東方project元ネタまとめ 紅魔郷〜風神録まで
こんにちは、オーダーメイド東京 オタク交流サロン 漫画飯オフ会主催のホラエドンと申します。
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本題に入りますが、先日弊社のクリエイターが集まるグループチャットにて東方projectのキャラクターの元ネタはなんなのかと言うお話が上がりまして、それにお応えすべくこちらの記事を書かせて頂きました。
さすがに全キャラとまではいきませんが主要なキャラクターの元ネタは調べることができたと思います。
今回の記事を書くにあたって東方元ネタwiki 2nd様を始め、多くのサイトでの考察を参考にさせて頂きました。
編集された方々の東方projectへの深い愛情と博識に心からの敬意と感謝を申し上げさせて頂きます。
それでは主人公の博麗霊夢からどうぞ。
博麗靈夢 はくれいれいむ
小夜ちゃん。
タイトーの縦スクロールシューティングゲーム『奇々怪界』シリーズに登場するキャラクター。
神主ZUNさん(以降神主)は、DOS版での第一作目の前に、習作としてタイトーキャラクターの登場するゲームを制作しており、その中には小夜ちゃんも登場。そして彼女のテーマ曲が『東方怪奇談』だった。これは東方project第5弾東方怪綺談と同じ名前。
大学卒業後、神主はタイトーとアトラスとCRIへの3社へ就職活動をし、タイトーへと就職する事となりました。
1万人応募して受かったのは5人とのこと。
トークショー「明大祭企画『東方の夜明け』」より神主は霊夢という名前についてこう語っていた。「ただ霊夢自体は変な名前じゃないよ。元々霊夢っていうのは予知夢とか、そういうような言葉なんだよね。勘がいいとか。勘がいい子だとか。霊夢は勘が良い子に育って欲しいという名前」
霧雨魔理沙 きりさめ まりさ
色々と調べてみましたが、特に魔理沙の元ネタとなる情報が見つからなかったため神主のオリジナルキャラクターかと思われます。
東方幻想懐古曲にて魔理沙のテーマ曲、恋色マジックにてキャラ創作の経緯が語られておりました。
「東方封魔録より【 恋色マジック 】オリジナル版です。
3面までの暗い曲から一変して、アニメチックな曲を創るぞ~、と意気込んで創った記憶があります。でも結果、アニメチックかっていうと・・・?
で、魔理沙自体は制作当初から予定に入っていました。巫女さん対魔法使い、ってジャンルを問わずやってみたかったんです。昔から(^^;;」
とのこと。
東方紅魔郷 とうほうこうまきょう ~ the Embodiment of Scarlet Devil.
ルーミア
チルノ
二人とも人気キャラクターではあるがこれといって明確な元ネタは見つかりませんでした。
ルーミアと言う単語自体はスペイン語で反芻、転じて沈思、黙考、繰り返しの考え。美術用語。「光の芸術」「色彩音楽」とも。鍵盤操作による光で画面に多彩な抽象的形象を映し出す芸術。演劇や音楽の効果、建築の照明に動く色彩として用いられた。1920年代に流行ラテン語の「ルーメン (lūmen)」、「光」の意。光の量を計測する単位のひとつでもあり、記号はlm。などがルーミアのキャラクター性に当てはまるかと。
チルノと言う単語自体は英語の「chill」「chilled」「chillness」(chill:冷気、風邪、悪寒、寒さが身にしみる、チルノのキャラクター性に当てはまるかと。
紅美鈴 ホン・メイリン
神主が強いインスピレーションを受けた『夢幻紳士』の満州盗賊団の頭領として、美鈴というキャラクターが登場するが確定的な元ネタとは言えず。
東方Project人妖名鑑 宵闇編 神主コメントより帽子の「龍」について「西洋で吸血鬼以外の代表的なモンスターはドラゴン」→「ドラゴンは東洋にもいる」→「真ん中のステージの美鈴の帽子にとりあえず龍って書いて」と記述されている。
パチュリー・ノーレッジ
ノーレッジ(Knowledge)英語で知識・学識を意味する。
ハーブの一種。パチョリ。インドを原産とした香料にパチョリというものがある。
そのためインド人のパチュリー! というネタがたまに見かける。
十六夜咲夜 いざよいさくや
サクヤ→「昨夜」とすると、十六夜の昨夜→十五夜→満月と捉えることができる。彼女の名前は吸血鬼である主人のレミリアがつけたからだろうか、レミリアお嬢様ネーミングセンスがありますね。
サクヤ→「朔夜(新月)」で、時間を操るだけに満月と新月をかけている?
咲夜の能力は「時間を操る程度の能力」これはジョジョの「DIO」のオマージュ。彼女のスペルカード(要は必殺技)に幻世「ザ・ワールド」とDIOのスタンドと同名のものがある。
木花咲耶姫(コノハナノサクヤヒメ)と言う神様がいる。八意思兼神の甥(ニニギ)の嫁で、富士山の神様としてかぐや姫と同一視されることもある。木花咲耶姫のエピソード「一夜懐妊」「火中出産」は、木花咲耶姫が時間を操る能力を持っていると解釈することもできる内容である。
レミリア・スカーレット
吸血鬼、ツェペシュの末裔を称している。ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』のモデルの一人にヴラド・ツェペシュと言う人物がいる。通称ドラキュラ公、ヴラド・ツェペシュは実在の人物。15世紀ルーマニアのワラキアの領主。
フランドール・スカーレット
吸血鬼。魔法少女。少々気がふれている。表に出してもらえない。
これらのキーワードからは、レ・ファニュの小説「カーミラ」に登場する女吸血鬼・カーミラのモデルとされる、流血の伯爵夫人こと「バートリ・エルジェーベト」を連想させる。
エルジェーベトは若い女性を殺しては、その生き血を浴びる快楽殺人者だったという。エルジェーベト以外にも、バートリ家には精神的に病んだ人物が多かったといわれる。
バートリ・エルジェーベトは大量殺人の罪により、自らの居城の一室に監禁され、そのまま獄死した。当時のバートリ一族の者達やその子孫は、エルジェーベトの死は有力なバートリ一族の権力を衰退させるための政治的陰謀である可能性があり、大量の快楽殺人とは陰謀をカモフラージュするための捏造であると主張したが、これは調査団にバートリ一族の者も在籍していた事実を隠蔽した、偽の正当性が誇張されている言明だった。大多数の研究者は、一連の事件は現実の行為であったと裁定している。
彼女のスペルカードに秘弾「そして誰もいなくなるか?」と言うものがある。1939年に発売された書籍『そして誰もいなくなった』(アガサ・クリスティ著)のもじり。
テーマ曲である「U.N.オーエンは彼女なのか?」のU.N.オーエンはこの作品で犯人が使った偽名。「Ulick Norman Owen」と「Una Nancy Owen」(ユナ・ナンシィ・オーエン)アルファベット表記でUnknown(何者とも判らぬ者、アンノウン)のもじり。
東方妖々夢 とうほうようようむ ~ Perfect Cherry Blossom.
