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今回も戻ってきた不思議な手袋


はじめに

先日、レンタル自転車をサイクルポートに返却した際、カゴに手袋を忘れたまま返してしまいました。結論から言うと、手袋は取り戻せたのですが、取り戻すまでの約30分間にドラマチックな出来事、いや、それほどでもない出来事?があったので記事にしてみようと思います。

レンタル自転車

私が利用したのはNTTドコモが実施しているバイクシェアサービス。東京都では下記写真のようなサイクルスポットが駅やビルなど主要箇所に点在しています。好きなスポットで借りて、好きなスポットに返却できます。手続きはバイクシェア専用アプリ等を利用。これがなかなか便利なのです。

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自転車返却(手袋をカゴに入れたまま)

さて、先日の話。
出先からの帰り道、荷物がたくさんあったので、レンタル自転車を借りて帰りました。自宅近くのサイクルポートに自転車を返却して帰宅したところ、自転車のカゴに手袋を入れたままだった事に気が付きました。

「たしか、返却した自転車は、次の人が借りれる状態になるまで時間が必要だった気がする。まだ5分ぐらいしか経ってないので、今から取りに戻れば大丈夫だ。」(※注意:これ、私の勝手な思い込みです。真偽不明)

そんな根拠の無い自信があったので、サイクルポートまでぷらぷらと歩いて戻りました。

サイクルポート再び

返却から10分以上が経過しただろうか。着いてみると、なんと自転車は無くなっていた。別の人が借りたのだろう。自信満々で取りに来たので、無い現実は受け入れ難く、フワフワとした状態で帰宅し、妻に自転車が無かった事を伝えた。

行方不明の手袋

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これがなくなった手袋である。のらりくらりと20年も愛用していた。利用頻度は高くはないのだが、毎年、真冬の寒い時期になると登場する。ちなみに妻からのプレゼントであり、今まで何度も紛失しているのだが、その度に見つかる不思議な手袋だ。そんな手袋とも、いよいよお別れなのか?と思ったが、一方でまだ見つかるのでは?とも思っていた。

探すか。

私は休職中だ。時間はたっぷりある。金は無いが暇はあるので、探すことに決めた。取り戻すためには、借りた自転車が今どこにあるかわかればいい。

自転車の番号はわかる。

借りたレンタル自転車のバイク番号はわかる。アプリでのレンタル開始時にパスコードが表示されるので、画面のスクリーンショットを保存していた。バイク番号は「CYD1213」だ。

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検索できないか?

バイクシェア専用アプリで検索できないだろうか。バイク番号をキーとして、その自転車が今どこのサイクルスポットにあるかを検索したい。アプリを起動して色々と操作してみたが、そんな検索機能は見つからなかった。そりゃ無いか。あったら悪用されそうだもの。

次に考えたのは、コールセンターに電話したら教えてくれるのかだ。事情を説明し、このバイク番号の自転車が今どこにいるか教えてくれないだろうか?とも考えたが、紛失物が手袋では・・弱いというか緊急性が弱そうだ。教えてもらえないだろうと思い、電話はしなかった。というか、そこまでやるのはちょっと・・という気持ちが勝った。

ドコモの紛失物対応

レンタル自転車での忘れ物はどう取り扱われるのか。答えはバイクシェアのWebに載っていた。

弊社スタッフや利用者の方が遺失物を拾得した場合は、最寄の警察署に届け出をおこなっておりますので、お手数ではございますが、お客様にて最寄りの警察署に遺失物の届出をお願いいたします。

手袋が大事な物であるのは確かだが、警察署に届けて・・までは考えられなかった。

「他の自転車のカゴはみた?」

妻が言った。
「もし自分が乗る時、知らない人の手袋がカゴに入っていたらどうする? 隣の自転車のカゴに入れたりしない?」
なるほど。もう一度、探しに行こうと思った。ついでに、近くの茂みも見てみよう。カゴから捨てられている可能性もある。なんだか見つかりそうな気持ちになってきた。家の自転車に乗ってサイクルポートを目指した。

サイクルポート三度

着くと数台のレンタル自転車が並んでいた。すべてのカゴの中身を調べたが、手袋は入っていない。茂みも探したが、手袋は見当たらなかった。

さて、どうしようか。繰り返すが、私は暇だ。他のスポットに自転車が返却されている可能性もあるので、近所のサイクルポートをいくつか回ってみようかと考えた。だが、あてはない。思いつきで最初に浮かんだサイクルポートへ、自分の自転車で向かうことにした。

途中、屈強な乗り手を妄想

向かう途中、もし自転車を見つけたとして、乗っている人が屈強な人だったらどうしようか。もし素直に手袋を返してくれなかったらどうするか。私は休職中だ。情に訴える方法でいくか・・等、暇でそんな妄想をしながら向かった。サイクルスポットの正確な場所を把握するため、バイクシェア専用アプリを開き、地図上から向かうサイクルスポットをタップした。

スポットにある自転車わかるじゃん

なんと、スポットごとに今ある自転車一覧は見えるのだった。一例として、東京タワーのサイクルスポット画面を以下に示す。下にスクロールしていくと一覧が見える。

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バイク番号をキーとして、その自転車が今どこのサイクルスットにあるかをを検索する術は見つからなかった。だが、サイクルスポット毎にある自転車一覧は見ることはできるのだった。

考えた。

この辺は駅からは遠い。ここで借りる人は駅に向かう可能性が高いだろう。この辺で一番大きな駅のスポットを探し、アプリで一覧を表示させてみると・・

見つけた!

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なんと1発目で見つけてしまった。とても興奮した。「今ならそこに探している自転車がある!」のだ。急いでそのスポットに自転車で向かう。ここ何年かで一番のスピードを出してしまった。途中、ヒヤリとした瞬間もあったので、少し気持ちを落ち着かせながらも急いだ。そして、スポットは目の前、あと信号一つというところで気づいた。

予約すればいい

なぜ気付かなかったのだろうか。その通りだった。あと信号1つだったが、「予約する」をタップした。この瞬間、自転車の確保が保証された。後はカゴに手袋が残っているかだ。

手袋は無事だった。

また手元に戻ってきた。凄い手袋だ。

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私はこのようにして取り戻せました。
2021年の年の瀬の出来事でした。

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