女子少年院の少女たち
少年院と括られると、非行少年が行くものと思われがち。
それは確かに間違っていないけれど、少女、「女の子」が行くのも少年院なのだ。それが「女子少年院」。
なんとなく、そうした存在を知ってはいたけれど、自分が真剣にこうした施設にいる子のことを考える時が来るなんて思わなかった。
きっかけは、この本を読んだから。
「女子少年院の少女たち」
ここ10年ほどNPO支援のボランティアに度々関わってきたのだが、その流れで1年半ほど前に関わったのが、様々な理由から家庭に帰れない少年少女のためのシェルターを運営する団体。
正直、非行に走る少年少女なんて、ただ素行が悪いだけだと思っていた。でも彼ら、彼女らは、そうならざるを得ないSTORYを持ってた。
育ちの環境、親の状態…。
非行に走るのは自然の流れに感じた。そして不運にも、少年院に入ってしまう子たちもいて。様々な事情を知ると、彼らは、被害者なのだと感じるようになった。
紹介したい本の話に移ろう。
「女子少年院の少女たち」著書 中村すえこ
女子少年院に在籍し、非行にあった自分から再生をのぞみ、懸命に生きる女の子4人のドキュメンタリー。その中には、家庭環境や育ち環境に問題を抱えている子もいれば、恵まれた環境で育ちながらも横道をそれてしまった子もいる。
つまり、誰でも、非行と見なされる道へと行く可能性があったってこと。
光ふり注ぐ道と不運に彩られた行き先。その二つは紙一重なのだとつくづく思う。
彼女たちは、みんな等しく、「愛」に飢えていた。それが切なく、喉元に苦しさが込み上がってくる。。
作者は、中村すえこさん。ご自身も非行から少年院に入った経験があり、そこから再生し、様々な苦労をしながら学びを重ね、見事に人生を生きられている。
すえ子さんはこの本に登場する4人の少女を描いたドキュメンタリー映画「記憶」を作られ、4人のさらに詳しい事情とアフターストーリーをこの本に綴っておられる。
わたしは、映画を観て、彼女の講演を聴き、この本を読んだ。
ぬくぬく、ぬるぬると生きてきたわたしにとって、衝撃的な内容だった。
詳しいことは、本、映画から知ってもらえたらと思うのだけど、すえこさんが強く訴えていた「社会を変えたい」。この思いを、わたしもできる限り発信できたらと思っている。
本の情報はこちら
中村すえこさんの著書はこちらにも。
ありがとうございます。