(ここからは確信的な元ネタが見つからなかったキャラクターは省略します)
レティ・ホワイトロック
アガサ・クリスティの推理小説「予告殺人」(A Murder is Announced)の登場人物のレティ。
フルネームは、レティシア・ブラックロック(Letitia Blacklock)。
橙 チェン
橙色(だいだいいろ)と藍色(あいいろ)を混ぜ合わせると、紫に近い色が現れる。
虹色は紅・橙・黄・緑・青・藍・紫の順。使用済みの紅を除けば一番下が橙橙の主、八雲藍とその藍の主、八雲紫の関係性を感じさせる。
アリス・マーガトロイド
『真・女神転生』シリーズの魔人アリス。東方怪綺談時点ではキャラクターデザインもよく似ている。
アリス初登場の東方怪綺談のOMAKE.TXT 作者ZUNのおはなしより
「今回の東方怪綺談にはアリスというキャラが出てきます。で、それがどうしたかっていうと、私は最近アリスという言葉をよく耳にします。まぁ、そんな気がしただけ。今回のアリス像はエスプのクローンではなく、六本木のアリス(理解者理解)。女神転生のですよ。ほんとは、ルププパウ(某なかよし不定期連載の(笑))のアリスにする予定だったんですけど・・・ 余りにシューティング不向きだったし、曲がね~。ちょっと暗いからな~。3面はそんな感じで作ったんですが、エキストラは最近作ったばっかで、本を持たせています。実は最近ゲーセンでみたとある格闘ゲームのアリス(ネクロマンシー)をみてちょっと付け加えてみました(笑)。格闘ゲームのアリスといっても、普段は看護婦姿でたまに巨大2本足立ちうさぎに獣化する人じゃないよ(笑)。」
とのこと。
また東方怪綺談で彼女のテーマ曲として不思議の国のアリスという曲がある。これはルイス・キャロルが創作した児童文学の題名と同名。
姓名のマーガトロイド(Margatroid)はアガサ・クリスティの推理小説の登場人物によく使われている。
『予告殺人』、養鶏農家の「エミー・マーガトロイド」
『七つの時計』。
『海浜の午後』、小屋を借りている人物の名前。
『管理人の事件』、森の奥にある屋敷の管理人。
このうち、特に『予告殺人』は妖々夢1面ボスレティ・ホワイトロックとも関連がある。
リリーホワイト
春を告げる妖精。
大東亜戦争開戦時のアメリカ財務次官補、ハリー・ホワイト (Harry White)が「ハル・ノート」の草案を作成したのでここからだろうか?
魂魄妖夢 こんぱくようむ
只今(2021年12月03日)人気投票二連続一位。
「春は曙、ようよう白くなりゆく」 → 妖々夢(ようようむ) → 妖夢といった流れだろうか?
西行寺幽々子 さいぎょうじゆゆこ
亡霊。
歌聖、西行法師の娘。富士見の娘。富士見は西行法師の代名詞。西行が出家の際にすがりつく娘を蹴落として家を出たという『西行物語』に描かれた逸話で知られる。その蹴落とされた娘が幽々子と思われる。
東方妖々夢の5面開始時や幽々子の最後のスペルカード、反魂蝶の前の句に西行法師の句が使われている。
5面の句は
「願わくは 花のもとにて 春死なむ その如月の 望月のころ」
反魂蝶は
「身のうさを思ひしらでややみなましそむくならひのなき世なりせば」
テーマ曲は「幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~ Border of Life」墨染桜とは散りぎわに淡い墨色となる桜。京都伏見のものが有名。千葉は東金の「西行の墨染桜」には、西行法師が、杖にしていた墨染桜の枝を挿し、「深草の 野辺の桜木 心あらば 亦この里に すみぞめに咲け」と詠むと桜の枝が根付いたという伝説が残っている。
西行は人骨を集めて反魂の術を試したが失敗したという伝説がある。春を集めて桜の木の下に眠る人物を蘇らせようとした幽々子は、西行自身をもモデルにしていると言える。
八雲藍 やくもらん
九尾の狐九尾の狐の玉藻前から、藍藻という連想だろうか?
八雲紫 やくもゆかり
幻想郷の生みの親。幻想郷最古参の妖怪の一人であり、最強の妖怪の一人であり、賢者と称えられる妖怪の一人であるり、最も幻想郷を愛する妖怪。
八という字自体に「物事を二つに分ける」の意味がある。例えば境界の「界」にも八が使用されている。
八雲と言う言葉はスサノオが詠んだ「八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を」という日本最初の和歌。八雲とは「幾重にも重なった雲」の意。この句にちなんで「八雲」は出雲(いずも)の代名詞、「八雲立つ」「八雲さす」は出雲の枕詞とされる。いずる雲が日の光を遮るという意味で、出雲国は「冥界」や「根の国」など、あの世に通じる(幻想郷?)。出雲大社には、七色の彩色をほどこされた雲が描かれた「八雲の図」という謎の多い社宝がある。このスサノオとクシナダヒメを祀る氷川神社の神紋が「八雲紋」である。また彼女のあるスペルカードがこの神紋を彷彿させる。
東方とは別の近未来の二人の女子大生を主人公にしたストーリー仕立ての音楽CD作品。「秘封倶楽部」に彼女と容姿がそっくりの少女、マエリベリー・ハーンがいる。彼女は夢の中で幻想郷を旅する。
東海高校の講演「同人結界 ~ 東方という作品とゲーム創作幻想」(2005年2月19日)にて、マエリベリー・ハーンとの関係について質問があったときの神主の返答は、昔ラフカディオ・ハーンが小泉八雲に改名したというものだった。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)はギリシア出身の作家で、東洋と西洋の両方に生きたとも言われる。小泉八雲は日本研究家でもあった。日本を愛し、帰化もした。日本の過去を美化して『幻想の日本』を描き、最後は日本に幻滅したとも言われる。
最高に洒落た返答、カッコよすぎる。
東方萃夢想 とうほうすいむそう ~ Immaterial and Missing Power.
