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アルーレンでイニシアチブ環境を生き残る
noteではかなり久しぶりの投稿になります。
皆さま、変わらないアルーレンライフをお過ごしでしょうか?
なぜいきなり記事を書く気になったのかというと、直近で行われたエターナルパーティの結果に愕然としたからです。
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10人も使用者がいるのに負け散らかしていることからも分かる通り、明らかに今握るべきデッキでは無くなっています。このままではアルーレンに愛想を尽かす人が増えてしまう!
ということで今回は、あるカードを採用したことで勝率が劇的に上がったアルーレンの構築について紹介していこうと思います。
イニシアチブがアルーレンに与えた影響
先日、主力となるイニシアチブ生物がMOに実装されたのに伴い、レガシー環境でもイニシアチブデッキが注目されている。この記事を読んでいるような方々に対して、イニシアチブについてのルール的な説明は不要かと思われるので割愛する。
イニシアチブは先にパウパーで大暴れし禁止されたシステムであるが、そのパワーはレガシーでも通用する。
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この地下街というダンジョンの性能は「アーチリッチ・アサーラック」という、どこかの引きこもりのゾンビが守っているダンジョンとは一線を画す。
私自身、前情報なしにイニシアチブに当たったときは
「イニシアチブ?あ~ダンジョン探索するのね。世界一ダンジョン周回している俺に言わせれば、ダンジョン探索とかww」
と思っているうちにミンチにされた。
この地下街というダンジョンは、まず入るだけで土地を1枚サーチし、最低限の仕事を終える。そのあとは、攻めと守り、いずれかのルートを選ぶことになる。
攻めればクリーチャーのパンプアップとライフルーズで、とんでもないスピードでライフを詰めてくるし、守れば占術や攻撃強制、クリーチャー生成で反撃の手を着々と整えてくる。
どのルートも役割を持っており、それぞれが噛み合った非常に強力なダンジョンなのだ。数ターンイニシアチブを維持された際の盤面は、きっと目も当てられないものになっていることだろう。
現在のレガシーは、このイニシアチブをいかに取れるかが勝利のカギとなっている。そのため、イニシアチブを奪い返すことが困難なミッドレンジやコントロールは、現在非常に難しい立ち位置となっている。
維持するだけで、膨大なアドバンテージを稼ぎ出すイニシアチブは、アルーレンにとっても無視できない厄介な能力だ。
「飛行クリーチャー主体のアルーレンでイニシアチブがそんなにつらいの?」
と思う方もいるかもしれないが、これがなかなかにつらい。
最序盤にイニシアチブを取られてしまうと、一度奪い返したくらいでは盤面を返すことが出来ない。アルーレンに標準搭載されているクリーチャーは2~3マナが主体であるため、これらが殴り始める前に、相手の場には強力なクリーチャーが複数並びたつ。せっかく出したクリーチャーを守りに回さなければライフが保てなくなってしまうのだ。
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数あるイニシアチブクリーチャーの中でも「練達の地下探検家」はアルーレンの天敵である。アルーレンが得意とする「悪意の大梟」と「氷牙のコアトル」による肉壁戦略を無視して殴ってくるため、イニシアチブを維持することが困難なのだ。
ならばコンボを……と考えたくなるが、「選定された平和の番人」と「エメリアのアルコン」の前ではそれも難しい。
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アルーレンが求めているもの
対イニシアチブを考えたときに、まず白羽の矢を立てたのがBUGアルーレンだ。数あるアルーレンの中で、最も「断片無き工作員」を用いた横並び戦略を取りやすく、動きも安定している。イニシアチブを奪うことは問題なくできるだろう。
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問題はプロテクション(クリーチャー)をもって殴ってくる「練達の地下探検家」などのクリーチャーにいかに対処し、イニシアチブを維持するかである。
また、BUGアルーレンは、動きが素直すぎるという欠点も抱えている。このデッキには、相手を圧倒するようなブン回りと言える動きがほとんど存在しない。2ターン目に2マナの生物を、3ターン目に3マナの生物を唱えていくのが基本となるため、早いテンポの相手にはついていけないことが多い。頼みの除去も「突然の衰微」という2マナのやや重い呪文であるため、クリーチャーの展開と除去の両立が難しい。それを「花の絨毯」などでごまかすのだが、相手が白ではそれも通用しない。
これらを踏まえてBUGアルーレンが求めるカードの条件は次の3つだ。
① 8梟や衰微で対処できない「練達の地下探検家」を処理できる。
② 軽いマナコストで唱えることができる。
③ 「断片無き工作員」でめくれない。
②と③が矛盾しているようだが、これが重要である。このデッキは普段はできるだけ横並びをさせたいのだ。そのため、更地で「断片無き工作員」を気軽に唱えられないのでは意味がない。「断片無き工作員」でめくれるのは、どんな場面でも一定の仕事をするカードがよいのだ。
そんなカードないよなあ、と思いながらTwitterを眺めていた時に、フォロワーの方のあるツイートが目に入った。
