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盛岡うろうろ8時間

しばらく前に、真夏の盛岡市内で撮影中のフィルムをうっかり感光させてしまった失敗談を書きましたが、ようやっとその直後にCONTAX Tで撮影した写真を公開する気になりましたです。

この日の最大のミッションは、あたしが編集発行人をしているフリーペーパー「おしゃま画報」の取材。
21号からはじめたインタビュー記事のために、盛岡在住の作家さんにお話しを伺いにきたのでした。

あいほんで撮影
こんな繊細な絵を描く方でした(E-P3で撮影)

ちなみに表紙の絵は、じぶんで描いています。
そもそも装画も写真も、誰に依頼するつても、銭もないものだからそうしているのですが、誌面もさることながら、このゆるゆるいボールペン画こそがこの「画報」の性格を物語っている…気がします。

んで、約束の時間は14時だったのですが、早朝5時前に仙台をでてきたおしゃまは、もちろん下道経由で10時半に目的地附近に到着。
前乗りは得意なんだけど、時間つぶすのが下手っぴなんよ。
暑すぎてこれ以上炎天下の盛岡をバイクで走り回る気になれず、半袖の上に羽織ってきたメッシュジャケット(プロテクター入り)を仕舞って、おとなしく街あるき=撮りあるきをしようと決めました。
しかし熱風とはいえ走行風を浴びてきた身で、徒歩に切り替えても急に涼しくなるわけもなく。
結局肴町アーケードと中の橋通の角にできたばかりの「monaka」からせいぜい1km圏内を歩いただけで汗だく。
そのさなかに、フィルム感光事件があったのでした。

紺屋町番屋
紺屋町の自家焙煎珈琲屋
ことしの3月に再訪した「クラムボン」

クラムボンの隣の隣、以前日本酒の蔵元があった(雫石に移転したとか)場所には◯カラレー◯ンが高層マンション新築中なんだけど、広告に「岩木山」の写真を間違えて掲載してしまい現地では大炎上…ネットスラング、比喩とはいってもこれから建てるマンションが「炎上」では洒落にもならんけど、それだけ住民感情を逆撫でする事件だったわけね。
上の7枚ともすべてその近辺で撮りました。
こんな味のあるすてきな町並みにでっかいマンションって、ねえ。


これまた紺屋町にあるタクシー営業所、いい雰囲気でしょう。
しかし車輌は一台もなく、人影もない。
冬に破産かなにかで事業停止してしまったそうなのですが、それにしても備品なんかまでそのまま、夜逃げさながらの状態。


旧「盛岡正食普及会」
奥に入っていくと
ギャラリーです

中央タクシーのはす向かい、むかし天然酵母のパンを製造販売してたという建物の奥には、ギャラリー彩園子さいえんすがあります。
去年の6月の盛岡電撃訪問のときは、日曜つうことで定休日でした。
はじめて中に入るも、蔵造り+冷房なんかないってことで、空気がよどんでる…オーナーさんは屋外作業中で、挨拶もしそびれた。
スリッパに履き替えて上がる二階の喫茶「一茶寮」もみるからに同様なもんだから、常設展のみ観て、また季節の良いときに来ようと。

擬宝珠が印象的な上の橋で中津川をわたり、対岸のマンション一階にあるギャラリーを冬に続いて訪れましたが、休みでした。

バスセンターのはす向かい、肴町商店街の入口にオープンした「monaka」
羅針盤(旧「六分儀」)

あるき疲れて、この日一杯目のコーヒーをのみに「羅針盤」へ。
こういうときは、素直にアイスコーヒーを頼みます。
奥の席が空いたのをみてすかさずノーファインダーで一枚。でも斜めってる…
経営がかわっても、店内の雰囲気は変わりなく。
でも、はやばやと引退したマスターには当然のごとく会えないんだな。

アイスコーヒーだけで時間がつぶれるものでもないので、
徒歩3分もかからないアーケードのなかの「未完成」に移動。
ここはフードメニューが豊富。
気取らない感じがいい、街の喫茶店という雰囲気。

未完成にて
茶廊 車門(スクーターはあたしのではないよ)

そして「茶廊 車門」の二階席に上がり、久々にお会いした作家さんにインタビューをさせていただきました。
すごくいい雰囲気のお店で、ほぼ満点に近い喫茶店なのですが、一時間以上いたのにテーブルフォトすら一枚も撮らずじまい。
聞くほうもなかなかに緊張していたのかもね…

取材のあと、近辺をまたうろうろしていたら。
良さげな洋館があったので正面に回ると

いにしえの写真館でした!
特大の人魚のレリーフが瀟洒で贅沢で泣かせてくれます。
ほかにも細部をみるとえらく凝った作りです。
じつは名所らしく、「旧小原写真館」としてGoogleマップにも載ってる。
盛岡には、この手の洋風建築の写真館が四軒も残っています。
現在も写真館として営業中なのは一軒のみになりましたが。

最後の一軒、上に写真を上げた紺屋町の「漸進社」で夕方のコーヒーをのむ前に、愛車で北上川に架かる明治橋と東大橋(国道4号)のあいだの河川敷に行ってみた。
岩手山を撮ったつもりが、薄くてわからねえ…とお叱りを受けそうです。

漸進社にて

夏の17時半だというのに薄暗い店内、Lo-Fi Chillなんちゃらとかいう音楽が流れる店内にはあたしとマスターしかいなくて、またもや緊張気味にしてホットコーヒーを飲み、18時には帰途についたのでした。
23時まで開いてるらしいけど、どうなんでしょ。

仙台の寓居に帰り着いたのは、23時半。
長い土曜日がおわりました。

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