会社員が「経営者意識を持つ」とはどういうことか?社長の本音から考えてみた
「会社員も経営者意識を持とう」なんてよく言われます。
わかるようなわからないようなことですが、具体的にどういうことでしょうか?
前の会社で役員をやって、自分の中での答えはあるので書いてみます。
結論から言ってしまうと、私にとって「会社員が経営者意識を持つ」とは「社長も一人の人間であることを知る」ことが9割です。
社長は病むほど大変
前の会社の社長が、一度だけ話してくれたことがあります。
「社長なんてやるもんじゃないよ。
オレなんて、いっつも精神安定剤や睡眠剤を飲んでる。
会社や従業員のことを考えると、怖くて仕方ない。」
要するに、社長になると、社員になんとか給料を払わなければいけません。
売上が落ちているときはもちろん、良いときもいつ悪くなるかと思うと怖いので、精神安定剤を飲まないと不安だし、睡眠剤を飲まなきゃまともに寝ることもできないと、そんな話でした。
たしかに、自分が社長だったらそうなりそうです。
社員や社員の家族のこととを考えたら、いつどんなときも不安で仕方なくなるかもしれません。
社長の考えていることがわかる
この話を聞いてから、社長の言動の理由がわかった気がしました。
社長の言うことがコロコロ変わるのはなぜでしょうか?
会社がどうなるか一番不安に思っており、会社をどうすべきか一番考えているのは社長です。
だから、ちょっとでも良いアイディアを思いついたら、少しでも不安を解消すべくすぐにでも実行したいのでしょう。
社員にちょっと反抗されただけでも、理不尽なほど怒るのはなぜでしょうか?
精神安定剤や睡眠剤を飲むほど社員を雇い続けるために必死なのに、そんな思いも知らず反抗的な態度を取られたら怒るでしょう。
こんなことを言うとあれですが、私的な経費が多いのはなぜでしょうか?
いつも不安で大変だから、遊んでなきゃやってられない部分があるのかもしれません。
もっと言うと、こうも思いました。
社員の中には「ウチの社長はぁ…」とか、「オレが社長だったら…」なんて軽く言う人もいますけど、正直だいぶ的が外れているなぁ…とも。
経営者意識を持って働く
社長の考えていることがわかれば、自分のやるべきこともわかると思うのです。
社長が言っていることは、要は売上が上がるか経費を減らすかのどちらかの場合がほとんどです。
そして、こういうとなんですが、社員が言ってるのはただ自分がラクしたい場合が正直多いです。
だったら私は売上を上げるか経費を下げるかだけを考えて提案し、社員が言ってる愚痴や批判はスルーします。
社長を公然と批判するようなことはしません。
会社のことを一番考えているのは間違いなく社長なので、社員がいくら考えたところで、立場的にそこまで考えられるわけがありません。
どうしても言わなければならないことは、時と場所と言い方を考えて話します。
多少の無駄遣いは気にしません。
外車に乗ろうが、高級寿司を食べようが、そうでもしなきゃやってられないのでしょうし、よほどの無駄遣いでなければ大した問題ではありません。
私は正直、外車に乗れても、高級寿司が食べられても、一社員のほうがラクだと思いますしね。
そういうことが、私にとって経営者意識を持つということです。
社長なんてやったこともないのに、自分が社長にでもなったかのようにあれこれ命令するとかではなくて、社長の考えてることを想像して、自分が何をすべきか考えて行動するということです。
極論、これだけやっていたら前の会社では役員にまでなったので、あながち間違ってはいないかと思っています。