伊吹萃香 いぶきすいか
鬼。伊吹童子(いぶきどうじ)
「御伽草子」による酒呑童子の出生。鬼神と恐れられる伊吹の弥三郎と、近江の大野木の娘の子。鬼子として恐れられ伊吹山に捨てられ、伊吹大明神の庇護下で育って 術などを覚えるが、乱暴者に育ったため伊吹山を追放される。やむを得ず比叡山に行くが、仏僧と山王権現の力に敗れたため、逃げ た先の大江山に岩屋を立て棲み付く。後、酒呑童子と呼ばれ畏れられるようになる。
東方永夜抄 とうほうえいやしょう ~ Imperishable Night.
リグル・ナイトバグ
蛍の妖蟲
リグル(Wriggle)蠢く(うごめく)。蠢くは虫の字が2つ含まれてる。
ナイトバグ(Nightbug)夜の虫=この場合だと蛍
ミスティア・ローレライ
夜雀
高知・和歌山・愛媛などに伝わる妖怪。袂雀(たもとすずめ)、黒い蝶のようなものともされる。
ミスティアmistere(フランス語)?:「不思議」「神秘的」。語源は古代ギリシア語のmuein(「両目を閉じる」の意。)ミスティアのスペルカード。夜雀「真夜中のコーラスマスター」は夜雀の能力により自機が鳥目になり、弾の見える範囲が狭くなる。ここから両眼を閉じると目が見えなくなる(盲目になる)とかけているか?
ローレライ(Lorelei)ドイツのライン川沿岸、マインツ~コブレンツ間に存在する岩山。 その岩にたたずむ金色の櫛を持った少女の美しさと歌声に船頭が魅せられ、船が渦の中に飲み込まれるという魔女伝説。 ローレライというのは、この岩山を表すと同時に、この岩の妖精、あるいはセイレーンの一種とされる。
上白沢慧音 かみしらさわけいね
ワーハクタク、人狼。ワーウルフ(werewolf)のようなもの。
上白沢(かみしらさわ)上白沢=うわはくたく=ワーハクタク。
白沢(はくたく)中国に伝わる、人語を理解し万物に精通するとされる聖獣。あらゆる妖怪に関する知識を持っている。ハクタクは森羅万象に精通した知識を持っており、徳のある治世者の前にあらわれる。黄帝の前に現れたときは、11520種類の神獣・妖怪・悪鬼への対策を授けている。
因幡てゐ いなばてゐ
因幡の白兎『古事記』に登場する兎。
古事記の頃から生きているので見た目に反して東方キャラの中ではかなりの高齢。
古事記での記述を要約すると
因幡の白兎は隠岐の島におり、本州に渡るため和邇(ワニ、鮫のこと)を騙して橋替わりした。(このため東方作中でもてゐはイタズラ兎として書かれている)だが、最後に油断して「お前らは騙されたんだ」と言ってしまったため、白兎は和邇に捕まり全身の毛をはぎ取られてしまった。白兎が気多の岬で苦しんで横たわっているところに大国主神が通りかかる。(その前に通りがかった八十神に傷口に塩を塗るようなことをされている)大国主神は白兎に「河に行って淡水で体を洗い、蒲の穂の花粉を地面に撒きその上を転がって体につけると皮膚は元通りに治る」と伝えた。白兎が言われた通りにすると白兎の皮膚は元通りに回復した。大変感謝した白兎は大国主神に「八上比売と結ばれるのは八十神ではなくあなたである」との予言を伝えた。この後、実際に大国主神は八上比売と結婚することになる。
このため大国主神に惚れ込んでいる描写が二次創作などでよく見られる。
公式書籍の「東方儚月抄」でも「大変な美男子兎たちの憧れ」と真顔で言っていた。
白兎はこの後に神とされ兎神として祀られる。鳥取県鳥取市にある「白兎神社(はくとじんじゃ)」の主祭神は因幡の白兎で「白兎神」として奉っている。
大国主神について
代表的な国津神(くにつかみ)の一柱で、国造り神話・国譲り神話で有名。国譲りの後は出雲大社に祀られる。上記の因幡の白兎の逸話から、「医療の神」としても祀られる。
因幡てゐのスペルカードに借符「大穴牟遅様の薬」というものがある。大穴牟遅(おおなむち、おほなむち、おほなむぢ)は大国主の若い頃の名前。借符の借は大穴牟遅に対する恩を「借りがある」と解釈したのか?
