逃げるわけですね。
この辺のクリエイターの感じというのは、たぶん、「なろう小説」みたいなものを自分で書いた人だったら、ちょっとは心の中に思い当たるフシがあると思うんですけど。
『On Your Mark』のような、「実は裏には別の意味がある」ということが次々にわかるような作品を見ると、僕らはついつい「じゃあ、本当の一番奥にあるのはなんだろう?」とか「一番奥にあるものこそ本物のはずだ!」って考えちゃうんですけど。
クリエイターの発想というのは違うんですね。一番奥にあるのは本物じゃないんですよ。一番隠したいものが本物では全くないんですね。
そうではなくて、クリエイターがストーリーを考える時、あと、たぶん、アーティストが歌詞を考える時も、無限の選択肢の中から「今回はこれを採用」というのを繋げるだけなんですね。「こっちでもいいし、あっちでもいいし、そっちでもいい。色々考えられるんだけど、今回はこれを採用しよう」というのを繋げて行ってお話にするのが、クリエイターの発想なんですよ。
ええと、すみません。まだもうちょっと続きます。30分で終わんないな、これ。アハハ(笑)。
無料15分って言ったのは、もう、嘘ですね。ごめん。
というわけで、ハッピーエンドもいっぱい考えるし、バッドエンドも考える。嫌な展開も都合の良い展開も、いっぱい考えるんですよ。
クリエイターって、作品を作っていると、段々段々と登場人物のことが好きになって、まるで彼らが生きているような気がするから、誰も可哀想な目に遭わせたくないんですね。だから、ついついヌルい幸せみたいなものを与えてしまうんですけど。「いや、そういうわけにはいかん! 可哀想だが、こいつにはツラい目にあってもらう!」という形で、お話を繋いでいくわけですね。
そうやって色々と考えて、その中から一筋の「今回はこれを使おう」という流れみたいなもの。頭からお尻まで最も速く強く左右に振り回して、読者や視聴者や観客をドキドキさせて感動させるために一番いい流れ。川下りで言えば「急流があって、激流があって、ストンと落ちて、その後にゆったりした流れがあって景色が見えて、またもう一度、クライマックスですごく速い流れがある」みたいな箇所をみつけて、それを繋げて行くのがクリエイターなんです。
レベル3で、このお話の構造全体について「胡蝶の夢」、つまり「自分が蝶々になっている夢を見ているのか、蝶々が自分だという夢を見ているのかわからない」というふうに語りましたけど。
それは「どれが現実か結局わからない」という誤魔化しではないんですね。
「どの夢であっても、全てを現実として受け止めて生きる」。これが、宮崎駿が語ろうとしている永劫回帰なんですよ。
「永劫回帰」という言葉を、コンテにわざわざ入れているのは、「これが本当だ!」ではなくて、「このお話の中に流れている、バッドエンドもハッピーエンドも、全てが現実であって欲しい。あるべきである」という意味なんですね。
で、これね、ハッキリ言って、『ゴースト・イン・ザ・シェル』とか『ビューティフル・ドリーマー』をやった押井守への、もう完全な批判なんですよ。
押井守というのは、どうしても自分の好みとして、映画というもの自体が持つ虚構性というのをベースにした「どれが現実かわからない」というようなお話を選びがちなんです。
例えば、『ゴースト・イン・ザ・シェル』では、義体に包まれたサイボーグというのを出すことで「どれが本当の肉体なのかわからない」というものを見せようとしています。
それに対する、宮崎駿からの「夢のまた夢というような映画をやりたいんだったら、こうやれ!」という強烈なメッセージなんですね。
なので、押井守さんって、基本的に宮崎映画の全てに対して批判して、いろいろと「ああ、これはこうだよ」って語っているんですけど、『On Your Mark』に関してだけは、もう完全に沈黙を守っているんですよ。
これ、僕は自分なりに調べたつもりなんですけど、本当に見つからなかったんですよね。もし、押井さんが『On Your Mark』について語っている資料があれば、ちょっと教えてほしいです。僕が見た限りはないので、これに関しては本当に手が出ないんだと思います。
宮崎アニメのキャラクターと「枷を全部外した」実験
レベル4、永劫回帰の謎というのは「全て等しく存在する」ということなんです。
つまり、ミュージシャンのチャゲアスも存在するんですよ。ミュージシャンで、都合よく宮崎駿にお金ドーンと出して「自分達がカッコよく見えるPVを作ってください」と言うチャゲアスも存在するし、しがない原発の作業員で妄想するしかないチャゲアスも存在するし、警官として人を殺すチャゲアスも存在するし、天使を助けて死ぬチャゲアスも、天使を妄想して酒を飲むしか出来ないチャゲアスも、全部存在する。
いわゆる、富野由悠季監督が『ターンAガンダム』で言っていた「∀全肯定」というやつを、このお話の中でやっているんだと思います。
「本当は」が存在しないんですよ。
アニメを作るクリエイターや、映画を作る監督が、聞かれて一番困るのは、やっぱり「本当に言いたかったことはなんですか?」ということです。
これについて、よく「言いたいことは全部映画の中で言ってるから」と言うんですけども。本当はどういうことかと言うと、「自分の中で、全てが並列に存在しているから」なんですね。
ありとあらゆる可能性が全て存在している。「今回は2時間という尺だったから、切って切ってこういうふうにまとめた」と。「でも、あと15分あったら」とか「あの日、雨が降ってなかったら」とか「ロケの時に都合よくこんな太陽が照ってたら……」という、もしもの世界がいくつもあって、その結果、出来上がる映画というのも、全てが正解。
ちょっとね、クリエイターのこの辺の心理って、なかなかわかりにくいので。僕も『On Your Mark』みたいなテキストがないと説明しにくかったんですけども。
宮崎駿の中では、チャゲアスも、もちろん自分の分身なんですよ。
アニメのキャラクターになった瞬間に、チャゲ&アスカですら、自分の分身になる。同時に、例えばアシタカとかナウシカとか『トトロ』のサツキとメイも、全部自分の分身なわけですね。
『となりのトトロ』については、宮崎さんは「今でもサツキとメイは自分の中で生きていて、成長している。2人とも中年の女性になっている」と言ってるんですけど。今まで、アニメやマンガの中で宮崎駿が作り出した、数十数百の人格、何十何百というキャラクターは、全部、宮崎駿の中で、同時に歳を取りながら生きているんですね。
それが、宮崎駿にとっての永劫回帰なんですよ。たぶん、基本的にあらゆるクリエイターというのは、宮崎駿と同じようなものをもっているはずなんですけど、宮崎駿は人一倍それが強いんですね。
