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思い出し泣き笑い14〜大家さん

施設に入所して数日が経った頃、母から電話がかかってきた。
施設の電話を借りてかけることは出来ると聞いていた。

「皆さん、とっても良くしてくれてありがたい」という報告だった。

良かった。母が抵抗なく暮らしていることに安堵。

「じゃあまたね。今大家さんに変わるね」

施設をアパートだと思っている。
こういうやり取りがあると、認知症をいいことに騙している気になってしまう。
騙しているのかもしれないな。

施設の契約は1人一部屋が決まりだが、父と母は一部屋に2つベッドを入れてもらった。もう一部屋は荷物置き場になっている。
これもありがたい話だ。

子供達を連れてジィジとバァバに会いに行って来た。
一緒にどら焼き食べてお茶飲んでお喋りして。
何度も同じことを聞いてくるバァバに何度も真面目に答える長男と、毎回同じ質問に違う答えを返す次男。

ジィジは終始爆笑してたし、バァバは泣きながら笑ってた。
また会いに来るからと約束した。