大国主神は因幡の白兎の話の後。少彦名(スクナビコナ)(後に記述する少名針妙丸と関連する)と共に国造りを行ったり。
息子に建御名方神(タケミナカタ)(後に記述する八坂神奈子と関連する)などがいる。
鈴仙・優曇華院・イナバ れいせん・うどんげいん・イナバ
優曇華(うどんげ)元はインドの伝承上の植物。正式名称は優曇波羅華(ウドンバラゲ)で梵語のウドンバラの訳語。仏教経典では三千年に一度花をつけ、開花の時仏が出世すると言われている。
この事から日本や中国では「瑞祥」、「稀な吉祥」等の意味の言葉として使われる。桑科イチジク属のFicus glomerata(フサナリイチジク)が元ではないかと言われている。日本や中国では芭蕉や山玉蓮などの実在の植物の花を優曇華と呼ぶ事も有る。日本では草蜻蛉(くさかげろう)の卵が優曇華と呼ばれ、地方ごとに異なるが吉兆とも凶事の予兆とも言われる。大変稀で素晴らしいものの例えで、優曇華の花という言葉を使うことがある。竹取物語でも車持皇子が蓬莱の玉の枝を持ち帰ったと凱旋したとき、人々が優曇華の花と言っている。竹取物語の類話に、難題の蓬莱の玉の枝が優曇華の花になっている物がある。
イナバ因幡の素兎東方では鈴仙が永遠亭に来るより遥か以前に因幡てゐと兎たちが永遠亭の住人になって、輝夜が兎のことを区別なくイナバと呼んでいる。
八意永琳 やごころえいりん
八意思兼神(ヤゴコロオモイカネ)。
思想・思考・知恵・知識を神格化した神。岩戸隠れの際には、高天原に集った八百万の神にアマテラスを天岩戸の外に出すための策を授けた。葦原中国平定では葦原中国に派遣する神の選定を行っており、その後の天孫降臨でニニギに随伴した。学問・受験の神としても信仰されている。また、建築の神でもあり、大工が建前の際に行う「手斧始め」の儀式の祭神とされている。スペルカードにも、神脳「オモイカネブレイン」がある。
蓬莱山輝夜 ほうらいざんかぐや
かぐや姫。
古事記に登場する垂仁天皇の妃「迦具夜(かぐや)比売命」。竹取物語のかぐや姫のモデルになったとも言われる。
蓬莱山(ほうらいさん)竹取物語で、「蓬莱の玉の枝」があると言われる、東の海にある霊山。秦の始皇帝が、徐福に不死の霊薬を取りに行かせた、東の海にある三神山の一つ。富士山の異称。中国の文献の義楚六帖では富士山は別名蓬莱山であり、徐福がやって来てそこに留まったとされている。かぐや姫の里の一つとして知られる静岡県富士市に伝わるかぐや姫伝説では、かぐや姫は富士山そのものの祭神とされる。この伝説は、富士山信仰と深く関わりがある。
彼女のスペルカードは竹取物語でかぐや姫が貴族達に出した難題そのまま。
難題「龍の頸の玉 -五色の弾丸-」
難題「仏の御石の鉢 -砕けぬ意思-」
難題「火鼠の皮衣 -焦れぬ心-」
難題「燕の子安貝 -永命線-」
難題「蓬莱の弾の枝 -虹色の弾幕-」
藤原妹紅 ふじわらのもこう
藤原不比等(ふじわらのふひと)の娘。中臣鎌足の孫。と思われる。
不比等は竹取物語で蓬莱の玉の枝を要求された車持皇子(くらもちのみこ)のモデルとされている。
藤原不比等には名称不詳の五女が居る。この五女は大伴古慈斐の室となっている。この大伴古慈斐の子は日本の歴史上一番最初の征夷大将軍となる大伴弟麻呂である。ただし弟麻呂が古慈斐の子であるという説は有力視されてはいるものの確証がある訳ではなく、また実際に親子だったとしても藤原不比等の五女が産んだ子であるか否かも不明である。大伴御行は701年に死去。藤三女(光明皇后)は701年生まれ。これをそのまま当てはめた場合、妹紅は三女より年上の秘された姉で、光明皇后は実は四女だったということになる。
江戸後期の国学者平田篤胤がとなえた天児屋根尊=八意思兼神という説をとるならば、妹紅は八意永琳の子孫にあたる。
祖父である中臣鎌足の中臣氏の祭神は建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)で、鹿島の中臣氏は鹿島神宮で建御雷之男神を祀っている。建御雷之男神は国譲り神話で建御名方神(たけみなかたのかみ)を打ち負かして諏訪に追いやった神であり、後に記述する八坂神奈子と関連がある。
建御雷之男神は『古事記』では物部氏の祭神である経津主神(ふつぬしのかみ)と同じ神とみなされている。また、建御雷之男神は『古事記』において布都御魂(ふつのみたま)という剣を使用しているが、この剣は物部氏が祭祀をしていた石上神宮のご神体である。後に記述する物部布都と関連がある。
藤原不比等について
名前の「不比等」とは役職名「史(ふひと)部」から来ていると言われ、後に「比べて並ぶ者がいない」、要は「無双」の意味合いで字が当てられた。その優秀さから稗田阿礼と言う別名で「古事記」を作っていたと言う説もある。稗田阿礼については後述する稗田阿求に関連する。
東方花映塚 とうほうかえいづか ~ Phantasmagoria of Flower View.
射命丸文 しゃめいまるあや
鴉天狗
高尾山薬王院本堂の左右には、巨大な大天狗や小天狗の面があり、青い顔をした小天狗は、口がくちばしのような感じをしており、烏天狗とも呼ばれている。
薬王院では薬師如来とともに飯縄大権現が本尊とされている。天狗は飯縄大権現の守護役とされており、山を守る神様としても祀られている。
飯縄大権現は後述する飯綱丸龍に関連する。
射命丸(しゃめいまる)「写メール」が名前の由来。撮影ゲームの構想ありきだったとのこと。元々は紅魔郷のスナップショットを撮影していたときに「これゲームになるんじゃ?」とひらめいたのが発端。
文天狗の落とし文という伝承があるらしい。読解不能な文字で書かれた紙は、天狗や神様が使う文字で知識や予言が書かかれている。神社で悪さをした天狗が退治されて、お詫びとしてそういったものを置いていく話が多いらしい。怪談マンガで、電柱に貼られた天狗の新聞というのがあるらしい。
デザインに関しては実在の天狗が持っているものと同じものが多い。
頭襟(ときん)山伏が頭に乗せている物。
大日如来の五智の宝冠をかたどっている。十二の襞は十二因縁をあらわす。
梵天袈裟山伏が掛けている袈裟。不動袈裟とも。六つの梵天は、六波羅蜜をあらわす。
風神録のYシャツ神主の私服から。
葉団扇天狗の扇は不思議な力を持つ扇を持つとされる。民話には空を飛べる扇や、鼻の長さを伸ばしたり低くしたりする扇などが登場。
下駄天狗が履いているのは一本歯下駄という下駄。別名を天狗下駄という。
メディスン・メランコリー
メディスン(medicine)薬。本来、薬と毒に違いは無い。(特に内科の)医学、医術。
メランコリー(melancholy)憂鬱(な)。哀愁(の)。鬱病(の)。古代、中世医学の四体液説における黒胆汁のこと。「メランコリア(melancholia)」とも。この黒胆汁が、鬱病などを引き起こすとされていた。
メディスン・メランコリーアメリカのSF小説家レイ・ブラッドベリの短編集「メランコリイの妙薬(A Medicine for Melancholy)」から?
