楽しいの先を目指す! ~ スノーボードで世界へ ~
■Team ELUを結成
かほく市で「スノーボード&スケートボードのプロショップ"ELU(エル)"」を経営する三ツ井勇介さん。石川県出身。スノーボードハーフパイプで全日本優勝やW杯出場の経験を持つ元日本代表。2018年にかほく市でスケートパークとショップを開業。2021年にスノーボードの「Team ELU」を結成。世界を視野にスノーボーダー育成をスタートした。
■一年目から成果
Team ELUは結成一年目の2021-2022シーズンから競技会に参加。地区大会で2人が入賞、日本スノーボード協会(JSBA)公認大会でも8勝するなど一年目から結果を出すことができた。チームはさらなる高みを目指し、二年目に向けてフィジカルやメンタルなど多面的な強化に取り組んだ。
■二年目に飛躍
2022-2023シーズン。Team ELUは確実に結果を積み上げながらシーズン終盤を迎えた。そして2023年3月、長野県で開催された「第41回 JSBA全日本スノーボード選手権大会[SX]」において、スノーボードクロスU-15女子の部で二人の選手が表彰台に上がった。チームは2シーズン目で日本トップレベルの成績を上げるまでに成長。このシーズン、地区大会やJSBA公認大会における入賞数はチーム全体で50以上と大きな飛躍を遂げた。
第41回 JSBA全日本スノーボード選手権大会(2023年3月)
[スノーボードクロスU-15女子]
・第2位 大塚菜結選手(オオツカ ナユ)かほく・河北台中2年
・第3位 野竹和奏選手(ノタケ ワカナ)富山・堀川中2年
(※学年は大会当時)
■育成プログラム
1年余りで日本トップレベルの選手を育成したTeam ELU。取り入れたトレーニングメソッドを探るべくチームを率いる三ツ井勇介さんに聞いた。三ツ井さんは「スノーボーダーとして自分の経験から学んだことをベースにさらに効率よく成長できるよう改良を加えてメンバー達に伝えている」と話す。その上で「ボードに乗る時間」を大切にしているとのこと。
・日常は学校後にスケートパークELUでスケートボードに乗る
・冬季は県内外のゲレンデでできるだけスノーボードに乗る
とにかくボードに乗る時間を確保することが成長のポイントと熱く語る。
■成長への循環プロセス
チームのコンセプトは、スノーボードをライフスタイルの一部として楽しめるようになること。目標はそれぞれ違っても、目の前の目標をクリアし続けると自ずと辿り着く場所は同じ。スケートパークELUには「成長への循環プロセス」が流れていた。
■誰もが楽しめるスケートパーク
スケートパークELUは誰でも利用できる。そこは楽しむ空間だ。常に笑顔と笑い声が存在している。三ツ井代表は「競技とは別に多くのみなさんに遊びにきてもらえると嬉しい」と話す。全日本選手権で準優勝した大塚菜結選手も最初は祖母とランチでパークを訪れことがボードを始めるきっかけだったそう。 スケートパークELUは純粋にスケートボードを楽しんで欲しいとの三ツ井さんの想いが込められている。
■楽しいの先を目指す!
Team ELUでは「課題を克服する育成プロセスを通して、子供たちが成長するための循環プロセス」が実践されていた。そして特徴的なのは希望があれば「子供たちをサポートする保護者も競技会に出場」することができること。保護者と子供が一緒に競技することでお互いの理解が深まる。そして子供たちには自然とチームへの愛着や保護者への感謝の想いが身に付く。結果だけでなくプロセスも大切にしている素敵なチームだった。