Nintendo Switch版 Metro 2033 Reduxレビュー

ソフト情報

発売日:2020/04/23
エディション:Metro 2033 Redux ダウンロード版

クリアした感想

Not good for me. という感じ。ゲームが売りとする要素のほとんどが私と合わず、ストレスフルだった。

ゲームをしているというより、高難易度の試練をやらされているような感じが強く、それなのに大した達成感もないのが理由。
ストーリー重視のゲームなのに、肝心のストーリーに謎が多すぎて、台詞量は多いのに物語の核心に迫るものは少ない。
攻略の自由度も低く、キャラクターもあまり灰汁の強いものがおらず、印象に残りづらい。
私がFalloutシリーズのプレイヤーで、それと比べて行ける場所があまりにも少なかったりしたのが、マイナス点だったのかもしれない。
(そもそもあちらはオープンワールド、こちらはRPGとだいぶ違うんだけど…)

ストレス要素(後述)が多く、「ぎりぎりの難易度で楽しむサバイバル」というより「イライラに耐えながら暗闇の迷路を進むゲーム」という気持ちが強かった。

ただ、世界観の作りこみはすごく、小物等もしっかり作られている。
同じようなポストアポカリプスのFalloutと比較すると、より人類の立場は絶望的で、敵は凶悪で、ソヴィエトの閉そく感がとてもよくあらわされている。そういうのが好きな人には楽しいゲームだと思う。
私は別にそういう小物は好きではないので、加点要素にはならなかった。

PC版/XBox版との違い

・日本語音声がない
・FPSが低い
・一部のストーリー上影響の少ない要素がカットされている
・DLCの要素がない(後述)
・屋外の解像度が低い

ストレス要素について

・エンディングが不完全燃焼

命の恩人であるミラーたちや、その仲間の犠牲を無かったことにする行動を行うと真エンドにたどりつけるのだが、「あの犠牲は何だったんだ?ここまでの旅は?」となる。
主人公が途中である人から諭されるが「終始命令を受けてその通りこなして終わり」な感が否めず、通常エンドでも「本当にこれでよかったのか?」といったエンドで、後味も悪い。

・フリーズが多い

Switchのエラーメッセージが出るタイプのフリーズや、ロードが終わりAボタンを押すと画面が完全に止まるパターンなど。
1回クリアするまでに3回ほど遭遇した。
個人的な感想だが、インディーズやα版はともかく、買い切りのCS版ソフトでフリーズは言語道断だと思っているので、これは欠点として挙げた。
ちなみに発生したのはアーモリー駅脱出後の防衛戦線。

・深刻な視界妨害

ガスマスクの端が曇る、ダメージを受けると割れる、ダメージを受けると視界が揺れるetc.
個人の嗜好の問題だと思うが、リアリティの快感より、そういう演出にストレスを感じる人には向いてない。

・立体的な迷路だが行先の説明が少ない

例えばブルボンとはぐれた時の「ホテル」がどこなのかとか、ミラーと落ち合うライブラリの前とはどこなのか等、特に地上マップの案内が乏しい。

特にサブクエスト(例えばOutpostのSOS発信機見つける)はそもそもどこにあるのかも教えられないという不親切さ。やらないと真エンドにたどりつけないうえに、地味なもやもやが残る。

敵が強く、地上はガスマスクの時間制限があるので、もたもたしていると詰む。

・画面がとても暗いのに迷路マップ

有名なゲームレビューサイトでも散々書かれているが、画面がとても暗い。明度設定はない。かつ、迷路のようになっているステージが多い。
照明も暗いので、暗いのにストレスが溜まるタイプの人には絶対に向いてない。

・コントローラーのプリセットが3つしかない

PC版などでは自由に設定できるコントローラーのプリセットがなぜか3タイプから選ぶ形に。ダッシュがスティック押し込み等使いづらい。

・一部字幕がない所がある

イベントシーンではない部分のキャラクターの台詞やオープニング等。
特にオープニングは字幕がないので、ストーリーをどこかで補完しないと意味が分からなくなる。
なぜか一度チャプターセレクト画面までいって、放置していると流れるオープニングの方には字幕がある。なんでや。

公式サイトからは読み取れないが、日本語音声はない。XBox版にかなり質の高い物があるのになぜ収録しなかったのか…

・登れそうで登れない段差、開けられない扉

室内が迷路化している要因の一つがこれ。明らかに登れそうな段差なのに見えない壁にさえぎられたり、他のものと何ら差がないのに開けられない扉などが多い。
終盤には「開けられないけど壊せる扉」なんてものも出てくる。

バグと思われるもの

・右手ジョイコン操作不能

左手のジョイコンで出来る操作(例えばエアガン系武器への空気供給等)をしながら、LやRなどを押すと、稀に右手ジョイコンで行うあらゆる操作が出来なくなる。当然発砲やガスマスクの付け替え等も出来ずリトライするしかなくなる。「稀に」と書いているが、1時間のプレイで1回発生するぐらいの頻度。
発生中は歩いていないのに歩いているように銃が揺れるのが特徴。特に長いミッション(前線基地等)で発生すると非常にげんなりする。

・一部の装備が出てこない

私が無いことを確認した装備は以下

・ヘビーアーマー
・ボルトドライバー
・ヘビーオートショットガン
・ステルスアーマー

特にヘビーオートショットガンがないので、終盤に出てくるライブラリアンを倒すのが非常に難しい。ハードコア難易度で吸着グレネードを頭に2発+AK数発で倒せる。
アーマーがないためとても死にやすく、PC版に比べると難易度が高め。

まとめ

核戦争後の世界の雰囲気に(主に小物や閉塞感で)浸りたい人には良いゲームだと思う。
ただ敵のAIがとても頭が悪かったりと、それ以外の面は大味な感じ。
ストーリーはよくわからんので深く気にしてはいけない。




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