全員が主役!~小立野ボーイズ~
■歴史あるチーム
2022年に40周年を迎えた小立野ボーイズ。子供たちの「可能性と成長の追求」をコンセプトに「育成型指導」を実践している。育成型とは言うが昨年7月に、熊本県で開催された「ミズノドリームカップ全国大会」に出場した実力あるチーム。金沢市内や野々市市などから通う1年生から6年生の35名が在籍している。
■選手の自主性
今年2月28日に練習を取材した。雪が落ち着き始めた土曜日の午後、小立野小学校体育館での練習。雪の影響もあり普段より参加選手は少ない。それでも子供たちは元気に明るく練習していた。
前半は4班に分かれて硬式テニスボールを使った練習。①バッティング、②浮き球の守備練習、③トスバッティング、そして④バドミントンの羽を使ったトスバッティングをローテーションで練習。インターバルは45秒。小走りでローテーション移動する子供たち。指導者が指示することはない。選手の自主性を感じた。
■子供の可能性
休憩を挟んで後半は野球ではなくネオホッケーの練習が始まった。監督に聞くと「明日ネオホッケーの大会に出場します」とのこと。チーム代表者にも聞いた。「野球だけでなく、卓球やミニバス、ネオホッケーなど、いろんなスポーツを経験して学びながら子供の可能性を追求しています」との話。小学年代は野球だけではなく、「いろんなスポーツを経験をすることで子供の可能性を広げてあげたい」との想いだそうだ。
代表や監督が強調するのは「型にはまった人間ではなく、型を破るチャレンジングな人間の育成を意識している」とのこと。チームコンセプトが伝わってきた。
■指導者の想い
改めて代表と監督に野球への想いやチームの方向性を聞いてみた。
「子供は昔と変わっていない。最近の環境変化が子供の可能性を少し小さく丸くさせているように感じる。もっと大きな丸い心を持った子供を育成したい。多少尖った面があっていいと思う。とにかく子供たちの可能性を信じてやらせてあげたい」との話が聞けた。
特定の選手に頼って勝負に徹するのではなく、全員が主役となってプレーしている小立野ボーイズ。 印象に残る話だった。
■チームの方向性
監督は選手を見守りながらチーム全体に気を配る。コーチ陣は役割分担しながら全員で指導にあたる。チーム代表は選手・監督・コーチのサポート役に徹しながら時には指導も手伝う。これら指導陣は近所のおじさん、お兄さん的なコミュニケーションで選手たちとの距離や雰囲気を大切にしていた。選手たちは自主的に行動して失敗を恐れず伸び伸びとにチャレンジしている。プレーを楽しむことが身についている印象だった。
■全員が主役!
「全員」という言葉には選手だけでなくチームに関わる指導者や保護者も含まれていると感じた。試合では選手がサインを出すこともあるそう。選手が場面に応じて次の戦術を考えてサインを出す。考える力も自然に身に着く。可能性を広げたいとの想いの現れ。まさに「全員が主役!」を実践している。ちなみに試合でサインを出した選手が発した言葉は「監督って大変ねんね」だったそう。選手は大人になってサインを出した経験を思い出して指導者に感謝することだろう。