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#6 ストレス外注の商流
「コンサルとキャバクラと同じビジネスモデルなんだよね」
私の尊敬する先輩が以前つぶやいていた言葉だ。
キャバクラとは、一般的な飲食料金よりも高い報酬を払うことによって、普段一般人には向けられない態度、聞いてもらえない話をアウトソーシングするモデルのこと。(と彼は考えている)
コンサルとは、自分たちで考えられないビジネスを頭のいい人に考えもらう、または自分たちのビジネスに箔をつけることを目的とした第三者意見の後押し。「思考」のアウトソーシング。
いづれにしても、本来当事者間で発揮されるべき「関係性」が築けていないと指摘される。
キャバクラであれば友人や家族に相談する、そうした環境を作り出せなかった本人に落ち度がある。
コンサル界隈でも本質的なビジネスの設計を社内で実行できない、または外部の箔がないと通せない提案などは、自社の優秀な人だけでは決められない、という意思表示ともいえる。(攻撃的な言い回しになるが)
ゆえに、機関投資家の方では、決算における外注費や資料を自社ではなく他社が作成しているような企業は、中長期的に没落すると考える人もいる。
データサイエンティストも、分析に関わる提案を行う点において、コンサルと通じるものがある。
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世の中には人のストレスを受け止める仕事があるなり
こんな話の切り出しを新卒にすると、そんな会社なんですかここ・・・と嫌な顔をされるかもしれない。だから、この真理に気づくのは、自分が時分に経験を積んだあとになるのでしょう。
私はクライアントの役員の低血圧によく振り回される。特に月曜日の午前中はまあ機嫌が悪い。それは周知の事実としてみんなが我慢をしている。
そして私たちアナリスト兼役職者とコミュニケーションをとるマネージャー層になると、その矛先になる蓋然性が上昇する。
ゆえに午前中は逢う魔が時。余計なタスクを増やさず、最低限の確認だけができればいい。そうした決済者の機嫌取りも考慮する。それでも降りかかるものは厄災、台風とでも考える。
そうはいいつつも、私もかつて2度、このストレスのアウトソーシングが原因として鬱病を患った。私はメンタルが強い方なので寝ていればなんとかなる。食欲がなくなってもタンパク質とビタミンが取れていれば、身体の再生は行われる。
「高級取り」とは必然的にストレスフルなものだ。
経営者や役員層は会社の責任と報酬がセットとなる。そのストレスやプレッシャーの解消先として、キャバクラや我々の立場の人が、ストレスを代理で引き受けるのである。
パパ活や大久保のたちんぼなど、自信の魂や体をうってまで、何かを得ようとする人もいる。私はそれも、社会構造の一つとして必要なのではないかと思うんだ。
社会は完璧でない人間が作り出すもの。
経営のストレス、マネジメントのストレス、プレイヤーのストレス。孤独なストレス。そのストレスの発散を外注される人たち。そして、報酬をブランド品、風俗、ホスト、ギャンブルに費やす人たち。
そこに上下関係はない。ストレスの消流があるだけだ。
「無駄使い」と一般的に批判される行動や心理も、完全に排してしまえば、ストレスの消流も消えてしまう。本当にストレスの発散先がなくなったとき、正しいだけの苦しい世界になってしまう。
私は、自分がストレスの受け皿でありながらも、こうした社会構造は必要だと考える。