全てのクリエイターが持っているから、松本零士みたいに、全てのキャラクターを同じ話の中に入れて動かしたくなる。これはもう、本当にクリエイターにわりと共通している特質だと思ってください。「この話のこいつとこいつが共演したらどうなるのか?」というのは、いつも考えているし、まあ共演とまでは考えてなくても、全てがまだ生きていて、自分の頭の中にいる状態なんですね。
ただ、宮崎駿というのは、自分の中でのキャラクターのリアリティが人一倍というか、僕が聞いた中で最も強いんですね。メチャクチャ強い。そういう多重人格的な自分自身、クリエイターとしての自分自身を、宮崎駿という名前の独裁者が、もう閉じ込めている状態なんですよ。そうやって閉じ込めないと、そいつらの方が前に出てきて収拾がつかなくなるし、映画は2時間で収まらなくなるし、『ナウシカ』はいつまで経っても完成しなくなる。というのが、宮崎駿個人の中でのキャラクターの在り方だと思います。
『On Your Mark』で、主人公はなぜ同じチャレンジを繰り返すのか? 永劫回帰というのは何か?
レベル4では、一応「クリエイターというのはこういうものだ」ということで、「中で描かれている全ての可能性の分岐点というのは、実際にある」と。
それはパラレルワールドみたいに本当にある世界ではなくて、宮崎駿という個人の中にあって、普通はその中から1つを選んでお話にするんだけど、今回はあえて、それを全部混ぜて出してみた、と。
だから、彼にとっての実験なんですよ。東映動画の時代から「お話というのはそういうふうに作ってはいけない」と言われてきた枷を全部外しちゃったらどうなるのか? そういう、宮崎駿にとっての本当に個人的な実験というのが、「ジブリ実験劇場」という言葉の意味なんです。
というのがレベル4の解説でした。
参考文献
- 宮崎駿『スタジオジブリ絵コンテ全集10 耳をすませば On Your Mark』スタジオジブリ、2001年
- 宮崎駿『出発点〔1979~1996〕』スタジオジブリ、1996年
- 鈴木敏夫『天才の思考 高畑勲と宮崎駿』文藝春秋、2019年
- 宮崎駿『もののけ姫』スタジオジブリ、1993年
- 宮崎駿『風の谷のナウシカ7』アニメージュコミックスワイド版、徳間書店、1995年
- 『アニメージュ』vol.206 1995年8月号 徳間書店
- 『スタジオジブリ作品関連資料集Ⅴ』ジブリ・ジ・アート・シリーズ、スタジオジブリ、1997年
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・岡田斗司夫ゼミ#308:ジブリ都市伝説の謎を解け!&大好評サイコパス人生相談
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・岡田斗司夫ゼミ#309:富野由悠季を語る 〜2010年11月講演感想戦
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【ガンダム完全講義】
・ガンダム完全講義1:虫プロの倒産とサンライズの誕生
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・ガンダム完全講義2:ついに富野由悠季登場!
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・ガンダム完全講義3:『マジンガーZ』、『ゲッターロボ』から始まる映像革命
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・ガンダム完全講義4:第1話「ガンダム大地に立つ!!」解説
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・ガンダム完全講義8:第3話「敵の補給艦を叩け!」解説Part2
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・ガンダム完全講義9:第3話「敵の補給艦を叩け!」解説Part3
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・ガンダム完全講義10:第4話「ルナツー脱出作戦」解説
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・ガンダム完全講義11:第5話「大気圏突入」解説
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・ガンダム完全講義12:第6話「ガルマ出撃す」解説Part1
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・ガンダム完全講義13:第6話「ガルマ出撃す」解説Part2
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・ガンダム完全講義14:第7話「コアファイター脱出せよ」解説Part1
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・ガンダム完全講義15:第7話「コアファイター脱出せよ」解説Part2
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・ガンダム完全講義16:第8話「戦場は荒野」解説Part1
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・ガンダム完全講義17:第8話「戦場は荒野」解説Part2
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・ガンダム完全講義18:第9話「翔べ!ガンダム」解説Part1
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・ガンダム完全講義20:第10話「ガルマ散る」解説Part1
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・ガンダム完全講義21:第10話「ガルマ散る」解説Part2
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・ガンダム完全講義22:第11話「イセリナ、恋のあと」解説Part1
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