コンパロ
メディスンが毒を集める際に「コンパロ、コンパロ、毒よ集まれー」と話しているコンパロはスズランの持つ毒の名前に由来する。
強心配糖体のコンバラトキシン (convallatoxin)、コンバラマリン (convallamarin)、コンバロシド (convalloside) などを含む有毒植物。
風見幽香 かざみゆうか
風見
風の方向を知る道具に風見と言うものがある。その中に風見の烏というカラス型の風見がある。転じて高い所から見下ろす様子から、他人を見下している人物の比喩。クルクル回る(状況によって態度や行動を変える)ことの喩え。幽香は、季節によって花が咲く場所が移り変わるのに合わせて移動していく。
稀翁玉にゲスト出演した際に「宵闇小町」という二つ名を持つ。
〇〇小町は〇〇の美人と言う意味。美人だったことで有名な歌人の小野小町に由来する。花映塚で共に出演していた小野塚小町と関連?
稀翁玉でのテーマ曲桜花之恋塚の元ネタとされる歌舞伎「貞操花鳥羽恋塚」(1809年11月初演)に登場するヒロインの一人に「待宵の侍従」がいる。「待宵の侍従」のモデルは平安末期から鎌倉初期の歌人である「待宵の小侍従」。小野小町と同じ女房三十六歌仙の一人。西行法師とも親交があり、病床にあった小侍従を西行が見舞ったり、逝去した西行に小侍従が追悼の歌を詠んだりしている。
小野塚小町 おのづかこまち
小野篁(おののたかむら)遣唐使に任命されたが、仮病を使って職務を拒否した。そのため嵯峨上皇の怒りを買って流刑に処されるが、1年後に許されている。伝説では、夜になると冥府に赴いて閻魔大王の裁きの補佐していたとされる。
六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)にある「冥土通いの井戸」(現存)から冥府に通っていたと言われている。
小野小町(おののこまち)平安時代の女流歌人。絶世の美女だったと言われる。「花の色は 移りにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせし間に」という和歌が有名で、小倉百人一首に選定されている。小野小町の晩年は不遇だったと言われている。乞食に身をおとした老女の小町が登場する「卒塔婆小町(そとばこまち)」という能があり、小町は死の前に「我死なば 焼くな埋むな 野に捨てよ 飢えたる犬の 腹を肥やさん」と歌を残して、自分の死体を捨てさせたという伝説もある。ちなみに、小野小町が亡くなったとされる場所を"小野塚"、"小野小町塚"と言う。諸説あるが、小野篁の孫とされる。
小野妹子(おののいもこ)聖徳太子(後述する豊聡耳神子本人)の命により遣隋使として海を渡って隋に派遣された。小野篁や小野小町の先祖にあたる。
四季映姫・ヤマザナドゥ しきえいき・ヤマザナドゥ
四季(しき)花映塚は四季の花々が全て咲く異変の話。
ヤマYamaはヤマ(閻魔、夜摩天の原語)東方Project人妖名鑑 宵闇編 神主のコメントでは「ヤマは夜摩天から……というのはもちろんなんだけど、どっちかっていうと幻想郷が、「"山"の中」の楽園だから(笑)」と語られている。
ザナドゥ(Xanadu)楽園。理想都市。理想郷。元々はXanaduはモンゴル帝国(中国王朝名:元)の夏都(夏の間だけの都、政府単位の避暑地)であった上都(じょうと)のこと。実際の発音は「サンドゥ」もしくは「ザンドゥ」。マルコポーロが『東方見聞録』においてXanaduとしてヨーロッパに紹介して知られるようになった。マルコポーロはザナドゥを絢爛豪華な都として紹介したことから、「黄金の国ジパング」と同様にヨーロッパ人の想像力を掻き立てた。『東方見聞録』を読んだイギリスの詩人コールリッジが自著にザナドゥという同名の架空の歓楽の都市を登場させた。これ以降、ザナドゥは西洋では理想郷(理想都市)を表す一般名詞として使われるようになる。これは東洋における「桃源郷」と同じ使い方。ここでは「幻想郷」を指す。
ヤマザナドゥ(Yamaxanadu)
以上のことを繋げると、楽園の閻魔。幻想郷の閻魔と言う意味になる。
山の中の楽園→幻想郷ともとれる。
東方緋想天 とうほうひそうてん ~ Scarlet Weather Rhapsody.
永江 衣玖 ながえ いく
竜宮の遣い・龍宮の使い魚類の一種「リュウグウノツカイ」リュウグウノツカイは深海魚で一種で、深海200~1000mに棲んでいる。体長は通常は3m程度だが、大きいものでは10mを超える個体もある。
衣玖のデザインは帽子にはリュウグウノツカイの触覚を模したリボン。服と羽衣にはヒレと似たフリルがついている。
東方外來韋編 神主のコメントより「永江衣玖のデザインについて(天女の)羽衣と魚(リュウグウノツカイ)のヒレとを重ねて(リュウグウノツカイは)生きてる時は赤いとか、泳いでいる時は垂直だとかが取り入れられています」と記述されている。
生きたままではめったに人前に姿を現さず、日本においては時折死んだリュウグウノツカイが日本海側の浜辺に打ち上げられる。伝承では、死んだリュウグウノツカイが打ち上げられるのは大地震など天変地異の前兆といわれる。
東方外來韋編より竜宮の使いはときおり人間の世界に現れて、龍からの伝言や地震の発生を告げるだけ告げて去っていくのが主な活動だと記述されている。
永
リュウグウノツカイは長い魚。
長く終わりのない。永遠、永劫江海。
永江「永→長」とすると長江。「江」だけでも長江の意味がある。長江は龍に例えられることがある
比那名居 天子 ひななゐ てんし
天人くずれ。
天人は、仏教で天界に住む人。天界は六道中の最上位で、天界の中の最上位が非想非非想天。比那名居一族は他の天人とは異なり、修行を積んだわけでも無く、ただ名居守に遣えていただけだったので、天人としての格を備えておらず、天界では不良天人とすら呼ばれていた。
名居守(なゐのかみ)名居神(ないのかみ、なゐのかみ)は、地震の神。上の名居の項にある通り「なゐ」は元々大地を表す言葉だったので本来は大地の神という意味。神の名前ではなく「風の神」や「海の神」のような神格の一つかそれらに宿る神又はそれらそのものを神とみなしている信仰形態における表現。
日本書紀によると、推古天皇7年(599年)の大地震後、諸国に名居神を祭る神社が作られた。三重県名張市の名居神社(現在の主祭神は大己貴命)はその1つと言われる。名居(なゐ)地震の古語。元は「なゐふる」だったが省略された。「な(土地)」と「ゐ(居)」を合わせた「なゐ」は大地を表す古語で「ふる」は読んでの通り振動する、震えるという意味。
天子(てんし)天帝の子の意味。天子は有頂天の比那名居家の総領娘。
要石(かなめいし)を扱う。みましの石、座禅石とも。各地に祀られている地震を鎮めていると言われている石。時代や地域によって異なるがかつては地震の根源が龍であるとも考えられていて鹿島神宮などにおいては要石は龍を鎮める武甕槌神の石剣とされていた。江戸時代になると大地に潜った大鯰が地震を起こすという話が流布し要石は大鯰を鎮める巨岩であると言われるようになった。東方外來韋編 ZUNコメントより要石は「源平討魔伝」ネタです(笑)と記述されてる。
東方風神録 とうほうふうじんろく ~ Mountain of Faith.
