フェアな部分と悪しき不動産業界の慣習
不動産情報は囲えない!全てオープンである!
一昔前は、家を探すとき、「多くの不動産会社(仲介業者)を回れば、良い物件に出会える」と思って何件も何件も回った経験のある方もいるのではないでしょうか?
そして今、そんなことをする人は少なくなっています。
全ての物件は、全てネットに公開されています。
はき違えている方が多いので、お伝えさせて頂きます。
あるエリアに出店している不動産会社があったとします。
そのエリアに関しては、「そのエリア内に出店している不動産会社が、一番、不動産情報を持っている」と錯覚している人がいます。
はい、そんなことは全く無いです。
あるとするなら、近所付き合いがある人から売却の相談・依頼を受けるくらいなものです。
そして、不動産業者は、売却依頼を個別に受けたら公開する義務が発生します。
仲介には、専属専任媒介、専任媒介、一般媒介があります。専属専任:一社の不動産会社が買主を探すこと。専任媒介:一社の不動産会社と売主で買主を探すこと。一般媒介:多くの(仲介)不動産会社で買主を探すこと。
一社の不動産業者に依頼するときには、専属専任媒介契約か専任媒介契約を結びます。その場合、不動産業者だけが見れる専門のサイト(レインズ)に登録することが決まりとなっています。
レインズ:不動産業者だけが見れる物件共有の情報サイト
従いまして、一斉に他の不動産業者が知ることができるのです。
お伝えしたいのは、どこの不動産業者からでも、国内すべての売却したい不動産情報を知ることができ、当然、家を探している人に紹介することが可能なのです。
現在、不動産業界は供給過多です。常に数千件のマンション・戸建てが売りに出ています。
【例外】ネットに掲載されない、掲載数が少ない物件もある
買取り再販業者が扱う物件は、ネット掲載の件数にバラつきがある
■買取り再販業者:中古マンションを購入し、フルリノベーションし、売りに出すことを専門にしている不動産業者。
■フルリノベーション:一度、部屋をスケルトンにして、間取りからキッチンから全て一から考え新品を入れて工事をすること。新築同様の内装が出来上がる。
買取り再販業者の特徴として、自社では販売しないということがあります。
販売は、他の仲介業者に任せることがほとんどです。
買取り再販業者は、物件を買うこととフルリノベーションすることに特化していると思ってください。
自社で販売すると、販売のための営業マンを雇わなければいけませんし、一社でも多くの仲介業者に販売で動いてもらった方が、多くの検討客に紹介されるため、その方が早く売却できるのです。
従いまして、買取り再販業者は、フルリノベーションが完了したらレインズに掲載だけします。
レインズ:不動産業者だけが見れる物件共有の情報サイト
その後は、仲介業者がレインズから物件情報を得てお客様に紹介するという流れです。
仲介業者がレインズからその物件情報を得て、不動産ポータルサイトに掲載するか否かは、仲介業者によります。
レインズでその物件情報を見ても、販売に動かない業者もいますし、レインズに掲載されている物件はひととおり自社のホームページ含め、サイトにアップする不動産業者もいます。
すべての物件情報を、ちゃんと提示してくれる不動産会社に依頼するべき
仲介業者に購入希望条件を伝えた時、その希望条件に合う物件をすべてちゃんと提示してくれる仲介業者はかなり少ないです。
仲介業者で物件を選別して提示しているケースが殆どです。物件の選別と言いましても、購入希望者のことを考えて、より良い条件の物件を選んでくれているわけではありません。
大体は、その仲介業者の報酬が高い物件から紹介しているでしょう。
報酬が高いとは、両手手数料になる物件のことです。
両手手数料:買主、売主の両方から仲介手数料が貰えること。売主から売って欲しいと直接頼まれている物件は、当然売主から仲介手数料が貰えます。
片手手数料:買主や売主の一方から仲介手数料が貰えること。売主⇒仲介業者A⇒仲介業者B⇒買主の流れが一般的。仲介業者Aは、売主から仲介手数料を貰い、仲介業者Bは、買主から仲介手数料を貰う。
購入希望者から購入希望条件を聞いて、その条件に合いそうな、売主から直接預かっている物件を優先的に紹介するという感じです。
各業者とも、利益を追求しているから仕方ないと言えば仕方無いのですが、購入希望者にとっては、たまったものではありません。
両手手数料を狙っている仲介業者の見分け方
では、どうやったら、その仲介業者が両手手数料を狙っているかどうか見抜けるのでしょうか?
それは、、、
物件が提示されたときに、ルートを聞くのです。
オーナーから購入希望者までの間に、何社の仲介業者が入っているのかを聞くのです。
業者「こちらの物件とこちらの物件が良いと思いますが・・・」
購入希望者「この物件は、オーナーさんから直接売却依頼を受けているのですか?」
業者「・・・はい。」
購入希望者「もう一つのこっちの物件も、オーナーさんから直接売却依頼を受けているのですか?」
業者「・・・はい。」
こういう回答が来たら、紹介される物件は、すべて両手手数料を狙った物件が紹介されているということになります。
また、その営業マンに聞いても良いと思います。
「御社は、片手手数料でも取引する会社ですか?」と。
片手手数料でやる仲介業者は、購入希望条件に合うすべての物件を紹介してくれます。※ちなみに私もそうしています。
大手の仲介業者は、両手手数料を目指すことを営業マンに強いていますので、購入希望条件に合うすべての物件を紹介してくれることはありません。
これが令和になっても続いている不動産業界の悪しき習慣です。