デートムービー
彼氏と何か見ようということになった時、何をみればいいのか困る。
付き合って初めの頃は、お互いのオススメを見たりした。彼氏と一緒に見るエターナルサンシャインやノッキンオンヘブンズドアや恋人たちの予感は最高だった。
しかし時が経つにつれて、二人の中のズレが明らかになってきた。
私が提案する映画は「暗い」と却下されてしまう。確かに、私にとって映画は長い間一人で楽しむものだったので、私が見たいと思う映画は人と見るのに向かない映画ばかりだったかもしれない。
そういう彼氏が提案するものとは、アメリカのバカなコメディである。見てみれば笑えるし安心して見れるし確かに人と一緒に見るならこれくらい軽いものの方がいいのかもしれない。
結局、彼氏が提案するものを見ることになり、ちょっとした不満がたまる。映画の趣味の違いは離婚理由にもなるとウディ・アレンあたりが言っていたような気がする。
しかしここには単なる映画の趣味の違いだけではなくて、映画鑑賞に対する意識の違いがあるように思う。私は、映像というある時間の中にすっぽり嵌って、現実に戻ってきたときに自分がちょっと変わっている体験を望む。なので、映像の中でどんなに自分にとって苦手なことが起ころうとも映像に付き合うことができる。そして、ただ楽しいだけの体験よりも違った体験をできる映画を見たいし、彼氏とそのような体験を共有したいと思う。
しかし、彼氏にとっては映画は第一に楽しめるものである。現実の社会問題や犯罪を扱っているものはただ楽しむということができなくなるので、私とは見たくないのである。
そういうわけで、彼氏と何を見るか問題は解決しないまま何度も起こるのである。
こういう時に重宝するのがシリーズものである。シリーズものは見始めると次何みるかが自動的に決まるので何を見るか悩まなくて済む。私はこれでガンダム(宇宙世紀の主なもの)、スターウォーズ(映画だけでなくアニメシリーズのクローンウォーズと反乱者たちも含め)、ミッションインポッシブルシリーズを全て見た。めぼしいものは見てしまった。
唯一、二人の願望をどちらも叶える映画監督がいる。タランティーノである。普段は映画館は高いと言ってなかなか誘いに乗ってくれない彼氏もタランティーノとスターウォーズは別である。今日はキルビル2を見る。