秋静葉 あきしずは
紅葉の神。紅葉は侘び寂びの寂びを象徴するもののひとつとされる。寂びは、静けさや古ぼけたものに見い出される。
東方紫香花 「六十年ぶりに紫に香る花」にて以下のような記述がある。
「誕生を意味する春、成長を意味する夏、成果と衰退を意味する秋、そして死を意味する冬の四つ」
幻想郷の四季の性質において秋だけが二つの意味を持つことから、秋の神は姉妹にして、成果を司る神を穣子に、衰退を司る神を静葉に当てたということか。
紅葉の神と豊穣の神の姉妹木花咲耶比売(コノハナサクヤヒメ)と木花知流比売(コノハナチルヒメ)の姉妹が意識されている?大山津見神(オオヤマツミ)の娘。木花咲耶比売が豊穣神、木花知流比売が花を散らす凶作の神とされることがある。また、花が散った後に実が実ることから、逆に木花知流比売の方が豊穣神とされることもある。秋穣子の曲名にある稲田姫やスペルカード名にある大歳神は、大山津見神の孫。木花知流比売は稲田姫の子に嫁いでいる。
妹である秋穣子のテーマ曲が稲田姫様に叱られるから。
稲田姫(いなだひめ)について
クシナダヒメ(奇稲田姫、櫛名田比売)の別称。テナヅチとアシナヅチの末娘で、ヤマタノオロチ退治の末スサノオに嫁ぎ、日本書紀ではオオナムチ、古事記ではオオナムチの6代前に当たるヤシマジヌミを産んだ。ちなみにテナヅチとアシナヅチは諏訪子のスペルカードであり、配下である手長足長と同一視される。
クシナダヒメは「奇し稲田姫」と解釈され、稲田の豊穣の神とされる。静葉の秋穣子も豊穣の神様。
秋穣子 あきみのりこ
穣子は姉とともに幻想郷の秋を司っている神。日本神話における秋毘売神(アキヒメ)を東方風にアレンジしたものか。スサノオの息子である大年神(オオトシ)と天知迦流美豆比売(アメノチカルミヅヒメ)の間の子に羽山戸神(ハヤマト)があり、その羽山戸神と大気都比売神(オオゲツヒメ)の間に生まれたのが秋毘売神。秋毘売の父親である羽山戸は山の麓を司る神であり、穣子が妖怪の山の麓に登場することと合致する。なお、秋毘売の母親にあたる大気都比売はスサノオに殺されて穀物を生む、ハイヌウェレ型神話としても有名。
両足が左足単なる間違い?ただし、製品版でも修正されなかった。一本足である案山子(かかし)を表現している?案山子は、田畑に設置し鳥などを追い払うための仕掛け。一本足の人型が有名。案山子は、民間習俗の中では田の神の依代であった。「かかし」の語源は「嗅がし」であるとも言われる。それは、獣肉を焼き焦がして串に通し、地に立てたものも「かかし」と呼ばれるためである。霊夢と匂いについて会話していたのはこのため?
鍵山雛 かぎやま ひな
厄神様戦闘中ぐるぐる回っている。これは川に流された人形がくるくる回る様子からか。
厄が集まる「渦」を表わしている?渦は禍々しいといった不吉な意味合いのある「マガ」という読み方もある
髪の毛を前で一つにまとめた髪型ローマ神話の運命の女神「フォルトゥナ」?。フォルトゥナは「チャンスは後からでは掴めない」ことを表すためにすべての髪を前で束ねているとされる。雛のスペルカード悪霊「ミスフォーチュンズホイール」の名前の元ネタと思われるタロットカードの「運命の輪(Fortunes Wheel)」のモデルはこのフォルトゥナと言われている。
鍵山厄を山に溜め込む「やくがみ」を子音でアナグラム
雛(ひな)流し雛(ながしびな)厄と一緒に雛人形を流す。本来は船に乗せて海まで流すが、幻想郷には海がない。妖怪の山の上流から流した厄は雛が周囲に集める。
河城にとり かわしろ にとり
河童キャラ☆メルvol.2(2007年12月) 風神録の神主インタビューにて
「僕の中では技術者のイメージがあるんです。河童という妖怪は中国や高麗や百済から来たような、迫害されて川に住んでいた人たち優れた技術を持っていたことが起源かもしれませんし、そうじゃなかったとしても、なんとなく調子がいいけど偏屈で、技術に対しては頑張る感じがイメージとしてあるんです」
と記述されている。
河城(かわしろ)河伯(かはく)→河白→河城(かわしろ)?河伯は中国の川の神で、日本では河童扱いされている(東方香霖堂17話)。日本では河童とされることが多い西遊記の沙悟浄は、中国では河伯とされることが多い(ただし、西遊記の原典では河伯とは言っていない)。河童(かっぱ)の語源は河伯(かはく)だという説があるが根拠が薄く全くと言っていいほど支持されていない。また、かつては河伯の字を河童に当てたこともあった。ちなみに河伯と河童は全くの別物である。
にとり
芥川龍之介の小説『河童』の一節「そのうちにやっと気がついてみると、僕は仰向けに倒れたまま、大勢の河童にとり囲まれていました。」から?
