不妊治療で退職している人の市場規模を考えてみた
中小企業診断士のよねともです。
この土日、こちらの集中講座に参加していました。
志高い人達が約60名、たくさんの刺激をいただいて、参加してよかったです。
講座のなかで「ソーシャルコンセプト」と「ビジネスモデル」を考えるというワークがあり、私も突貫工事ながら作ってみました。雛形がボーダレス・ジャパンさんのものですので、ここに記載することはちょっとやめておきます。
私が今回おいたテーマは「不妊治療で退職する女性を減らす」です。このテーマを取り上げた理由は、私自身が不妊治療をきっかけに働き方を考え、正社員をやめてフリーランスになったことからです。
ボーダレス・ジャパンさんは「社会問題をビジネスで変える」がミッションですので、ビジネスモデルを考えるにあたっては、市場規模(マーケット)を調べましょう、と講座のなかで話がありました。
そこで、「不妊治療で退職する女性を減らす」というテーマではいろんなターゲットをおくことが出来ますが、ひとまず今回は「不妊治療をしている女性」に焦点をおくことにしました。
だいぶ突貫工事の計算ですが、「では、不妊治療をしている人で、退職している人はどれくらいいるのか」を試算してみます。
①不妊治療で生まれる赤ちゃんの数=54,110人 ←このそれぞれにママが1人ずついるとする
※2016年の数値、日本産科婦人科学会『日産婦誌』70巻9号より
※2018年の総出生数918,400人 /体外受精で生まれた子ども56,979人 /割合6.2%
https://www.haramedical.or.jp/content/infertility/works
②不妊治療の成功率を仮に約20%として、この54,110人が治療の結果妊娠したとすると
54,110人÷0.2=270,550 → 不妊治療をしている女性は約27万人いる
③厚生労働省が行った調査によると、仕事と不妊治療との両立ができず、16%の方が離職している
仮に27万人のうちの8割が働いていて(8割に根拠は特にありません、仮定の割合です)、そのうちの16%の人が離職しているとすると
27万人×0.8×0.16=34,560人
約3万人くらいの人は、不妊治療と仕事を両立できず退職してしまうのでは、という試算ができました。
この3万人という数字を多いと見るか少ないとみるかですが、3万人の女性、しかも30代~40代で企業の中では中核人材となり、部下を持っている人もいて、企業にとってなくてはならない存在といえます。
そんな人達が3万人退職している・・・という実態について、私は日本社会の損失ではないか、社会課題ではないかと思いました。
ちなみに、NPO法人Fineさんが実施した「仕事と不妊治療の両立に関するアンケートPart2」では、働きながら不妊治療をしたことのある人の約96%が「両立は難しい」と回答しているので、ものすごくざっくりですが27万人×0.8×0.96=約20万人は、仕事と治療の両立に何かしら悩んでいると試算できます。
http://j-fine.jp/prs/prs/fineprs_ryoritsu1508.pdf
退職というのは2つ意味があると思います。
①不妊治療を機に働き方を見直して、よりよい道を選んだパターン
②不本意に退職してしまったパターン
①は辞めた本人も納得したうえかもしれませんが、②は本人も納得していないはずです。本当は働き続けたかった、企業の中にいたかった。そういう人を1人でも減らしたい。突貫の数字ですが試算をしてみて、その気持ちが強くなりました。
今回の学びをもとに、ソーシャルコンセプトとビジネスモデルをもっと練っていきます。