@otb33291187 5-0 with this list. It has felt really strong with the addition of Green Sun's Zenith and Snuff Out (which doubles as a mana accelerant/sac outlet with Explorer and Rector). Been clicking at a really high win rate. pic.twitter.com/79oXcFXU9P
— Stefan (@charble1) November 16, 2022
自分への@付きでツイートしていただいた、このアルーレン。面白い構築だな~と以前から思っていたのだが……
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この「殺し」というカード。相手に撃たれることはあっても、自分で使うことはなかった。それもそのはず、古のアルーレンにおいてライフは重要なリソースで、「洞窟のハーピー」とループする際のドロー枚数にも直結するため、自ら大きく削ることなど考えられなかったのだ。
しかし今は令和。アルーレンがライフ回復に悩んでいたのは過去の話となっている。アルーレンには「自然の怒りのタイタン、ウーロ」という最強クリーチャーがいるのだ。ライフ4点など……少し痛い程度だ。
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進化したBUGアルーレン
固定概念を捨て去り「殺し」を採用したのが以下のリストである。「殺し」は2枚採用にとどめているが、3枚まではメインでも採用可能だと思われる。
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直近30戦の成績は23/30と十分満足のいく結果だ。内訳は以下の通り。様々なデッキとの相性が改善されている。
【勝ち】
Elves , UR Delve×4 , Mono White Initiative×2, karn Echo×2 , ANT×2 , 4c minsc , Mono Red stompy×3 , Sneak&Show , BR reanimater , Stifle Note , BG Loam ,Cephalid Breakfast , RW Inithiative , 4c Affinity , containment construct storm
【負け】
Doom's Day×3 , BR reanimater , UR Delver , White Black Inithitive , rogue
今回使ってみて初めて分かったのだが、アルーレンに「殺し」は非常にかみ合っている。これまでアルーレンは数少ない「突然の衰微」で、相手が展開してくる脅威に対処していた。
先手1ターン目に着地する「ゴブリンの熟練扇動者」などの、「突然の衰微」が間に合わないクリーチャーにはリソースを投げ捨てる「Force of Will」を当てなくてはいけなかった。
もし除去を構えたいのならば、常に2マナを立てておかなければならないため、自分の展開もままならなかった。
また、一度着地してしまった4マナ以上のクリーチャーに対処する術がなく、どうにか接死もちのクリーチャーで止まってくれることを願うしかなかった。
しかし「殺し」が、これらの問題を一気に解決した。最序盤のクリーチャーから、後半着地する大型クリーチャーまで幅広く対処できる除去をアルーレンは手に入れたのだ。
今まで「Force of Will」を使わされていたカードの多くは「殺し」で処理できるため、本当に対処しなければならないどうしようもない脅威のためにカウンターを温存できるようになった。
BUGアルーレンの天敵である「船殻破り」の見えない影に怯え、常に2マナを立てる必要も無くなった。
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また、目くらましをかわしながら、後手1ターン目に「ドラゴン怒りの媒介者」を除去できるので、対デルバーのテンポ面での不安も改善された。
何より序盤のイニシアチブの取り合いに非常に強くなった。相手の出鼻を挫き、その間に横展開したクリーチャーでイニシアチブを奪い取ってしまえば、戦場を埋め尽くす接死クリーチャーとカウンターを掻い潜り、イニシアチブを取り返すのは至難の業だ。
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あなた自身がきれいなままでは、無慈悲なレガシー環境を生き残ることはできない。「殺し」という手段をもって自らの手を汚せるものだけが、地下街を制覇することができるのだ。
※追記
先日Legacy Challengeでtop4に入ることが出来たので、その動画を載せておきます。参考にどうぞ。
https://m.youtube.com/watch?v=ro4uMwWQURY&t=432s
終わりに
ずっと昔から存在したカードが、いつの間にかアルーレンで採用できるようになっていたことに驚きました。
たった数枚でも大きな影響を与えるのがレガシーというフォーマットです。もしアルーレンで、なかなか勝てずに困っているのならば、騙されたと思って使ってみると、その意外な噛み合い具合に驚かれると思います。
質問やご感想がありましたら気軽にTwitterにお送りください。
それでは皆さん、よいアルーレンライフを!