にとりのテーマ曲は芥川龍之介の河童。
芥川龍之介の小説『河童』では、河童の社会ではさまざまなものを自動で製造する機械が次々と発明されている。また同作中には「檀那はお忘れなすったのですか? 河童にも機械屋のいると云うことを」という台詞がある。エンジニアなので、園児服に近い服を着ているとのこと。
キャラクターデザインとしては帽子が河童の皿。
左手に持つ蒲の穂(がまのほ)は芥川龍之介が屏風に描いて芸者に与えた「水虎晩帰之図」で右肩に蒲穂を背負い左手に魚を持った河童が描かれている。
右手に持つシダの葉はそれで頭を撫でると人間に化けることが出来るとされる。
リュックが河童の甲羅。
ポケットが芥川龍之介の小説『河童』にて、河童はカンガルーのような袋を持ち、ポケットとして使うと記述されている。
東風谷早苗 こちやさなえ
現人神。
諏訪では諏方氏(建御名方神の子孫とされる)が現人神として祀られてきた。但し、祭祀での実権はなく、その上すでに諏方氏は途絶えている
守矢早苗(もりやさなえ)。守矢家第七十八代現頭主で、実在の人物。
守矢家は洩矢神(後述する洩矢諏訪子)の子孫として代々、諏訪神社上社の神長官を務めていた。洩矢神の祭祀を司っていた守矢家では代々口伝で神事の秘法が伝えられていた。その秘伝は一子相伝であり、真夜中火の気のない祈祷殿の中で伝えられたそうである。しかし明治五年、時代の流れにより世襲の神官の職は消え去った。明治六年に家宝であった鹿骨製の御宝印や御頭お占法用具そして鏡、太刀などが諏訪大社上社へと移されたが、ミシャグジ神の祭祀に使われる佐奈伎鈴(さなぎのすず、複数個を用いて大御立座神事などに使われた)は家に残された。守矢実久(七十六代目頭主)の代で明治となり神長官職が消え、口伝が失われるのを惜しんだ実久は守矢真幸(七十七代目頭首 実久の 弟 諏訪大社の禰宜を経て宮司)に口伝の一部を伝えたが、守矢早苗(七十八代目頭首 真幸の孫 教職に就き2006年3月末まで校長職、その後も環境学習の講演など)には伝承されず、代々続いてきた秘伝はついに絶えた。これにより、守矢の秘伝を知る人物は一人としていなくなったのである。
守矢家守矢家の系図で1代目は「洩矢神」、2代目は「守宅神」(後に守田神)3代目は「千鹿頭神」、4代目は「児玉彦命」、5代目は「八櫛神」。千鹿頭神の后神は宇良古比売命。守矢実久が口伝の系譜を文書として残した「神長守矢氏系譜」によると、4代目の「児玉彦命」(片倉辺命の子)は建御名方神の孫。建御名方神が「千鹿頭神」跡を継ぐのは「児玉彦命」と言ったからその通りにしたと書かれている。建御名方の孫娘「美都多麻比売神」(守達神の子)を娶り、八櫛神が生まれた。児玉彦命への洩矢神の血筋の含まれ方がどうなっているのかは説明されてない。含むと仮定して合理的に考えたら母親?(『続・高部の文化財』では、片倉辺命と千鹿頭神の子が児玉彦命と解釈)洩矢神の子は1男1女があり、息子は守矢家の祖先、娘(多満留姫)は出早雄命(建御名方神の子)に嫁いだ。用明天皇の御世(在位585-587年)の守矢家の祖先は、武麿君。守矢早苗さんによると、神長官裏古墳(7世紀頃のもの)にあるのが1200以上昔の守矢家の祖先の武麿君の墓と祖母から聞かされたとのこと。蘇我氏に敗れた物部弓削守屋の次男・武麿が諏訪の守屋山に逃れたという話がある。前九年の役の頃の神長官は、守矢守真。安土・桃山時代の神長官は、守矢頼真(初名、守矢頼実)(1505-1597)。1520年に神長官に就任。親は守矢有実。1559年に嫡男の守矢信真(武田晴信(武田信玄)より1字与えられ信実に、後に信真)が神長官を継いだ。
東風谷(こちや)実在する姓。守矢+東風。
東風(こち、こちかぜ、ひがしかぜ、とうふう、あゆ、あい)春に吹く東方からの風。
東風は雨を降らせ、大漁や豊作を告げる風であるとされている。
早苗の能力は奇跡を起こす程度の能力。口伝の秘術を使い、水神、風神である後述する八坂神奈子の力を借りて雨や風を起こす奇跡を起こしていた。八坂神奈子は風雨の神徳に関係して、農業の神としても祀られている。
公式書籍「東方酔蝶華 ロータスイーター達の酔醒」にて早苗は秋の豊作を豊穣の神(神奈子)のお陰と感謝していた。
八坂神奈子 やさかかなこ
神様 神霊東方における神霊とは、元人間の神(亡霊が神として崇められるようになったもの)のことをさす。生きたまま神霊になる場合と死んだ後に神霊となる場合があるとされるが、神奈子がどちらに該当するかは不明。ちなみに、神霊ではない神は八百万の神で後述する洩矢諏訪子はこちらに属する。
因幡てゐを助けた大国主神の息子、建御名方神(タケミナカタノカミ)の妻神である八坂刀売神(ヤサカトメノカミ)が神奈子。
諏訪大明神絵詞等の伝承によれば、建御名方神は洩矢神を倒して諏訪の祭神になった出雲の神。軍神、風神、農神などの側面を持つ。諏訪明神建御名方神は水の神(精霊)洩矢神や手長、足長などの多くの先住の神を打ち負かし服従させた外来の神であると記されている。洩矢神の子孫(後の東風谷早苗)であるとされる守矢氏は諏訪大社の初代神主となり代々神長官を務めていた。
古事記においては、建御名方神は国譲りの際に武の神タケミカヅチに勝負を挑み敗北し(この時、応戦してきたタケミナカタを投げ飛ばした様から相撲の祖とも言われている)諏訪の地に封じ込められてしまった神。このため劣勢の状況でも容易には屈しない、強い武威を示す神ともいえ、敗北を喫した神でありながら日本三軍神に入り、武田信玄をはじめとした戦国武将にも崇敬された。
なお、タケミナカタがタケミカヅチに負けるという話は奈良時代以前の資料では古事記にのみ見られるもので、諏訪地方の古くからの伝承ではそのような話はない。古事記が成立した時期は藤原氏が急速に力を増し始めた時期と重なっており、確たる証拠はないが、当時の藤原氏が権威の強化のために古事記の編纂に加わり、藤原氏の氏神であるタケミカヅチが諏訪地方の有力神であるタケミナカタを服従させた事にした、などの説もある。
東方では、諏訪子の王国の中で「守矢」と呼ばれた別の新しい神様。「新しい神様とは、大和の神話の名目を保たせる為の名前だけの神であった」ということらしい。営業が神奈子で、実務が諏訪子、名義が建御名方。
神奈子
八坂刀売神を祀る諏訪大社の御神体は守屋山。御神体が山であるとき、それを神体山または神奈備(かんなび)と呼ぶことから?
