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記憶日記 幼稚園

過去のことを日記のようにつけようとふと思う。

幼稚園時代。
何かとても変わったところに幼稚園はあったように思う。
意味もなく幼稚園の前のスペースが開けていて、幼稚園の左わきの道の奥へ行くと森のようであり、そこを抜けると園の裏手にある山、なのか丘、なのか少し小高い所へ出た。

お昼はお弁当で、牛乳を冷蔵庫から出してくれた。丸い蓋の瓶の牛乳。たまにお金を渡すとコーヒー牛乳を飲めた。そんな日は嬉しかったし、少し得意になった。

幼稚園の先生も大好きだった。
今思えば年も若く、母よりわりと年下だったかもしれない。その先生は香水のいい香りがしたことを覚えている。

卒園して小学校、中学校とずっと年賀状を送っていたが、中学の途中でその行為がとても恥ずかしいように思え、出すのをやめてしまった。

思春期とは恐ろしい。
いろいろな素敵な、親からすると愛おしくて涙が出るような素晴らしいものも、次々と容赦なく切り捨てていく。成長として正しいと思うがあまりに無情だ、と今思う。

園の授業で、粘土をやる時間がよくあった。
もうそろそろ終わりという頃合に、私は友達の粘土にちょっかいを出して、挙句プラスチックのヘラを歌いながらぶっさした。

その友達はみるみる泣き顔になり激怒した。

私はとっさに、「あ、まずい!」と思った。

何でそんなことすんだよ。と今では思うが、調子に乗っていたんだと思う。
その後のことはほぼ記憶にない。先生が慌てて対応していたような気がする。

登園する際は近所の子どもたちと列になり登園していた。
母も一緒だったような気がする。

車が一方にだけ走れるような細い道を歩いていると、右手にさらに細い砂利道が見えた。

私はそこを毎回「砂利道だ」と思いながら通り過ぎる。
たぶんどこかへ行くときの無意識で確認している目印のようなことなのかもしれない。
その「砂利道」だという感覚が、登園の象徴のような思いがある。

だからなんだということなんだけど、それだけの記憶日記。


おわり


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