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コモディティECで意識する戦略の話

先日、とあるECプラットフォームを運営している会社の中の方とお話した際、「上手くいくコモディティECってこういう立ち上げ方だよね」という話をしたので、noteにまとめる。

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需要が高い商品に徹底的に投資

ターゲットとする顧客にとって必ず需要があるものを見つけて、その商品だけに初期は徹底的に投資する。需要の高い商品のサプライサイドを徹底的に磨いて、商品の付加価値や価格競争力を持たせる。初期は赤字も許容してそれだけを圧倒的に打っていく。プロモーションもそこに集中的に投資して、売り場としてのエッジをそのカテゴリで尖らせる。この商品のことを「トラフィックビルダー」と呼ぶ。

コモディティビジネスではトラフィックビルダーという概念は一般的。例えばスーパーでは採算度外視の「安売り卵」を売る。彼らにとって卵はトラフィックビルダーの役割を担っている。

顧客基盤を作って勝つ

確実に需要があるものに特化して、低コストで提供する仕組みを構築し、その商品であれば大手にも負けない価格競争力をつけることで、少なくともそのジャンルにおいては顧客満足度でトップになれる。

トラフィックビルダーをフックに集客し、顧客基盤を作った後は、他の商品もアップセルで売っていく。ここはCRMの世界。ポイントは商品のカテゴリ軸で横展開するのではなく、顧客の課題軸で横展開すること。

コアクラスターという考え方

eBayは初期、Pez DispensersやBeanie Babiesというおもちゃのコレクターにとって最適な売り場として立ち上がった。彼らがeBayにとっての「コアクラスター」であり、コアクラスターが必ず買いに来る場所を作ることが初期のECプラットフォームでは重要になる。

コアクラスターの特徴は以下の3点に集約される。

1. エンゲージメントが高い
=> そのプラットフォームのプロトコルを熟知している
2. 購入頻度が異常に高い
=> コアクラスターが使う機能を調べれば必須機能が明らかになる
3. 拡散力がある
=> 口コミ発生源となり、それが他の顧客に対する品質保証になる

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AmazonプライムはECのビジネス構造自体を変えている

Amazonは在庫を大量に持ち、翌日配送など物流に巨額の投資しているが、それは最終的なプラットフォームデザインが「Amazonプライムでの利益獲得」に設定されているから成り立つ。

ECのトランザクション自体からは利益出す必要なくてむしろ赤字、翌日配送サービスも当然赤字。それらは全てプライム会員のチャーン低減のため。サブスクリプションへの依存度を高めるためのECトランザクションという考え方になっている。おそらくチャーン低減の利益貢献と投資の赤字分を比較して、プラスならGoサインが出せる意思決定フローになっているはず。

値上げしても離脱しないstickinessをAmazonプライムにつけることが究極の目的。実際にAmazonはプライム会員の年会費をUSで値上げしたが、ほとんど離脱はなかったらしい。つまり値上げ分は全部利益になる。

まとめ

ECは歴史が長いビジネスモデルなので、先人が通ってきた道がいくつもある。歴史を勉強することで事業の解像度が上がり、間違った意思決定を減らすことができる。


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