神奈川の語源の説の1つに、「神大いに示すの地、よって神大いに示すと書き、字を神奈川となすべし。」と源頼朝が言ったというのがある。この話から、「神大いに示す」という意味?
キャラクターデザインとしては蛇を連想させる注連縄(しめなわ)をつけている。
脱皮を繰り返す蛇は、復活と再生、永遠を意味している。諏訪子との戦いに勝利した事をアピールする為のもの。蛇は蛙を食うことから。
蛇は豊穣神、天候神として古くから信仰を集めていた。また、光を照り返す鱗身や閉じることのない目が鏡を連想させることから、太陽信仰における原始的な信仰対象ともなった。
後述する霊烏路空へ八咫烏の力を与えるという東方地霊殿での出来事は、この太陽信仰からの連想か?
ちなみに、諏訪子のモチーフである蛙(ヒキガエル)は、兎とともに月の象徴とされ、日蝕は、金烏(太陽の象徴)がヒキガエルによって隠される現象であるとする言い伝えがある。事実、日蝕は太陽が月によって覆い隠される現象である。蛇は縄文時代の古代祭祀で崇められていた形跡がある。諏訪市で出土した「蛇体把手付釣手土器(じゃたいとってつきつりてどき)」などはその一例とされる。これ以外にも蛇をモチーフとした縄文土器は中部地方を中心に多数出土している。
鏡は諏訪大社の宝物「真澄の鏡」。
背負っている物は御柱。7年目ごとに行われ、柱を更新する諏訪大社における最大の行事である御柱祭(正式名称は式年造営御柱大祭)を表している。
洩矢諏訪子 もりや すわこ
神様。
いわゆる八百万の神である。(東方求聞口授 幻想郷縁起より)
神としての性質はいわゆる土着神、つまり地方特有の神様である。諏訪地方、諏訪大社で祀られている。作中で土着神の頂点と言う二つ名を持つ。
諏訪大社は4宮の神社からなる(上社前宮・上社本宮・下社春宮・下社秋宮)があり、諏訪子戦の背景には下社秋宮が映っている。
洩矢神(もりやのかみ、又はもれやのかみ)。ミシャグジ神と同一視されることもあるが、一方でミシャクジを祀っていた氏族やその長を神格化した首長霊信仰ともされる。
また「諏訪子」の名は諏訪湖そのものに由来する。諏訪の伝承によれば、諏訪に侵入してきた建御名方神(八坂神奈子の元ネタ)と衝突し、建御名方神は藤蔓を、洩矢神は鉄輪をそれぞれ手に取って闘った。しかし藤蔓に敗れた洩矢神は、その支配下にくだったとされる。この神話は、タケミナカタの故郷越の国(現在の新潟県あたり)との交流と、それまでの鉄器文化が新たな産業を得たことを示しているとも考えられている。スペルカードである『源符「厭い川の翡翠」』や『姫川「プリンセスジェイドグリーン」』はタケミナカタの母神沼河比売に由来するものであり、かつて糸魚川で産した霊力を持つ翡翠を諏訪が得ていたと見ることが出来る。
少女の姿をとっているのは、「諏訪明神」(あるいはミシャグジ)が八歳の童子をヨリマシとして宿るとされているところから来ているのであろう。「頭の帽子が本体」と言われてしまうゆえんである。
ミシャグジさまについて
ミシャグジさまとは、建御名方神を祀神とする諏訪大社の本来の祀神とする説のある土着神のことである。
諏訪地方の土着神であり、祟り神の一種である。だいたい男性器の風貌で祭られ、8歳の少年を依り代にするとも謂われている。諏訪大社のお祭りが有名で、諏訪湖の氷が裂けるという『御神渡り』もタケミナカタではなくこの神が渡っているとする見方もある。
「赤口さま」「石口さま」「御社宮司さま」「社宮神さま」ともいわれ、詳しい由来は定かではない。日本各地に諏訪神社(おすわさま、諏方神社とも)があるが、総元締めは信濃地方の諏訪大社。ご利益は「病気平癒」「子孫繁栄」「家内安全」「五穀豊穣」「交通安全」「天候平穏」など。なお、祟り神でもある。
ミシャグジさまの初出は『真・女神転生』。シリーズを通して種族「邪神」の悪魔(仲魔)。
男根を模した白蛇の姿という蛇神としての神性を意識したデザインで、後の『デビルサマナー ソウルハッカーズ』では信仰の象徴である御柱を抱く四肢を備えた姿が描かれる。
その強烈なデザインで、マーラ様と並ぶご立派な悪魔としてメガテニストの心を奪った。『葛葉ライドウシリーズ』では『ソウルハッカーズ』仕様の四肢を備えた姿で登場し、二足歩行と御柱を得物とした優秀なアクション性能を備え、万能属性の“たたり生唾”と広範囲+魅了付着の“たたり艶電”という特殊スキルを持して敵としても味方としても猛威をふるった。特に“たたり生唾”は相手を追尾する白い唾を口から吐き出すというもので、ミシャグジさまのデザインも相まってかなりアレな技である(後にマーラ様も使用)。
ATLUSは当初「ミシャグジ」という名前だけの表記で登場させようとしたが、不具合や怪事が続出した為に「さま」をつけたという。ちなみに、祟られたのは平将門公に続き二度目だとか。
十五時間くらい調べて何とか風神録までまとめられました。
射命丸文を調べていた時に飯綱丸龍の元ネタの大物っぷりに驚かされましたね。
地霊殿以降はまたいずれ。書籍出演キャラ含めて必ずまとめきってみせます。
参考文献
東方元ネタiki
Wikipedia
ニコニコ大百科
pixiv百科事典
日本の神様辞典やおよろず
DscoverJapan
TRAVEL STAR
東方裏ふたば